ギザルムの覚醒
「では...始めようか」
「望むところだ。勇者アツ」
力強く踏み込んだ。
相手に隙を与えない。
隙を与えてしまうと何をされるかわかったものじゃないからだ。
だから、俺は、連続で攻撃を仕掛ける。
「おらぁ゙!!」
この一撃はガードされた。
「ならこれはどうだ」
壁を蹴り、回転し、そのまま、大鎌で切り込む。
「!?」
反応しきれていない。
そして、右手を落とす。
「ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!」
追加でキックもお見舞いし、頭を蹴り飛ばす。
「うぐ...」
「どうした?もう終わりか?」
ギザルムは俺を、殺すような目で睨み、俺の足を掴んだ。
「ま...だだ...」
ギザルムは、赤と青の、何かを、飲む。
一方、麗華は、座って俺達を見ている。
どうやら、眠術は解除されたようだ。
そして俺はまた、視界を戻した。
だが、そこには、ギザルムがいない。
どこだ。
「後ろだ」
「なに!?」
猛烈な蹴りが、脇腹に入る。
反応できなかった。
俺はその蹴りで、壁に叩きつけられた。
「うぐ...」
吐血する。骨も折れた。
だが、俺には、あれがある。
「治癒...魔法...発動」
だんだんと、痛みが引いてくる。
「ふぅ...」
回復まで三秒。
ギザルムは待っていた。
いや、棒立ちしている。
「おい」
話を聞いていないな。
今がチャンスだ。
いや、先に、変形させよう。
「変形法式展開。第三形態」
「了解しました」
前と同じで光る。
そして、光が収まる。
第三形態は細い剣、ほぼ刀である
まだ、ギザルムは、動いていない。
「よし...本気で行く」
踏み込む...捉えた。
「おりゃあぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙!!」
「フッ」
ガードされた。
「しねしねしねしね!!」
連続攻撃。
「くっ...」
よし、もう少し。
連続で、鋭い攻撃を与える。
「負けるかよ!!!勝負は...強さだけで決まらねぇ!必要なのは!努力と、攻撃の精度だ!お前はここでぇ!死ねぇ゙!!」
「クソがぁ!」
ギザルムの攻撃が乱れる。
「貰ったぜ、この勝負」
その瞬間俺はギザルムの心臓を刺す。
「前はこのやり方で、殺り損ねたからな。燃やしておくわ。火球」
ギザルムの死体は燃える。
麗華はどうなった。
「レイ君...?」
「ああ。そうだが」
麗華が抱きついてきた。
「おう...どうした」
「怖かった...怖かったよぉ」
涙を流す麗華。
「帰ろうか」
「うん」
そして、セレナが居る場所に帰るのであった