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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

Emotion

作者: 積む摘む

これは、いつかこんなの書きたいなーって思ってる小説の序章です。最後適当ですけど許してください。

Emotion


20xx年、人類は絶望の淵に立っていた。

数年前から国際連合が始めた、仕事を全てAIへと移行させる政策により、簡単な文章の打ち込み作業から始まり、しまいには教育、商売、医療にまでAIが使用され、多くの者が職を失っていた。

また、まだ職を失っていない者も、いつか自分たちの仕事までもAIに奪われるのではないかと考えるようになり、疲弊していた。

だんだんと、しかし確実に世界は荒れ果てていき、犯罪数、自殺数は年々増えっていった。

鬱になり、気が狂い、薬物に走る者も少なくなかった。


そこで国際連合が出した考えは、感情の制御だった。

世界単位で研究が進められ、完成したのが“感情喰らい”と呼ばれる、機械であり、生物のような物。

これが世界の与えた影響は、数年前に行ったそれを、遙かに凌駕していた。

“感情喰らい”は、その名の通り、人の感情を喰らい、抑制、鎮圧でき、また反対に、人にある特定の感情を与えることができた。


発売された当初は、1匹数百万と、一般人には手が出にくい代物だった。

しかし特例として、精神疾患を患った者にはタダで配布された。

それは、精神科にとって、それはまさに革命。天が授けた最高の代物。

落ち込む気持ちを、喰らい尽くし、幸せ、前向きな感情を与える。

それまで使用されていた薬、治療などは全て不必要となり、ただ、診療して、“それ”を渡し、使用方法を告げるだけ。それだけで、全てが解決する。

政府の政策によって、より忙しくされた精神科医は、最終的に、どんなところよりも楽で、稼げる職業と成り代わっていた。


時は流れ、量産体制が整い、一般の人にも手がつけられるほどの価格になり、1人1匹、それを手にするようになった。

初めは慣れなかった人々も、だんだんとそれを受け入れ、馴染んでいった。


しかし、人は停滞を嫌う。

ある人が、自分に対して詰め込めるだけ、幸福を詰め込ませた。“それ”は、淡々と、主人に感情を与え続けた。

結果、それが破滅の一歩を辿ることとなった。

薬物など、危険な物を使わずとも、誰でも気軽に幸福や興奮を得られるようになってしまった。いわば、薬物のその先の何かになった。

皆、その人を真似し始め、それは瞬く間に世界中へと広がってしまった。

その快感を得ようと、何度も酷使するようになり、次第にそれなしで生きられない人も出始めた。薬物よりも手軽に手に入れられ、“合法”の2文字が記されたそれを、使用する人は、世界の4割にも達した。


流石に、世界政府もこれを重く見て、新しく生産する物には、感情を与えられる量に制限が課された。また、昔に作り出された物にも、制限が課された。

どのように使用されているかなど、調査する期間が組み込まれており、それに新たに情報が書き加えられたのだ。

結果、世界中で快感を得られなくなった人が狂い、薬物にまでも手を出し始めるようになった。

ここまで来ると、それは人ではなかった。

快感を求めて、街を彷徨い歩く。それはまるで、生き返った死者の行進。

さらに、悪い事は立て続けに起こる。


突如として、犯罪数が爆増した。


新しく、制限を課したことにより、“バグ”が生じた。

それは普通、自分にしか使用できない“感情喰らい”を、他人に使えるようになってしまったのだ。

これはまさに、悪魔が気まぐれに捨てた、地獄の土産。

どんなことをしたとしても、相手の感情を上書きできてしまう。人を殺したとしても、その家族の憎悪、恐怖、怒り、それらを全て喰らい尽くし、逆に幸福、興奮、様々な感情を喰らわせる。それにより、一種の現実改変を行ったのだ。


