U.R.A
謎の組織・U.R.Aからゲームの参加を要請された深見宗次
ノイズの走った黒いコートの女の目的はなんなのか?
そもそもゲームとはどういう内容なのか?
何も分からないまま、戦いの波へと吞み込まれていく
「U.R.A?」
聞き覚えのない組織だ。
「U.R.Aは特別なゲームを主催する秘密組織です。」
「絶対危ないやつだ・・・」
秘密組織が主催する特別なゲーム。
デスゲームの気配しかしない。
「大丈夫です!安心安全のゲームですから、プレイヤーに危険が及ぶことはありません!」
「ほな大丈夫か」
「参加に丸しておきますね。」
「とはならんのよ。」
そもそもゲームを主催するなら秘密組織である必要はない。
危険はないが倫理に反していたりする可能性はある。
例えば違法ギャンブル。
「犯罪にもなりません!」
「ほな大丈夫か。」
「お金も出ます!」
「ほなあかんか。」
「なんですか!」
「ゲームやって金が出るからや!」
プロゲーマーならそんな事もあるだろう。
だがプロゲーマーでもないのにゲームでお金が出るのはおかしい。
「勝利したらかなりの金額が出ます!」
「金額増して恐怖も増してるんよ・・・」
「バイトだと思って!」
「そう言われてもなあ・・・」
「お金に困ってますよね!」
「それは・・・まあ・・・」
大学生の身。
金はいくらあっても足りない。
「アルバイトみたいなもんだと思って!」
「ほぼ闇バイトじゃねえか。」
「1戦だけ・・・1戦だけだけでいいから!」
「1戦で一線超えそうなんだよ!黒コート!」
犯罪の入り口はいつもすぐそこ。
正体不明な相手の話には乗らないのが常識だ。
「わかりました・・・わたし脱ぎます!」
「・・・は?」
どういう思考回路が繋がったのだろうか?
見た目はノイズの走っている黒いフード付きコート。
だが声から察するにおそらく女性。
それが脱ぐ。
「いきます!」
「待て!カメラの準備が」
「えい!」
ヒュゥンと音がしてコートが消える。
中から出てきたのは、年齢は10代後半から20代前半、若作りしたもっと年上の可能性もある。
髪がショートの女性あるいは女性にしか見えない男性。
「あ、ああ・・・コートね!コートを脱ぐって事ね!確かに顔見えてなかったもんな!顔が見えなくて不安だったもんな!」
その事しか頭になかった。
当たり前である。
「じゃあこれで安心ですよね!」
「そうだな!話もスムーズに出来そうだ!」
「じゃあゲームに参加してくれますよね!?」
「もちろんだ!」
「言質は取りました。」
「あ・・・」
しまった。言質を与えてしまった。
「じゃあまた連絡しますね!わたしの名前はウラエル!U.R.Aのエージェントです!」
そう言うと名乗った女・ウラエルの姿が消えた。
ログアウトしたのだろう。
「・・・俺も戻るか。」