使い捨てのロボット 少女視点
大事な人を失った少女が
雨の中傘を差さずに
路地裏を歩いていると
人と見分けのつかない
男っぽい機械を見つけた
その機械は心を持ち
人の支えになるように
作られたものだった
少女は
寂しさを紛らわすために
彼を連れて帰り
一緒に過ごすことにした
彼といる時間は楽しそうだった
彼はいつも彼女に合わせていて
いつも笑っていた
手を繋いだりハグをしたりと
側から見れば恋人も同然だった
彼女は彼をとても気に入っていた
しかし
ある日突然彼はいなくなった
いなくなってしまった
塞がっていたはずの心の穴が
再び空いてしまった気がした
忘れかけていた
大事な人達との思い出が
次々と頭に浮かんできて
寂しさに襲われた
雨の中傘も差さずに
彼女は歩き出した
ただ一言
「次を探さなきゃ」
とだけ小さく呟いて