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再起動2

燃え尽きたのでここまで


でも、それでよかったのかもしれないな。





よろしくお願いします。



一歩、地を駆け。二歩、空を踏み。三歩、虚空に踊る。



なーんて、カッコよく言ってみたけどやってる事は単純でスキルをぶん回して高速移動してるだけなんだよね。

スキルの上方修正で強化された震脚で移動スタイルが崩れてしまわないか少し不安だったけど、実際に運用してみて杞憂だった事が分かったのがほんの数分前。


それからは今まで通り、いや、『敵性モブに絡まれない』分いつもよりも快適に街道を爆走しています。


いや、うん。『姿無き者』流石5枠消費スキル。今までのスキルとは文字通り格の違うスキルだね。


なにせ、たった今『踏み台』にした鳥も、目の前に着地された馬も一切僕に気がつく素振りが無かったからね。



……いや、待てよ?もしかしてこれ国境線の検問もスルー出来るのでは?


いつもあそこで時間が食われてしまってクレセート──ディオン間の走破時間が40分を切れなかった。それがもしかしたら30分台に……いや、夢の20分台も現実の範囲内に……!?


もうじき検問が見えてくるからその前に一度着地して歩数の確保と万が一の時に発見がむずかしいように高度も稼いで置こう。






数十秒後、僕はなんの障害もなく国境線の検問をスルーした。








──────────


賞罰

国境侵犯


国境siんパ……


国※s#<」:|%



◻︎◻︎◻︎◻︎より命令【自由に空を泳ぐ者に国境など無意味である。】



……****


◻︎◻︎◻︎◻︎により犯罪『国境侵犯』が取り消されました。

以後一定以上の高度を移動する全てのプレイヤーへの犯罪『国境侵犯』は適応されません。




──────────









っと、クレセートに到着!外門を抜けて市街に入ったところでタイマーストップ。記録は21分37秒圧倒的新記録を達成だね。


これ、溜めてあるSP全部AGIに割り振ったらワンチャン15分台も狙えるんじゃ……?

いやいや、ダメだ!記録更新に燃えるのも良いけどこのSPは新しい装備に合わせて僕を改造するためのポイントなんだ。一時の誘惑に負けて使ってはいけない。



さてと、じゃあ早速リーフヒールに行こうかな。


現実時間で実に4日ぶり。こっちの時間だと……11日ぶり?にお店の扉を潜る。




「こんにちは、お久しぶりで……す?」

「いらっしゃい。もしかして常連さんですか?」


意気揚々と扉を開けたら、知らない人が店番をしていました。


「えっと、イザベラさん居ますか?」

「あぁ、支店長さんね。あの人なら今ディオンに居るはずだよ?何か用事でもあった?」


おお……入れ違い……いや、イザベラさんがいつここを出発したのか分からないけどもしかしたら僕、完全に無駄足踏んだ?


「あー、そうですね。『邪道に光あれ』」

「おお!そちらのお客様でしたか!得物はどちらで?」

「コレですね。だからイザベラさんを訪ねたんですが……」


そう言いながらフェイルノートを取り出す。


「なるほど……確かにコレは支店長の領域ですね。支店長はディオンの『ライトヒール』と言う店にいるはずです。紹介状など要りますか?」

「あ、大丈夫です。実は……」


かくかくしかじかという訳で……。


簡単に事情を説明する。


「なるほど、わかりました。それは災難でしたね。」

「いえいえ、ちょっとした運動にちょうどよかったですし、何より往復で一時間もかかりませんからね。それでは失礼します」


あーあ、ディオンで物資の補給とか考えれてたらわざわざこっちまでくる必要なかったのになぁ。あ、でも震脚の確認や新スキルの使用ができたと考えればそこまで無駄じゃなかったかも?


