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悪夢の匣  作者: 旋利
妖夢
2/3

それは、寂れたアパートの一室から始まる。


日常の何気ない生活をする、どうでもいいくだりがあって、そのあと、妖怪にぼくは襲われる。


そこで幸いにも鬼太郎とか、猫娘と思しき人物ら、何人かに助けられ、彼らが悪い妖怪のようなものに敢然と立ち向かい、悪いやつをやっつけるところで話は終わる。


終わると、すぐにまた別の場面。

ただし、今度はまた違う、寂れたアパートの一室から話がスタートし、また違う悪い妖怪に襲われる。

そこにまた、救世主が現れて、助かる。


その流れを、二度、三度、繰り返すのだ。


まるで、TVアニメの1話を、決められたキャラクターが淡々と流れに沿って演じているような感じだ。


一、二度目は、よく状況がわからないまま、ただアパートの一室で妖怪に襲われているぼくだが、三度、四度、と同じループを繰り返すうち、ようやくこの流れをうっすら理解し始めた。


どうやら、自分はいわゆるサブキャラで、毎回妖怪に襲われる役らしい。

そして、気づくに連れて、少しずつ夢の内容も変化していった。

まず、ヒーローに助けられるけど、ヒーローとの具体的な接触は回を重ねるごとに割愛されていき、最終的になくなった。

そして、今度は襲われるシーンが終わるなり、助けるシーンというより、正義の味方が妖怪と闘うアクションシーンだけが次第にクローズアップされて物語が進行するようになり、はい、次の物語、パターンになった。


戦ったその後、妖怪をやっつけたらどうなったとか、たぶん夢の話的にはどうでもいいといわんばかりの展開の連続で、何しろ息つく暇もない。


始めは、一回一回記憶もリセットされていたからある意味幸せだったのだが、自分の意思で客観的に物事を把握し始めた時点で、それは悪夢のそれでしかなくなった。


明晰夢のニオイがプンプンする中、夢の変化は更に続いた。

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