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第四話.少し難易度アップ?

第三問.次のうち、最も希少ランクが高い薬草はどれ?


1:イセカイム草

2:テンセーム草

3:チートム草

4:ガクエンム草



 ほら来た、変な問題。

 しかもよりによって、冒険者にとって割とマイナーな薬草採取関連か……。


 薬草採取は駆け出し冒険者の金策の一つとして知られている。

 だが、ある程度の実力があればモンスター討伐のほうが時間効率がいいのと、高値がつく薬草は滅多に見つからないという理由から、薬草採取を専門にしている冒険者はほとんどいない。

 ギルドが定めている希少ランクが上位、つまり数字が小さいほど見つかりにくく希少性が高い薬草であることを表しており、この値と世間の需要を元に大まかな市場価格が決定されている。


 まあ俺も含めた多くの冒険者にとっては、運良く状態が良いものを見つけたら採取しておき、モンスター素材を換金所に持ち込むついでに小遣い程度として、くらいの認識だろう。

 希少ランク表は一般公開されているため問題の内容的にはE級レベルと言えなくもないが……これは少しいじわる問題じゃないか?


「選択肢は全てム草科に属する薬草です。選択肢の中で希少ランクが一番高いものと一番低いものでは、数値に約七倍の差があります」


 イリナがヒントを出すがあまり参考にはならない。

 仮に選択肢の中で最も高い希少ランクが5だとすると、最も低いのは35くらいということになるが、どうせならもっとマシなヒントが欲しかった。

 仕方ない、少々早いがここで救済措置を……と、ここで俺はあることを思い出した。


 テンセーム草は人工栽培の方法が確立した結果、大量生産が行われて供給が需要を大幅に上回った影響により、市場価値が大暴落した事件があったと聞いたことがある。

 そしてイセカイム草はテンセーム草の仲間で、似たような用途で使われていたような気がする。

 ということは一番と二番は違う……と推測することができる。


「悩んでいます、すごく悩んでいますミシェルさん。特に制限時間は設けていませんが、放送時間は限られているので、できるだけ早めの解答をお願いしたいですねえ」


 ダイアンの催促に俺は少しイラッとした。

 相変わらずうるさいなこの人。

 早く解答してほしいなら、しばらく黙ってくれ。


 えっと、残りはチートム草とガクエンム草か。

 正直言ってどちらも名前を知っている程度で、珍しさなんて考えたこともない。

 なんとなくガクエンム草のほうが市場でよく見かけるような……いや、実はイセカイム草が意外と……。

 あーダメだ、考えがまとまらない。

 ここはやはり救済措置を使うべきだろうか。

 問題はこれを含めてあと八問残っている、そして救済措置は全部で三つ。

 できれば後半まで温存したいところだが……よし決めた、ここは使っておこう。

 薬草の問題はエルフ族のヴァレリアなら余裕で答えられるはずだ。


「『応援席解答』を使います」


「おっとミシェルさん、ここで救済措置の一つ『応援席解答』を使用を宣言しました!薬草は詳しくなかったか!?」


「全く知らないわけではありませんが、ちょっと自信がないので念のためです」


 俺はイライラが顔に出ないように気をつけながら声を抑えて返答する。

 例え演出だとしても馬鹿にされるのは嫌いだ。

 放送が終わったらスタッフに文句を言っておこう。


「なるほどー、了解しました!では応援席のお二方、答えは何番でしょうか!」


 ヴァレリアがスッと立ち上がった。


「はい、答えは四番のガクエンム草です」


 そして俺の期待通り迷うことなく答えた。

 やっぱりエルフ族って薬草に強いイメージがあるからなあ。

 基礎的な知識はもちろん、希少ランク表や加工方法なんかも頭に入っているんだろうか。


「……」


「……」


「……正解!ミシェルさん、パーティメンバーの力を借りて見事三問目突破です!」


 よし、少しヒヤッとしたが正解なら何も問題ない。


「魔術協会が監修する世界薬草図鑑、その最新版によりますと、希少ランクが高い方から順番に、ガクエンム草が9、テンセーム草が38、チートム草が50、イセカイム草が66となっています」


