再開
学園に入学して、八ヶ月。あっという間に冬。もうすぐ二年生になる。そのために...とある、イベントがある。それは...『クラス決め祭』だ。この、クラス決め祭は決闘とルールが異なるのだ。まぁ、簡単に言うと、決闘ができるクラスの上限がないということ。この十二ヶ月の成果を示し、二年生に上がり、クラスを上げるためのイベントだ。だから、Dクラスの人がAクラスの人に勝てば、来年は確定Aクラスに入れるということ。まけた人はその勝った人のクラスに降格。そこは決闘のルールと変わらない。ただ俺は、このイベントには出たくない。なぜかと言うと、Sクラス首席だから。首席と言う肩書きが人気で、しかもSクラスの首席。それだけで、もう勝ち組らしい。だから、出たくないが、休んだら休んだで、めんどくさい。だって、不戦勝で負け扱いになるからね。だから、出るしかない。最初は、Sクラス首席の座を休んで捨てても構わないと思った。だが、麗華が許さなかった。だから、守る。うん。
■【クラス決め祭当日】
「はぁ!!!!!ふざけんじゃねぇ!!」
思わず声が出た。だって、俺に決闘を申し込む受付に、だいたい50人。殺す気かよ...
あーもういらつくねぇ。全員処すか。うんうん。懸命な判断だ。偉いぞORE☆
まず一人目。現在のクラスはCクラス。
「お前の座を奪ってやる!」
「あーはい」
「火球!!」
ヒュ〜
「え...?なんすかこれ」
「俺の得意な魔法だ!どうだ!驚いて声も出ねぇか!」
「ある意味、驚いてるよ...なら俺も。火球ブースト」
相手は驚いている。
「な、何だその技...」
「火球のあらゆる機能や威力を高めたもの。昨日やっとできるようになった。100回は失敗したよ」
「...コウサンシマス」
「アアソウ。ザンネンダヨ」
「あ、そういうことで勝者レイ!」
「イェーイ」
■
結局俺に勝てるやつは居なかった。俺なんかまだまだ、弱いのに。もっと強くなろ。
そして、俺は寮に戻るため、廊下を歩いている。その時廊下を歩いていたは俺だけじゃないようだ。
「セレナか」
「レイ」
セレナはなにかいいたそうな顔だ。
「なにか言いたいことがあるようだが。言いたければ言ってくれて構わねぇぞ」
セレナは、バレたと言う表情をし、口を開いた。
「笑わないで聞いてくれる?」
「おう。笑わねぇさ」
「私はこれが二回目の人生なの。そしてレイ。貴方はとある人に構え、性格、魔法の仕方が完全に一致してるの」
「そうか...それで...前の人生はどこ出身だ」
真剣な顔で言う。
「日本。私は召喚されてこの世界に来たの」
「お前一人?」
「いえ。幼馴染の暑って言う私が大好き...いや、両思いだった男子よ」
「それで?使命はやっぱ、戦争を止めること?」
「ええ。そうよ」
そうか。やっぱり変わらないのか。長年続いているのかな。
「それで、戦争を止めるために何をした?」
「魔王を倒しに行った」
「そんで...死んだのか」
「ええ。先に死んだのは私。暑は最後にこう言ってくれたの『死ぬな!俺はお前が好きなんだ!だから...だから死なせてたまるかよ!』ってね。すごく嬉しかった。けれど...無理だった」
記憶が蘇る。今までの行動。発言、思い。すべて、魂の奥深くに刻まれていた記憶が。
「ああ...お前だったのか...天音...」
セレナが驚いたように言った。
「なぜ...私の前世の名前を...ま...まさか...暑なの?」
「そうだ...俺は地球に転生して18年。そしてまた、この世界に召喚されたんだ...ようやくわかった」
セレナ...いや、天音は泣いた。声は出ないが、確かに涙は出ている。
「泣くなよ...」
「泣くに...決まってるでしょ...」
■【それから二年】
卒業の日がやってくるのであった
次で、第一章は終わりです。
二章は冒険メインにしますかね。