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9 流れる時間

「あいつの頭を切り落とせ!、それで全てが解決する。気負う必要はない、いつもやってる事だ!」

大地を蹴りその巨躯を最大限に活かした大振りで手に持った斧を投げつけた。

その軌道は創将そうしょうれいの右を通り抜け。風だけが彼らの頬を掠り去る。


黎は敵を舐めるような不敵な笑みを浮かべた。

「威勢だけか」


ただ創将は違った。


———ガキンッ———


少女の首に創将の槍が切っ先を向けていた。

黎は驚いた。その槍にではなく、後ろから迫っていた斧に。


黎は一瞬、視界が白くなり そして数秒、恐怖という虫が体をはいずり回った。


「あやつをころぉ 」  

…へ?


その巨体が既に眼前にまで迫っていたのある


「っ創将!わらわを守れ!」


直後、戦場に轟音が響く


「いつも守ってんだろうが」


ガン


ガキ―ン


ゴンッ



槍と斧が重なる度、轟音が鳴り響いた。



慶重と創将の戦いを見て周りの者は手を出せずにいた

なぜなら近寄るだけで重症ではすまない事が分かるからだ。


(あれは無理だな横やりしに行くだけでも殺せれちまう。 下手したら創将の槍で逝っちまうかもな)


「どこ見てんだっ!」


ザンッ


理人が声を出さなければ当たったが、声を出したので躱されてしまった


「もうここまで来たのか ……まぁいいか、楽しませてくれ」


大振りの大剣を軽々と持ち上げ、理人目掛けて剣を突き刺した。


スッ


理人は軽々と左に避けたがその剣は追尾するように左に刃先を向け振り切った


——ザクッ


「っあ?」


下に避けた理人が斜め下から面の間を小刀で正確に射抜いていたのである。


「クソッたれ——」


ドスンッ


(慶重けいじゅうさんがあの男を相手している間に、あの女を……どうにかしないと)


「あそこか…」 

「俺らの大将が狙われてるぞ」 

「あいつらを蹂躙しろ」


そんな声が敵陣営から響いた


(……敵の増援だ)


りひとぉ!!


振り返るとそこには腹部を槍が貫通していた慶重がいた。


行けぇぇぇ!




———理人は敵陣の中央へと足を向け走り出した




(くそっ、このデカ物に気を取られて黎のそばから離れてしまった。

いや、わざと離せられた……?)


慶重を見ると今頃気づいたかと言わんばかりの顔で創将を見て笑みを浮かべていた。


「こいつ……!」


はめられた、でもまだ間に合う。

創将は、急ぎ走り出そうとした。

しかし、


――行かせん


槍が抜き出せなかった。

慶重が槍を深く握っていたからである。

「この俺を相手にして、ただで行けると思うなよ」



慶重の声を聞いた理人は気づいたら敵の頭、黎の方に向かって走り出していた。

敵の攻撃を搔い潜り、一人避け、二人避け、単騎敵陣の中へと入っていった。

そして理人は黎のすぐそばまでへと迫っていた。


「そいつをそれ以上わしに近づけるな!」

理人の前に4人の騎士が横一列になり黎への道を塞いだ。

しかし理人は速度を緩めるどころか、4人の内の一番大きい男目掛けて加速した。


「来るぞ、こいつはここで仕留める――」


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