女神の発言
【夜】
「今日も疲れた。さっさと寝て、明日、リーナたちと、旅に出る。ここからが本番だ」
俺はそう言い、ベットに潜り込んだ。
ベットに入ってから、何時間経っただろうか。自分は謎の感覚に襲われた。
夢だとはわかっている。だが、なぜか、現実に感じる。
『はじめまして。私の名はエル・アリシア。あなたもご存知の通り、女神です」
「なんで、俺の夢に出てきた?」
『あることを、お伝えに来ました』
そう言われると、映像を見せられた。
映って居るのは、昔の俺。
「これが、なんだって言うんだ?」
『貴方は、魔王を倒せる力があります。魔王の話など、聞いてはなりません。私の言葉が正しいのです。くれぐれも、魔王に耳を貸さないでください』
俺は笑った。
「フッ...誰がお前みたいな腹黒女神の言葉にわかりましったって、言うかよ。どうせ、企みがあるんだろ?そして、ここは夢。お前は俺に干渉できないだろ。どうせいつか、お前は俺を殺しに来る。そんくらい、予想はつく。お前みたいな、神の端くれみたいなやつに指図されるほど、馬鹿じゃねぇんだよ」
女神の目つきが変わる。
『誰が端くれだァ゙!誰が腹黒だァ゙!ふざけんじゃねぇ゙!!ぜってぇ殺してやる!それと...貴方のクラスメイトの...麗華さんがどうなってもいいのね?』
本性を表したと同時に、麗華の話を持ち出してきた。
「なに?麗華が、どうしたって言うんだよ」
女神は笑った。
『ギザルム・オア。この名前に覚えがあるはずよね?』
「フッ...それがどうした。俺が昔仲間にしていたやつだが。裏切られて殺したけど」
女神は大笑いした。気味が悪い笑い方で。
『貴方はどこまでも馬鹿でいらっしゃるようで。本当に、ギザルムを殺したと思っていたのですか?』
「何を言っているのかわからない。俺は確かに心臓を刺した。即死なはずだ」
女神は死ぬほど笑う。気持ちが悪い。不快。
そして、映像を見せてきた。
『これを見なさい』
見せられた映像には俺が前世で、ギザルムを殺した時の映像。そして、俺らが去った後...
「!?」
俺等が去った後、ギザルムは立ち上がり、治癒魔法を自分に使い、どこかに消えた。
「嘘だろ。俺は殺したはずだ」
『愚かな勇者でありますね...自分のミスを認めないとは...おっと、時間のようです』
急いで止める。
「ちょっと待て。最後に」
『なんですか?』
「ギザルムは今何をしている」
女神は考え込むふりをして、すぐに言った。
『とある計画を立てています。それ以外は私に不都合が生じるので、言えません。では』
夢が終わる寸前。
「やっぱ、腹黒女神か、クソ」
最後の最後に言った。女神に聞こえていたかはわからない。だが、有益な情報だ。活かしていこう。