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私は中間管理職!  作者: 苺パフェー
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只今、必死です。

私が入社一日目に驚いたことは「ここは何所ですか?」状態でした。

だって、どの人が上司なのか何年先輩なのかが分からず、ただ皆さんは何かの話題についてだと思うのですが「湧きあい合い」とされていました。それも、デスクではなくて多分、課長だと思いますがその方のデスクにめいめいが座られておられます。課長も(多分ですが)ハハハ・・と笑いながら皆様とお話しをされていました。そして、ボーと突っ立っている私に気が付かれて「こっちこい!」と手で「おいで、おいで」をされています。私のことなんでしょうね。きっと。


「みんな。静かに!今日から我が部署に入った松田皐月君だ。みんな仲よくしてやれ!」


「あの、あの、今、ご紹介になりました松田皐月です。宜しくお願い致します。」

私はそら、緊張しましたよ。だって、あの雰囲気の中での紹介ですから。


そして「おい!佐川。おまえの後輩だ教えてやれよ!」

この方は私のすぐ上の先輩になるのでしょうか佐川さんと仰る方の下につくことになりました。

皆さんは「ヒュー!」とか「おまえ、虐めるなよ~」とか「お持ち帰りはダメだぞ!」とか色々なお言葉を投げ合っておられます。

そして私のデスクはこの佐川さんの隣。

佐川さんのパソコンの周りにはカワイイ猫や犬の写真が張ってあります。

きっとこの方のペットなんですね。仕事前にこの写真のどれかに声を掛けられて・・・・・

「おはようさん!マリア。今日もカワイイね。」と。何でしょうかね~~?

それに、張ってあるペットの名前を一匹ずつ呼んで「麗しい」だの「綺麗」だの。最後に極めつけに「愛しいボクのハナ。愛しているよ!ブチュ!」です。

私は何か珍しいものを見るような目で・・・・・佐川先輩、失礼しました。

それから、私は宛がわれた仕事をこなしていました。

すると、どこから回ってきたのかは知りませんが「今日、松田皐月ちゃんの入社パーティーをする。主席出来る者は〇で囲め」と書いてありました。皆さんは大きな〇で書き込まれていて・・・・

私は嬉しいのです。入社1日目から皆さんにこのようなパーティーまで開いて頂けるとは思いもよりません!本当に有り難い!皆さん!有り難う御座います。松田皐月。頑張ります!



それから、半年の月日が経ちました。

私は聞こえは事務なのですが病院の器具の勉強をさせられています。

何故か?というと、皆さんは「こんなの覚えても自分の為にならない!」と仰って・・・・・

だから、私に勉強させているのです。

後から聞いた話しなんですが「今年は新人が配属される事になった!みんな喜べ。今度の新人に全てを任せば良いぞ!」ってな事。

今から思えば、あの入社1日目。皆さんが優しかった理由が分かりました。

何も知らないとは言え、全て鵜呑みにした私が馬鹿でした。本当に世の中は怖い。

でも、でも後、半年すると新人が入って来ます。それまでの辛抱。

そのことを考えると気持ちも少しは楽になり、今の仕事は苦痛に感じない?

仕事の内容というとレントゲンの配線云々がどうだとか、精密機械がどうだとか私にはさっぱり何の事だか分かりませんよ!ただ、説明書とにらめっこの毎日です。

なんたって、私は保母志望してんですから。だから私は幼児教育学部卒なのです。

畑違いもはなはだしいかぎり。この先、不安が付きまとっています。


「松田さん。これ、調べてくてた?」


「はい。この書類です。」


「松田さん。これはどう言う器具なんだ!俺に分かり易いように説明してくれ。」


「はい。この器具はですね・・・・・」


たまには

「松田さん。一緒にお昼に行かない?」


「おい!松田。この店で飴を買ってきてくれ。」


「あっ!俺も!俺はこの店のせんべい。早く行かないと売り切れるからな!絶対、買って来る事!上司命令だ!」


ハイ。私は雑用係りでもあるのです。文句も言えず、ただただイエスマンなのです。

唯一の楽しみが「お弁当」毎日、私は自分のデスクで食べます。

皆さんが出行かれた後。ヒッソリと。何故かというと皆さんに食べられてしまうからなのです。

私の唯一のお弁当さんが・・・・私は学習したのです。

そして、一ヶ月後にすご~~い上司の方が配属されました。それも女性!

その方の名前は「荻田 麗子」さん。名前のの感字は「華麗」の麗です。

見た目はモデルのような美人。仕事はこの部署の誰よりもテキパキとこなされています。

私の憧れの上司です。それに比べて・・・・ウチの男連中ときたら、この麗子さんの爪の垢でも飲ませたい!(私の願望)

私もいつかは麗子さんのようになりたい!!麗子さんは私の希望の星になっています。


「あら。新人さんね。宜しく!私は荻田麗子よ。分からない事があったらいつでも聞いてね。」


「ハイ!有り難う御座います。私は松田皐月と言います。これから宜しくお願い致します。」


「まぁ~~~!なんて素直なの~~~!ちょっと沖くん。だれの希望?この子を配属したのは。」

そう言って私を抱きしめました。それも、かなりの力で。

「沖さん」はウチの課長です。


そして、私は麗子さんの直ぐ下の後輩になりました。

そら、嬉しいですよ。麗子さんは「佐川君は見かけによらずダメ男だし。」と独り事のように。

私は聞いても良かったのかどうなのか?

麗子さんは言ってみればこの部署の誰よりも「男らしい」の一言につきます。

私は明日から目の前が変わりそうです。

そして、明日の出社が楽しみでもあり不安でもあります。



麗子サイド


今年は女子1人か。見た目、可愛いし。頭脳、普通上。仕事、やる気有り。

それに、私の事を尊敬してるようだし。今年は良い子が来てくれたわよね。

前の新人は男ばかりに気をとられてダメだったし。

さて、皐月ちゃん。ウチの部署では私がチーフなのよね。

バシバシ行くわよ!!

本当に、楽しみだわ。「しごき我意」があるわよね~~~~(ニヤ~~~)

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