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生存戦略 Part4

まさかまじで一週間以上かかるとは思って無かった、お待たせしました。


よろしくお願いします。





結局襲撃があったのは最初の一回だけで、その後は何事もなく綺麗なお月様を眺めているだけだった。

まあ、まだ初日だからみんな様子を見ているのだろう。草原の中という非常に目立つ上に生産職トップが作り上げた拠点なんだ、絶対に明日以降も襲撃があるはずだ。


というわけで僕の警戒時間は終わったので割り当てられた部屋で寝ます。おやすみなさい。

それにしてもゲームの中で眠る、とても変な感じだ。















おはようございます、今日もいい天気になりそうな感じです。そうそう、割り当てられた部屋といっても一人一部屋ある訳ではなく男子部屋と女子部屋にそれぞれ別れて寝る感じになっています。なのでネルネルさんとニアさんも一緒に寝てた訳なんですが……僕が起きた時にはもう居なかったんですよね。二人とも朝早いのかな?


まだ頭がぼんやりとしていますが二度寝しても良い事は無いので起きちゃいましょう。


「うん?なんだろこれ」


目の前にウィンドウが表示されてる。えーと?


ーーリスポン地点を『ガン爺のお手製ログハウス』に変更しますか?【Y/N】ーー


うーん、保留で。よくわからないのでニアさん達に話を聞いてから決めよう。




リビングに行くとガン爺と教授、アポロさん以外が揃っていた。


「おはようございます」

「おー、おはよ。よく眠れたか?」

「はい、バッチリです!あ、ご飯作っちゃいますね」

「……あさから、がっつり……?」


まだ少し眠そうなネルネルさんが聞いてくる。


「うーん、流石に昨日の夜みたいなステーキを出すつもりはありませんが、でもお肉になりますね。なにしろそれ以外の食材がないので。あ、もちろん朝からガッツリ食べたい人が居たらステーキとかも作りますよ」


キッチンに移動するとそこには昨日は無かった大きめのフライパンと大きな寸胴鍋があった。オーブンとかの大きさは変わってないのでガン爺が作れるものの中で比較的簡単に作れる物を先に作ってくれたのだろう。ありがたい。

鍋があるのなら朝はスープにしよう。簡素なものだが肉を塊で出すよりかは幾分かマシなはずだ。






「そういえば教授達はどうしたんですか?」


料理中、黙々と作業していても飽きちゃうのでリビングにいるニアさん達と会話をしている。


「あー、朝起きた時リスポン地点の変更ってあっただろ?アレの検証だな。初期リスポン地点が何処なのかと一回の死に戻りでどれだけのポイントが消費されるのか、それの検証に教授が行ってアポロが付き添い兼護衛。ガン爺は裏の鍛治小屋で何かしてた」

「へー、そうなんですか。あ、それだとご飯とか今作っちゃうとマズイ感じですか?」

「別に良いだろ、検証に出かけたのは結構前だし、もうじき帰ってくるんじゃないか?」


そういうものなのか……あ、


「じゃあ、リスポン地点の変更ってしちゃって良かったんですか?」

「まだやってなかったの?」


ネルネルさんに呆れた目で見られた。


「早めに変更しないとダメだよ?じゃないと万が一の時変な場所に飛ばされて孤立しちゃうから」

「うっ、はい。変更しておきます」


朝から出しっ放しだったウィンドウの【Y】を選択する。


ーーリスポン地点を変更しましたーー


これでよし。


おっと、お肉に火も通ったみたいだしハーブと一緒に少し煮込んで完成させちゃおう。






「ただいまー」

「今戻ったぞ」


「おかえり、もうすぐご飯が出来るみたいですよ」


良い時に教授達が帰ってきた。あとはガン爺だけど……。


「むん」

「あ、ガン爺。今呼びに行こうとしてたんだよ」


ちょうど作業が終わったらしく自分でリビングに来てくれた。


「ユウ、これを」

「おー!食器だ!」


どうやらガン爺今まで食器を作ってくれていたようです。


ナイフ、フォーク、底の深い器にお茶碗、コップと一通り揃えてきてくれた。丁度いい、早速使ってみよう。


「じゃあ、ご飯にしますよ」


出来上がったスープをそれぞれの器に取り分けて配膳する。


「まだ沢山あるので自由にお代わりしてくださいね」

「うん、流石ユウだ。わかってるな!それじゃみんなユウに感謝して……いただきます!」


「「「「「「いただきます!」」」」」」




「それでは食べながらだが今朝行った死に戻りの検証を発表する。まず、初期のリスポン地点だが、我々が上陸した地点だった。それから死亡時に発生するポイントの喪失は1回目は100ポイント、二度目以降の増加値は不明だがいきなり倍になる事は無いと思う」


なるほど……そういえば僕の現在の保有ポイントはどれだけなんだろう?確かステータス画面に表示されてるんだよね。


ーー420pーー


高いのか低いのかよくわからないけど、とりあえず一回死んじゃって直ぐにゲームオーバーにならないのならそれで良いや。


「それからリスポン地点変更に必要な条件は人工物の近く、もしくは洞窟などで一晩を過ごす事のようだ。まあ、体を休めることが出来る場所の確保が最低限の条件だろう、それと地点の変更をしないで死ぬと自動的にNoが選択されるようだ。なので今日のお留守番は私とアポロ君という事になる」

「なるほどな、ありがとう教授。さてみんな、今日の拠点防衛班が自動的に決まったところで今日の大まかな行動方針を決めようじゃないか。料理長、何か欲しい食材とかあるか?」


料理長……あ、僕か!


