懐かしく感じる
【合格発表当日】
「440番はどこにあるかなァ゙」
「レイ!ここ!」
「お...おお」
見ると、『Sクラス首席』とデカデカと書いてあった。ふざけんな。そして、俺気になっていた、439番は『Sクラス次席』と書いてあった。麗華はAランク首席...と思ったが、Aクラス次席だった。
俺は目立ちたくないし、学長のとこに行って、下げてもらおう。
「レイまさか、クラス落としてもらうつもり?」
「当たり前だろ」
「ダメ!絶対ダメ!!」
「なんでだよ...Sクラスはめんどくさいんだよ」
「どこが?」
「色々...決闘とか申し込まれるんだってよ。自分より下のクラスの奴が、俺に勝ったら、Sクラス首席はそいつのものになる。そして俺はそいつのクラスに移動。簡単に言うと、入れ替わりだな」
理解したか理解してないかわからない表情で。
「なるほど。じゃあ、そのままでいいね」
「良くないわ。話の内容わかってないだろ。お前」
「だって、レイのかっこいいとこ、見れるんだよ?私からしたら、ご褒美なんだから」
めっちゃ呆れるって。まぁ...そんなに言われると、Sクラス首席のままでも、良い気が...
その時、セレナ・クロウディアが剣技の練習をしているのが見えた。俺は内心、こう思った。
『ここ魔法学ぶとこなんだし、剣技いらんだろ』と思った。だが、自然と目線はセレナ・クロウディアに向いたまま、俺はじっくりと観察した。セレナ・クロウディアの構えや、動きを何故か懐かしく感じる。まるで昔、一緒に行動していたような。それに、一瞬誰かと重なって見える。ただの幻覚かなにかだろう。うん。
■【セレナ・クロウディア視点】
私は今剣技の練習をしている。何故か...急に剣技がしたくなった。いつもたまにしかやらない剣技。やろうと思ったきっかけ...それはSクラス首席を見た直後。それに、一瞬誰かと重なって見えた。そして、いつもとは違う、構え、動きをやってみた。そしたら、こっちのほうがやりやすい。もちろん、こんな構えと動きなどしたことない。だが、この構えと、動きが体に染み付いている感覚で、やりやすかった。なぜだろう...こんな構えなど、この世界にはない気がする...
■【入学式当日】
学園長の話が長い...
学園は三年制であるとか、規則は守れや、決闘のルールとかの話だ。
決闘のルールはこうだ。 Dクラスの人は、最大Bクラスの人に決闘の申し込みができる。Cクラスの人は最大Aクラスの人に決闘の申し込みができる。Bクラスは最大Aクラスまでの人に決闘の申し込みができる。Aクラスの人は最大Sクラスの人に決闘の申し込みができる。そして、もし、決闘で、クラスが高い人がまけた場合、勝った人がそのクラスに上がり、まけた人は買勝った人のクラスに下ると言う、システムだ。
そのため、Sクラス首席の俺と次席セレナはAクラスからの決闘が多く来るはずだ。俺はこれがめんどくさくて嫌だ。まぁいいか。どうせ、麗華にはダメって言われるし。
■【寮にて】
「おい...なんで...麗華がおんなじなんだ...」
「当たり前でしょ!!!」
「あ...はい...スミマセン」
まさか、同じだとは思わなかった。
よし、寮を探索するか。
寮を探索してから数分後。
セレナに出会った。
「お、あ...どーも...?」
「あ、え...はい...どーも?」
この感じ...何処かで...
「貴方...レイであってるよね?」
「あ、はい。レイです」
「呼び捨てでいい?」
「良いですよ」
「ありがとう。それで、早速なんだけど...私と昔あったことある?」
「ないです」
俺は即答した。
「あ、ああそう。変なこと聞いてごめん」
「いえいえ」
「で、でも...なんだか...レイと居ると、懐かしく感じるんだよね」
「それは俺も思うんだが、なんだろうな」
「だね...じゃ、じゃあね」
「おう」
こうして、学園での生活が始まった。