 へえ、ガクエンム草って9しかないのか。

 希少ランク9は「全く見ないというほどではないけど、いざ探してみると思ったより見つからない」ぐらいの珍しさだろうか。

 ガクエンム草は市場でもまあまあ見る気がするし、そこまで珍しくないと思っていたからちょっと意外な情報だった。


「薬草に限らず、希少ランクはあくまで希少性を数値で表したものです。ランクが高いから高品質、低いから低品質というわけではございません。誤解のないようにお願い申し上げます」


「さあ少々マニアックな問題でしたが、ここからどんどん難しくなっていきますよ。四問目はこちら!」



第四問. ミシェル・アングレームさんが以前のパーティで最後に受注した依頼は?


1:怪鳥レラヤヤックの討伐

2:レテンプ地下迷宮の大規模探索

3:パローナ村の復旧作業

4:ベノミゴラ草の駆除



「こちらは追憶問題となっております。挑戦者のこれまでの冒険者活動の中から抜粋して出題しています」


「ということは、選択肢は全てミシェルさんが受注された依頼ということですか?」


「ギルドの記録上ではそのようになっています。問題文にある『受注した依頼』とは、冒険者ギルドで依頼を受注し、達成条件を満たし、達成報告または依頼破棄報告を終えたものを指しています。冒険者ギルドを介さない個人間の依頼は含んでおりません」


 ふむ、これは要するに記憶力テストのようなものという認識でいいだろうか。

 以前のパーティで最後、つまり俺が追放される直前に受けた依頼を選べばいいわけだ。

 冒険者ギルドを介して受けた依頼は全て記録されており、いつでも確認することができるため、わざわざ覚えておく必要性はあまりない。

 だが……。


「三番、パローナ村の復旧作業」


「……」


「……」


「……正解です!ミシェルさん、追憶問題でも余裕の即答!やはりS級冒険者は記憶力もすごかった!」


 当然だ。

 俺が理不尽な追放をされるきっかけとなった依頼を忘れるわけがない。


「約半年前、記録的な大雨によって洪水が起こり、パローナ村が甚大な被害に遭っていると緊急連絡がありました。これを受けて冒険者ギルドでは、指揮系統の混乱と二次被害を避けるために『緊急依頼』という形式でギルドが直接冒険者を管理・派遣し、住民の救出活動や村の復旧作業を行いました。多くの冒険者が駆けつけたおかげで、奇跡的に死者や行方不明者を出すことはありませんでした」


「私も先月、別番組でパローナ村を訪れる機会がありましたが、瓦礫の山もほとんどなくなっていて村には活気が戻っていましたねえ。ミシェルさんも復旧作業に参加していたということで、今後同じようなことが起こった場合に備えて、冒険者の皆さんに何かアドバイスがあればお願いします!」


 ボーッと話を聞いていると、突然ダイアンが話を振ってきた。

 ふむ、アドバイスか……そうだな……。


「そうですね……ミスなく素早く作業することが大事だと思います」


「それだけですか?」


「え?」


 俺は思わず顔を上げ、ダイアンの顔を見る。

 それだけ、とはどういう意味だ?

 だがこの司会者は相変わらずニヤニヤしたムカつく表情を浮かべているだけで、さっきの言葉の意図は読み取れない。

 

「あー……えっと、そうですね……」


 さすがにコメントが短すぎたか、それとも番組側から何か特定のコメントが用意されていた?

 そう思ってスタッフの方をちらりと見ても特に指示は出ていない。

 

「いえ大丈夫です。ミシェルさん、見事四問目正解です!」


 ……あ、もしかしてあれか。

 苦労エピソードや武勇伝のような裏話を求められていたのか。

 今思えばなんて当たり障りのない平凡なコメントをしてしまったんだ。

 やれやれ、アドリブの練習もしないといけないな。


「さあ、続いての問題が前半戦最後!ここまでミシェルさんが使用した救済措置は『応援席解答』のみとなっております!参りましょう、五問目はこちら!」

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三問目は、小説家になろう内で「異世界 無双」「転生 無双」「チート 無双」「学園 無双」の検索結果をもとに作問しています。

つまり、小説家になろうでは「学園 無双」が最も投稿されていないということです。

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