「あー、えーとそうですね野菜、果物、お魚、あと小麦とかお米とかが欲しいです。特にお米。イベント中毎日お肉三昧だと流石に飽きるでしょう?」

「よし、わかった大至急調達しよう。我らジャパニーズ。お米とお風呂のためなら戦闘民族になる人種なり、全員が食材の確保を最優先としつつ個人で欲しいものを細々と狩っていく、こんな感じで今日は行くぞー!」


「「「「「「「おー!」」」」」」」










と、言うわけで2日目、日中の部スタートです。

現在地は昨日も来た森の端っこ、草原との境界あたりです。

まずは高いところに登って周りを見渡してみようかな?

木の天辺にまでよじ登り、そこから思いっ切り垂直に飛び上がる!


「『八艘飛び』!」


着地用の一回を残して7段ジャンプを敢行する。

跳躍の頂点、脚力と重力が釣り合い一瞬だけ停滞するその瞬間に『人外観測眼』を使用する。

さて、これで少しは観測が出来るだろう。


森側は特に何も見えない、まあ当たり前か、森なんだし。地表部が見えないのは当然のこと、最初から余り期待していない。

ただ、おそらく森の中心部と目される場所が不自然な空白地帯になっていて怪しい。獣を狩りつつ目指してみてもいいかもね。

草原側は反対に色々なものが確認できる。

予想よりも遥かに広かった草原には牛のような生物の群れや、かの破城猪ほどもある獅子のような生物、その獅子と並ぶほど大きなゴーレムや口から火を噴く二足歩行の恐竜、さらに奥、草原の中心部には『朽ち果てるのを待つばかりの石遺跡』が見える。


これは……面白いことになったな?


草原側をスクリーンショットで撮影する。


僕らはここは無人島だと聞かされていた。事実、『今は』無人島なんだろう。ただそれよりも昔、今よりもずっと昔には人が住んでいた。そしてかなり高度な文明を築いていたのだと思う。


草原側はとても気になるが今日は森側を探索しよう。少し遠くのロマンよりも今日のご飯、お米とは言わないからせめて果物や野菜を食べたい。

どうか果物野菜が手に入りますよーに!

そんな願いを込めて森に入る。



森に入ってから3時間ほど経過した、現在の成果は猪肉一つとウサギ肉三つ、よくわからないモンスターの肉一つ、リンゴのようなもの、野イチゴ、きのこ数種類だ。

よくわからないモンスターは、本当によくわからない。四足歩行で下半身が何かの動物のようだけど上半身がヒトガタで木を生やしていた。急に出てきて驚いたので識別する暇もなかったし、幸いにもそれほど強くなかったので直ぐに倒せたから名前もレベルもわからない。倒した時にいくつかの素材と肉を落とした。素材には『防森の〜』とかかているので種族の総称は防森さきもりなんだろう。あまり食べたくない気がするけど鑑定の結果食用と出たので一応持ってきている。




「んー、もうじきだと思うんだけど……」


僕は森の中心に向かっている、え?少し遠くのロマンより今日のご飯じゃ無かったのか?いやいや、ちゃんとご飯も集めてるよ、一先ずの行き先として中心部に行くだけだからね。何も無かったらそのまま帰るし、何かあったら嬉しいなぁぐらいの感覚です。



突然目の前が拓けた。森の中心部に着いたようだ。

そして、そこには……


黄金に輝く巨大な鳥と複数のプレイヤーが戦闘を繰り広げていた。


とっさに森に引き返し、隠密を発動させて隠れる。

敵対状態になって無かったから大丈夫だと思うけど……。

恐る恐る木の陰から先の広場を覗いてみる。

双方ともにお互いに夢中で僕の事は気づいてないみたい。

ほっと胸を撫で下ろし、これからを考えてみる。

とりあえず、彼らの戦闘に乱入することは絶対に無い。ノーマナーも良いところだし。かと言ってこのままあの鳥を逃がすのもそれは非常に『惜しい』、なのでこのまま決着が着くまで待っていよう。どちらが勝ってもいいように準備しながらね。


さて、彼らが戦っている金色の大鳥、識別の結果『稲穂の雷鳥』と言う名前であることがわかった。レベルは64。僕とほぼ同格帯、だけど『鳥』は飛べるという事を考えると格上と認識した方が良さそうだ。

それから暫く観察してわかった事だけど、先に戦闘していた彼ら、多分負ける。彼らが弱いとかそう言う話じゃなくて相性の問題だと思う。理由は簡単、この鳥、自動回復と再生の二つのスキルを持っているのだが、この二つの回復量をプレイヤー達は上回ることが出来てないのだ。そう遠く無いうちに退却するか、すり潰されるだろう。


全く、正面から馬鹿正直に戦うからそうなるんだよ。今回のイベントはサバイバル、つまりは生存戦争なんだ、卑怯だの汚いだの関係ない、勝った方が強いんだ。




程なくして予想通り最後の一人がすり潰された。


じゃ、狩りを始めよう。






結構きてた感想には後日ゆっくりと答えていきます。まだ一文字も読んでないんですよ。

それと作品否定と誤字脱字以外はちゃんと返信していくので気軽に感想書いてもらっても大丈夫ですよー。


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