「……え?ディオンとクレセートを往復で一時間かからない?そんな馬鹿な……」


背後で何か茫然と呟いてる気配がするけど気にしなーい。

さっさと街を出ると全力でつい数分前に通ったばかりの道を逆走し始めた。

今度も検問をスルーすることにして。










はい!ディオン到着!記録はさっきより少し遅いぐらい!多分気疲れとかそういうのの影響だと思う。


さっさと商業用の門の横にある個人用の勝手口を通り街の中に入る。

そのあとは適当な建物の屋根に登り『ライトヒール』まで一直線に進む。下の道なんて人が多すぎて一々通ってられないからね。




店に入るとすぐに従業員の人が声をかけてくれる。


「おや、ユウさま。本日はどのようなご用件でしょうか」

「イザベラさんって来てる?ボソ(『邪道に光あれ』)の案件なんだけど」

「なるほど、わかりました。では二階の特別室でお待ち下さい」


そういうと従業員の人はバックヤードに歩き去ってしまった。

仕方ないので最近、随分と顔見知りになってしまった警備のお兄さんに会釈しながら二階への階段を登り、いつもの特別室に入る。


とりあえず、待ってる間はやる事がないので装備を外しておく。どうせイザベラさんに見せるときに脱ぐんだし先に脱いでおく。


しばらくすると数人の足音が聞こえ、扉が開かれた。


「久しぶりね」

「はい、お久しぶりです」


扉を開いたのはイザベラさんだった。

その後ろにカイネンさんと見覚えのない人たちが居る。


「随分と遅かったのね」

「ええ、私も少し用事がありまして」


こっちの時間で7日間サバイバルがあって、そこからさらに3日ログインできなかったからね。随分と顔を出していなかった訳だね。


「そう、話は教会からもう聞いたのかしら?」

「はい?えっと、教会?」

「あら?私がここに居ることは教会から聞いたのではなくて?」

「いえ、リーフヒールに行ったら知らない人が店番をしていて、イザベラさんの場所を尋ねたらライトヒールにいるって言っていたので」


首を傾げながら答えると、イザベラさんは目頭を押さえながら俯いてしまった。


「なるほど、つまり貴女はまだ教会に行っていないと」

「はい」

「ディオンに来てから一度も」

「はい」

「……なぜ?」


尋ねるイザベラさんの後ろでカイネンさんがハッとした表情をした後、僕に向かって激しく首を横に振る。

……何を伝えたいのだろう?とりあえずイザベラさんの質問に答えておく。


「カイネンさんの依頼をこなしていたら行く時間がありませんでした。あと、友達と遊ぶ時間もありましたし」


僕の答えを聞いた瞬間、イザベラさんの表情は氷のように冷たくなり、ゆっくりと後ろを向いてカイネンさんを睨み付ける。


「なるほど、わかりました。カイネン、少し話ができました。後で、ゆっくりと、はなし合いましょう」

「は、はぃぃ」






「こほん、さて、事情はわかりました。教会についてはまた後で行けばいいので今は気にしなくても大丈夫です。それで貴女の用件はなにかしら?」

「ええ、わかりました。それで私の用事なんですけど……」


そう言いながら目の前の応接テーブルに装備を取り出していく。


「この子たちの強化をお願いしようと思って」

「これは、また……随分と使い込んだのね。もう変質が始まりかけてるわ」


取り出した防具を一つ一つ手に取り、じっくりと見ながらイザベラさんが切り出す。


「……貴女、これは相当な大仕事よ?」

「そうなんですか?」

「ええ、元々が黄昏の蜘蛛の甲殻に、貴女と結ばれた狼王の素材を注ぎ込んだとんでもない装備なの。それを変質強化させるなんて並大抵の素材では出来ないわ」


そうなんだ、そんなこと全然考えなかった。

僕はただ、ステータスに変質強化出来るって書いてあったから持ってきただけだったし。

あ、でも並大抵の素材じゃ出来ないってことは並大抵じゃない素材なら可能ってことだよね?


「並大抵じゃない素材……じゃあ、これなんか使えますか?」


そう言いながら僕はストレージの一番上にあった素材を、MVP報酬『【邪神葬具】ロゴス』を取り出す。


「っ!カイネン!皆を下げなさい!貴女はそれをしまって。早く!」

「え?あ、はい。しまいますね」


カイネンさんが待機していた人達を一人残らず部屋から蹴り出す。


「……ふぅ、またとんでも無いものを持ってきたわね」

「えっと、ごめんなさい?」

「いえ、謝ることでは無いわ。ちょっと……ええ、ちょっと驚いたけどあれほどの物を手に入れられるほどの敵と戦ったからこそ変質も起こり始めたのだろうし……」

「ユウ様、一つご確認したいことが……。『それ』を所持していて問題などは起こったりしませんでしたか?」


後ろの人達を蹴り出し終わったカイネンさんが尋ねる。


「はい、大丈夫ですよ。ところでこれってそんなに危ない物なんですか?」

「そうですね……危険ではありますが所持していて問題が起こっていないのなら大丈夫でしょう。その類の物は正当な所有者以外の手に渡ると悪さをするものがありますのでイザベラはそこを心配したのでしょう」


へぇ、そんな設定があったのかぁ〜。まあ、MVP報酬だし邪神からドロップしたアイテムだと考えれば妥当なのかな?


「……ねぇ、あなた。この際だから変質に使おうと思っていた素材全部出しなさいな」

「えっと、わかりました。少し場所開けてください」


イザベラさん達に少し退いてもらい、できたスペースに今回のイベントで手に入れた素材を出していく。


「…………」

「………………はぁ」


僕が素材を出していくたびにお二人が呆れるような視線を送ってくるが気にしない。

だって全部出せって言ったのはイザベラさんだもん!


っと、これで全部かな?あとはMVP報酬のアレだけだし。


取り出した素材の山を見て思う。


明らかに人一人の装備に使う量じゃないよなって。


「これで、全部なのね?」

「えーと」


んー、確かポイントを使えば一部の邪神素材は追加入手可能だったよね。


「一部の素材は必要に応じて追加出来ます」

「……そう、わかったわ。それでこれ全部使っちゃって良いのね?」


もちろん、その為に持ってきたんだし。


「はい、全部遠慮なく使っちゃってください」

「そう、では承ったわ。詳しい費用の見積もりや作業の期間は後で詰めるとして、一つ貴女に伝えなくてはいけない事があるわ」


え、なんだろう。物凄くお金が要るとかかな?


「それはね……。貴女が持ち込んだ素材がとんでもなさすぎてここにある設備じゃどうしようも無いって事よ」

「えっと、つまり?」


「今ここで変質を行わせる事はできないってことよ。それで、この素材も扱える設備のある場所に移動してもらいたいのだけれど」


なるほど……。


「わかりました」

「ごめんなさいね」

「いえ、大丈夫です!それで何処ですか?」


元はと言えばこの素材を持ち込んだ僕の方に非があるからね。


「ええ、ここから4つ先に進んだエリアにある『聖都アルマ』って言う場所よ」


4つ先のエリア……!










正直、今話あまり好きくない。あれ?僕なんかやっちゃいました?感が強くてやだなぁっと自分でダメ出しする始末であります 。


はよ旅立たんかい。




引き続き、作者ついったのお知らせ。

近況とか戯言とか適当に呟いてます、フォローしてね。

あと、頑張って作者ページから飛べるようになったのでフォローしやすくなったよやったね。

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[一言] 黄昏の蜘蛛?夜襲蜘蛛だった気が・・・・・・・
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