表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
稲荷の小話  作者: 真敬
1/2

とある神使の呟き

「きょーーーーーも平和だな」


呟かれた主の言葉はここ最近良く聞くもの。

平和疲れしたかのように、ごろりと転がりながら欠伸をなさる。


「平和は良いことかと思われますが…」


「そうは言っても平和すぎるんだ。誰も来なくてつまらん。いつもなら1人2人、(わっぱ)がいるだろう。最近はとんと、外で遊ぶ(わっぱ)すら見ないじゃないか」


それは確かに。いつもなら人間の子供達が学舎(まなびや)から帰ると必ずどこかで遊んでいる声がしていたものだ。

最近はそれがとんと少ない。


「なんでもヒトの世界では流行り病が広まっているそうです」


「病~?それなら尚のこと私を頼るべきじゃないのか!?何で誰も頼ってこない!?」


稲荷神は疫病にも効く神とされている。まぁ、この小さなお社ではそれを大々的に願うものはいないだろうが……。


「……はて、今日は何曜日だったか…」


「今日は土曜日です、主…」


「土曜……あの娘は今日も来ないのか…」


少し寂しげに瞳を伏せてそう呟く主は、良く来る1人の娘を待っている。最近は忙しいのか、なかなか来ぬその娘に、主が抱いている感情がどういったものなのか、長い年月、人間というものを見てきた我らには分からなくもない…


「…主、まだ明日もありますよ、明日は日曜ですし、来るのではないですか?」


「……ふん、別に待ってなどいないがな!!」


けっ!と言ってまたごろんとふてたように寝転がる主に相方と目配せして小さく息を吐く。

空を見上げると西に黒い雲……あぁ、夕立が来そうだな…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