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王女を助け

 無事、家に戻ってきた。そして今は、飯の時間。

 食卓には見慣れた人たち。麗華、セレナ、リーナ。


「結局麗華も一緒に行動するのか」

「べ...別にいいでしょ!!てか、見ない間に、人増えてんだけど!」


 色々説明しなきゃいけないのか...バレるまでは、いいか。


「たまたまだよ???」

「あっそ」


 あっさり、諦めた。


「そうだ、リーナ。剣見つかったから、前もらった剣返すわ」

「もらっといてよ」

「そうか。じゃあ、もらうよ」


 リーナはニコッと笑った。

 その時、外からなんか騒がしい声が聞こえた。


「外なんかあるのか?」


 セレナが言った。


「確か、この国の第一王女のシア・ローム様の誕生日のパレードだっけ?」

「そうか。見に行こう」


 俺等は飯を食い、外に出た。

 ちょうど、眼の前を通るところだった。その時、目が合ったがそれ以外何もない。

 その時だった。馬車が爆破した。


「は?」


 人々は避難、護衛は何やら、企んでいるようだ。


「あーもう、護衛の意味なさすぎだろ!」


 俺は、護衛を飛び越えて、王女が乗っていた馬車の所まで来た。

 その時、護衛が、走ってきた。


「何をしている!どけ!」


 ムカつくな。


「お前ら、すぐに助けなかったやろ。なんか企んでるやろ」


 護衛の一人が、斬り掛かってきた。俺は素早く避けたが、俺は今武器がない。


「リーナ!剣を持ってきてくれ!」

「了解!」


 すぐに戻ってきた。


「ほら!」


 剣を投げて、俺の手に落ちてきた。丁度いい場所だ。その時、護衛の人が言った。


「錬金術師のお前が何ができると言うんだ?」

「錬金術師舐めんな」


 ホントにムカつくわ。ダイナマイトでも作ってぶっ飛ばすか。


「錬金!」

「何を作っている?」

「ダイナマイトだわ」


 よしできた。これを着火するには火魔法。

 わざわざ、待ってくれんのバカスンギ。


「これあげるよ」


 着火済みダイナマイトを投げ渡す。


「おっ、こりゃどうも」


 その時爆発する。


 俺は爆笑する。


「お前バカすぎや。よし、王女を助けよう」


 馬車の瓦礫をどかす。


「王女〜いますか〜」

「うぅ…たすけ…てください…」


 微かに声がした。かなり弱っているようだ。

 よく生きていたな。死んでいてもおかしくはなかったはずだが…やはり、王家の血を、引いているだけあるなこれ。


「よいしょっ…」


 王女の姿が見えた。血が出ているのがわかる。おそらく、骨も折れているだろうが、そこもなんとかなりそうだ。他に乗っている人はいなかったはず。周りにいた護衛は、何かのレリックなどで、瓦礫から守られたのだろう。

 おそらく、事故死と見せかけた、暗殺かなにかだろう。ひどいもんだな。やっぱり、どこの世界も政治系はドロドロなんだろうか。


 そして、瓦礫をどかし、王女を引っ張り出す。


「こりゃひどい」


 見ると、ところどころ血だらけ、腕は折れてるっぽいし、最悪な誕生日だな。


「うぅ…痛い…」


 仕方ない。セレナ達を呼ぼう。


「セレナ達来てくれ」


 皆が駆けつける。


「治癒魔法をかけよう」


 皆頷く。


 だんだん治っていくのがわかる。王女の顔も痛みがなくなってきたのか、痛みに歪んだ顔じゃなくなってきた。


「よし、これで治っただろう」

「あ、ありがとうございます」


 王女は落ち着いた様子だ。

 色々、事情がありそうだな。だから、政治は腐っているんだ。


「王女様…なぜ、馬車が爆破したのでしょう」


 王女は考えている。誤魔化そうとしているのか、側近など、怪しい者を思い出して、話そうとしてくれているのか。

 その時口を開いた。


「多分…私に恨みがある人物とかが、私を殺そうとした可能性があります…」

「名前など、わかりますか?」


 そう簡単には出ないかな。王女だけあって、恨みは多いだろう。

 だが、王女は違った。


「一番怪しいのは、私の兄、ゼクト・ローム第一王子かと」


 王子。しかも第一となると、王位継承権持ち。そうなると、王女も第一となるから、狙いは、王位継承権狙いの王子というわけになるのか。


「王女様は、王位継承権持ちですよね?」

「はい。持っています」


 その時、麗華が口を開いた。


「ということは、王位継承権争いのために、妹を殺そうとしたのかな」


 麗華は感がいいのかな。


「そうかもな」


 否定はしない。俺と考えていることは同じだしね。

 そのことは、王女も気づいているようだった。


「王女は、これからどうしますか?」

「一回、王宮に戻って、この事を報告しようかと。あなた達もついて来てもらいます。大事な証言人、恩人でもありますから。それと、私のことは、王女でなく、シアと気軽にお呼びください。皆さん恩人なので」


 この王女は、恩を大切にするようだな。良いことだろう。


「で、では、シアさんと呼ばせていただきます」


 シアはニコッと笑った。やはり、王女だから、そう呼ばれる事も、身内以外にはあまりいないのだろう。


「では行きましょう!」

「あ、はい」


 俺達は王宮に向かうのであった。




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