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世界線

【朝】


「麗華。起きたか」


麗華は眠そうに言った。


「おはよぉ〜」


俺はいつもの様子の麗華を見て微笑んだ。

何もなくてよかった。もうすぐ出発する。今から向かうのは、この国の近くにある、砂漠?みたいなとこ。

そこで、俺は何かを感じ取った。そのために行く。


「もうすぐ出るぞ。じゅんびしろ」

「分かってるわよ。もうちょっと優しく言いなさいよ」


俺はまた、麗華の説教を30分聞くはめになった。


「麗華。行こう...」

「そうそう。その言い方が良いわ」


めんどくせぇ女だこった。



俺と麗華は国を出て、近くの砂漠地帯に来た。


「レイ〜ここになんかあるの?」

「まぁ、俺は、この辺りから、何かを感じたんだ。もしかしたら、未発見の迷宮。もしかすると、未発見の大迷宮の可能性もある」


麗華は驚いてる様子だ。まぁ無理もないが。


「だが、未発見の迷宮は超危険だ。俺が読んだ本には、新発見の迷宮には最低100人居ないと、全滅すると、書いてあった」

「あ...え...」

「怖いのか?」

「いえ。ここで、怖がっていたら、レイの隣に居れないもん」


俺は微笑んだ。


「そうか。では行こうじゃないか」


入口は見つけるのではなく。自分で作るもの。


神力を使った、闇炎をここに撃ってみよう。


「闇炎」


瞬く間に、闇と言える、漆黒が砂を飲み込み、入口を作った。


「れ、レイ...何をしたの...」

「教えないよ」

「あっそ」


どうでもいい話はさておき、入口は作れた。この先何があるかはわからない。麗華を守りながらの戦闘の練習になりそうだな。


「麗華。準備はいいか?」


断固とした表情で。


「ええ。もちろん。逃げることはしないわ」

「その言葉に嘘はないな?」

「もちろん」


俺は感じた。嘘はないと、はっきりと。


「では行こう」



入ってすぐに、分岐点があった・どちらに行くか。


「麗華はどっちにする」

「右に行きましょう」

「わかった」


右に行き、少し経った。眼の前には魔法陣。なんの魔法陣かはわからない。だが、行くしかないことには変わりない。


「麗華。行こう」

「うん」


麗華の返事には迷いがないようだった。


俺等は、魔法陣に乗った。その瞬間、視界が暗くなった。



「...ここはどこだ」

「レイ...!」


麗華が隣りにいた。だが、雰囲気が違う。罠かもしれない。だが、断定はできない。十分注意して、行動しよう。そしてここは...さっきの分岐点か。


「レイ。どっちに行く?」

「左に行こう」

「わかった」


左の道を歩いていると、大きな空間にたどり着いた。その時、龍が魔法陣から出てきた。


「なに!?」


麗華を見ると、足をブルブルと震わせて座り込んでいた。


「麗華!!立て!!死ぬぞ!!」

「た、立てない...」


龍を見ると、麗華にブレスを撃つ寸前だった。


「くそが!!」


俺は即座に、麗華の前に立ち、盾を展開した。


「おりゃあぁぁぁぁぁぁ!!」


バキバキ


骨の折れる音がする。もう限界だ。


「麗華逃げろ!」


麗華は泣いている。こうなるのだったら、無理やりでも国に残しとくべきだったな。


「ぁ...れ、レイ...ご、ごめんね...」


麗華は走って逃げた。これで良かったんだ。クソが...もし右を選んでいれば、こんなことには...


その時眼の前が割れた。



「ここ...は」

『ここは現世界線です。貴方は右の道に来たため、先程の未来にはならなかったのです』

「もし、左に行っていたらどうなんだ?」

『先程見た未来になります』

「そうか...」


麗華はいない。分断されたか。


「そんで、お前は誰だ。それと現世界線?何だそりゃ。教えろ」


『わかりましたよ。私はこの迷宮...正しくは世界線の部屋の創造者のアストレイアです。そして、現世界線。正しくは世界線に関してお話いたします。まず現世界線から。現世界線とは――貴方が今まさに存在している“唯一の現実”を指します。けれど、この世界は一本の直線ではなく、選択と可能性によって幾千もの分岐が生まれているのです。右へ進めば一つの未来、左へ進めばまた別の未来。分かたれたそれぞれの道は“世界線”と呼ばれ、互いに交わることはなく、ただ並行して流れてゆきます』


「矛盾だらけじゃねぇか?」


『貴方は右を選んだ。だから、今この瞬間は揺るぎない“現世界線”として確定している。けれど、左を選んだ可能性も確かに存在し、確かにどこかで流れている。それを矛盾と呼ぶのか、それとも摂理と呼ぶのか……それは、観測者によって異なるでしょう』


「なんか、俺にはわからないもんだな」


『分からなくてよいのです。世界線とは本来、人の理解を超えた理。そのすべてを知ろうとすれば、迷いに呑まれ歩みを失うだけ。大切なのは一つ――今この瞬間に何を選び、どう生きるか。それこそが現世界線を紡ぐ唯一の力であり、未来を形作る真実なのです』


「そうか。そんで...この後どうすれば良いんだ」


『もうすぐ、麗華さんが来ると思います。それと、これを貴方に。貴方には何かを感じる。この指輪を人差し指につけてください』


「これはなんだ?」


『レリックです。個名は未来視の指輪。最大30秒先の未来を見ることができます。魔力もあまり消耗しませんが、見た未来によっては、精神崩壊を起こす場合があるので、気をつけてください』


「わかった...」


『では、私はこれで。この場所を見つけてくれて、ありがとう』


アストレイアが消え、麗華がちょうど戻ってきた。


「レイ!」


走ってきた。


「お、おう。なんだ」

「怖かったよぉ〜」

「そ、そうか」


俺等は、この、世界線の部屋を出て、次の国に向かうことにする。


「レイ。どこの国に行くの?」

「ルミナリア魔導国に行って、学院に入ろう。新しい仲間も集めたいしな」

「...う、うん。いこう」








更新遅れてすみません

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