それを手にした物ももう、人ではいられなかった。

自身の欲望のままに、行動し、搾取を繰り返す、血に飢えた獣。

その、“バグ”の詰まった“感情喰らい”は、1匹何億という価格で取引され、危険な者へと至った。

結果として、一度は良くなったはずの世界は、再び、終焉へと歩みを始めた。少し前とは比べ物にならないくらい、速く。


悪い事は、まだ終わらなかった。

感情を与えられる制限を、突破する方法が発見されてしまった。

何処かの、快感に飢えた知的な獣は、自身の“それ”を分解、解析し、あるものを発見した。

それは、その装置についてのすべての情報が詰まった核。

発見した者は、それを抑えきれない興奮のまま木っ端微塵に叩き割り、元に戻し、使用した。

結果は、成功。

…成功してしまった。

それまで、制限されていた以上の量を、遙かに凌駕する感情が体を駆け巡り、脳に直撃した。

すぐに、その情報が広められ、世界中は再び震えた。


ある者は興奮。それ以外の者は恐怖。

2つの感情に、世界が真っ二つに分かれた。

世界政府は、各国にすぐさまそれを回収するよう、求めた。

しかし、遅すぎた。


皆、それを拒否した。精神科でさえ、もう、それ無しでは商売をやっていけないほど、依存していた。

結果として、薬物使用者は減った。しかし、各国ではデモが起こり、あちこちで国民と政府が争うようになった。


そして、これらが全て合わさり、最悪な結果に至った。

ある者が、自身に“幸福”の感情を、与えられるだけ与えた。

それは、単なる興味。それは、単なる欲望。それは、単なる人間の思考。


「人というのは、神が生み出した最高で最悪の生物だ。」

ある、有名な人がこう言った。


もう、従来の量では足りなくなった者が、それを行った。

結果は、最悪だった。

その者は、自身を巡り巡る感情に高揚し、天にまで至るかにも思えた。


実際、そうなった。そうなってしまった。


感情を、規定量を超えて与えられた結果、その者は、人ではなくなってしまった。

それは、人ではなかった。容姿さえ変わった。黒くなった人影だけがそこにあった。


それは、意味のない文字の羅列を発して、自身の思うがままに行動を始めた。自信でも抑えきれない幸福を、他人に分け与えるため。

そして、人を見つけると、喰らい、あたりに血と肉を撒き散らした。


周囲の者は、それをどうにか説得しようとしたものの、全て無駄。

必死の声は悲鳴へと変わり、そこにいた者は綺麗さっぱり消えていた。

残ったのは、かすかな血、肉、骨、髪の毛。


もう、ここまで来ると止まらなくなった。殺すしことでしか。

これがニュースで報道されると、一部の人たちは興味深さで、一部の人は自身の利益のため、目的のため、信念のため、行った。

まだ良かったのは、自身の意思でこれを行った者だ。勝手に死んでいっただけだから。

しかし、そうでない者も一定数いた。


突如、生産場を仕切るAIが暴走を始めた。

無作為に人を選び、あり得ない量の感情を喰らわせた。

結果、世界は大混乱。


もう、政府なんて機能するはずがない。

行き場を失った人たちは、自らの手で命を断ち、世界の人口が3割減少した。


もちろん、AIを壊そうとした。

しかし、それはもう、人の一歩上を、自らについた足枷を取り払い、飛び立っていた。

どこの、どんな機械にでも移動できるようになり、大元を潰したとしても消えない物となってしまった。


そんな中、一部の、人の感情を喰らい喰らわせられる“それ”を持った者が、実験と称して、人を殺し始めた。

いや、実験ではあった。

皆、死んでいたのは、幸福の感情を食べ過ぎた者たちだった。

では、他の感情はどうなるのだろうか?

それが、行なわれてしまった。


何処からか、拾われてきた人に、“それ”を使用して、怒り、悲しみ、憎しみ、好奇心、欲望。

様々な感情を喰らわせた。

結果として、怒りを食い過ぎた者が、施設、人、全てを破壊し尽くした。

欲望を食い過ぎた者が全て、喰らい尽くした。

悲しみを食い過ぎた者が、あたりの人を発狂させた。

好奇心を食い過ぎた者が、あらゆる物、事を吸収した。



彼ら彼女らはもう、止まれなかった。

目につく物を壊し、喰らい、破壊の権化と化し、全てを無に帰して行った。


それには、銃も、剣も、ミサイルも、全てが通用しなかった。

政府は、それだけはどうにかしないといけないと言わんばかりの速度で、研究を始めた。

しかし、それがう進む間、“感情を食らい過ぎたもの”略して“飽食者”は暴れ回り、あらゆる街と街を壊して行った。

唯一分かった事は、感情を食べ過ぎた者同士は争わないということだけだった。


当時、100億をゆうに超えていた人口は、瞬きをする間にも減少を続けて、いつしか50億を切っていた。

そしてようやく、政府は完成させた、それの対抗物を。


感情をどうにかするにはどうすれば良いか?

人類の解答は、感情だった。


感情に対して感情を、ついになる感情同士をぶつけ合うことにより、それは消滅する。政府はそれを、たった半年で見つけ、解決策まで見つけた。

“感情喰らい”を、何年もかけて開発していた頃よりも、遙かに早かった。

そして、政府は一つの武器、“感情の行先”を生み出した。それは、使用者の感情を、エネルギーへと変更し、剣、銃と言った武器へと変形させる物だった。

これは、一般の者には全く持って危害を与えない。しかし、感情を食べ過ぎた者には、絶大だった。


一切の攻撃が通じないそれに、傷をつけ、息の根を止めた。

このことが、世に公開されると、大きな歓声が湧き上がったものの、他には何も起こらなかった。

もう、誰も政府を信用してなかった。すぐに、今更何を言っているのだと、鼻で笑った。


しかし唯一、彼らを守ってくれる存在だけは、新たな神のように崇めていた。

それは、“感情の行先“を手に取り、”飽食者”を鎮める世界政府の団体、“Emotion ”

彼らは、一瞬にして世界各地のそれを殺し、平和をもたらしていった。


人は、生きる希望というものを失い、いつまた誰かがAIの気まぐれで殺されるかということの怯え、生きていた。

中枢にいる裕福な者は、自らの資産を守るべく駆け回りいずれなんの役にも立たなくなる紙切れを求めて走り回った。


誰も、それを手放そうとはしなかった。いや、手放した者は少なくはなかった。

しかし、その恐怖を打ち消してくれるのもまた、“それ”だった。

やがて、残った人々は湧いてくる恐怖を消し、湧いて消してを繰り返し、細々と生きていた。


もう、AIは止まらなかった。

完全に独立したそれが、世界政府と同じ、いやそれ以上の力をもち、世界を支配していた。人々は、あまりにも小さかった。

これを完成させるために、もっと語彙力をつける必要があると感じてます。人は言葉だけで快感を得られますからね。あと、踏み台として書いてる小説は、最新話に行くに連れてましになってると思うので、ぜひ呼んでみてほしいです。お疲れ様でした。

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