ギザルムの操り人形
【朝】
「はぁ...眠れない。今日から長旅なんだがな」
俺は文句を言い、ベットがら出た。
その時誰かがドアをノックした。
「おはよう〜」
セレナだった。
「おはよう。そんでなんだよ」
「朝ごはんできてるよ〜皆待ってるよぉ〜」
「そうか」
そんな話をし、皆がいる場所へ向かった。
「おっ!アツ様!おはようございますにゃ!」
朝っぱらから元気な...俺なんか寝れてないってのにな。
「お、おう。おはよう」
そうして朝食を食べ始めた。
その時、ふと思った。女神の言葉。「麗華がどうなっても良いのね」と言ってきたこと。それと、魔王の話を聞くな?魔王は、女神の話を聞くなと言っていたし...くそっ。どっちを信じれば...
その時だった。ドアがノックされた。黙々と食べていたので、皆聞こえたはず。
「ここは俺が出る」
皆頷いた。
そして、ドアノブに手をかけ開ける。
そして...眼の前に立っていたのは、麗華だった。
「あれ...麗華?随分早いな」
「ええ。もう十分かなって」
麗華の話し方に違和感を覚えた。まるで、感情が抜けているような。
「それで、何しに?」
「一回帰ってきただけ。また、どこかに行く」
「あ、そうか」
目が合った。でも、麗華の目は違うところを見ている。目が合っていない。麗華はどこを見ているのだ。おかしい...おかしい。その時ふと思い出したのは、やはり女神の言葉。
「くそ...」
「レイの顔を見れたことだし,,,私は行くね...」
その言葉はまるで、監視を終えた時の声だ。よく分かる。監視対象の監視を終えた時はその話し方になると、豆知識で読んだ気がする。
「そうか」
そうして、麗華はまた去った。
■【麗華視点。二日前。】
私は今山にいる。もっと強く。レイの隣に居続けるために。
剣技も魔法も、こなさないと
「とりゃっ!」
ゴブリンなどを倒し、休憩していた...その時。
「おっと。ここに可愛いお嬢ちゃんが、居るじゃねえか」
すかさず、私は、攻撃体制に入った。
「貴方は何者?」
「俺はギザルム。俺は、とある勇者を殺す者」
「勇者...レイのことね。でもやらせない!貴方はここで死ぬ!!」
自分は踏み込み、相手の死角に入る。だが...
「遅いな」
私はギザルムに捕まった。
「えーと、女神に貰った、レリックで、こいつを操り人形にするか」
「やめて」
私は抵抗したが虚しく...
「あ...う...や...め...」
「これでよし」
「...」
私は堕ちたのであった。
■【通常視点】
くそ...やっぱりおかしい。ギザルムの仕業か。くそ...でも、どうやって...まさか...レリックか?
その可能性高いな...さてどうするか...俺は今...本気で怒っている。
「ギザルム。お前は俺が、必ず...殺してやる...」
ぜってぇ負けない。それだけだ。