ゲームを始めよう【アバターメイク・種族決定編】
よろしくお願いします
文中に出てくる僕と『僕』ですが見分け方として
・僕…現実世界での自分を表す
・『僕』…仮想世界での自分を表す
ぐらいで考えてください。
まあ、この後はゲームが中心になるのでゲームの中でも無印の僕になります。『』がつくのは現実世界に戻ってきた時にゲームの中の自分を呼ぶ時ぐらいにしか使いません。
ーー『アバターメイクは早めに終わらせて置く事、“Princess Cradle”は事前にアバターを作れるようにしておいたからな、しっかり作り込めよ』
そう僕に忠言してくれたのは浅井さんだったか、設定をしてくれた古田さんだったか、それとも、なぜか仲良くなったアリスさんだったかな。とにかく僕は今、その忠言に従わなかった事をとても後悔している。
事の起こりは今から五時間前、葛西さんの一言からだった。
「若様アバターメイクはお済みでしょうか、本日は『fantasista online』のサービス開始日時です。」
「…なんか呼び方のニュアンスが違った気がするけど……」
「気のせいでございます」
「そう、でもアバターメイクか、やってないんだよね。すぐにできるだろうし」
「はあ、まだまだですね若様は、私はこの日の為に予習をしてきました。様々なVRMMOを題材とした作品を読み、一つの結論を見出したのです」
「ほう?それは、」
「アバターメイクこそがその後のゲームライフを満喫できるかどうかの鍵となるのです。アバターとはいわばもう一人の自分自身、そのような存在を数十分で仕上げてしまって良いものなのですか?私が調べた結果ですと、アバターメイクにかける時間は短いものでも二時間、長い物だと半日近くかけて制作しています、若様ももう少しこだわると言う感覚を持って頂きたく…」
「わかった!わかったから!うん、僕が少し考え無しだったかも知れない」
「わかっていただけたようでなによりです」
「でも葛西さんがそんなに詳しいなんて知らなかったな」
「……たまたまで御座います、それでは私はこの辺りで失礼させていただきます」
そう言って静かに退出していく葛西さん、なんだか顔が薄っすらと赤かったけど体調がわるかったのかな?
「でも、アバターメイクか。やっておいて損はないからね」
思い立ったら即行動、良い事だと思う。そんなわけでアバターメイクをしよう。
「えーと、確か音声起動とか言ってたっけ?『ダイブ開始』!」
微かな電子音が聞こえたと思ったら、ジェットコースターが落ちた時のようなフワッとした感覚がした後、急速に意識が遠のいた、堪らず目を閉じる。
そして、目を開けると、そこは目の前に荘厳な雰囲気の扉がある真っ白な世界だった。
ふと目線を下げると本来なら自分の体が見えていたそれは、ほのかに発光する謎の物体になっていた。
暫く周りを見回していると、扉に何かが彫られているのに気がついた。
ーーー◼️◼️◼️◼️ーー
日本語を含む世界の主要言語を一通り修めた僕だが、それはどこの文字かわからなかった。そもそも文字かもわからない記号だったが、不思議と脳に意味が浮かんだ。
ーーー創身の間ーーー
わからないのに理解できるという不思議な感覚だったが、おそらくあの扉の向こう側でアバターを制作するのだろう。
扉に手を触れると何の力も加えていないのに扉は開いた。見通せないその先へ足を踏み入れる。そこで僕の意識は再び暗転した。
三度、目を開けると今度は宇宙の様な場所だった。目の前にはモニター?(ウィンドウ?いや、確かホロウィンドウとか呼ばれてた気がする。)が浮かんでいる、そこには、
ーーようこそ『fantasista online』へ、アバターメイクをしますか?『はい』『YES』『ja』ーー
と並んでいる、って、実質一択じゃん!
とりあえず『ja』を選択する…だってドイツ語ってなんだかかっこいいんだもん!
すると少し向こう側に光が集まり『僕』を形作る。って待って、なんで女の子の体になってるの?『跳弾頭脳』の悪ふざけかな?いや、確か性別の方は機械が自動で判断するって言ってたっけ?つまり僕は機械にすら女の子だと判断されていると言うこと……まあ、いいや。よく考えたら現実でも大して変わらないし、レディースデイとか女性専用車両とか使っても誰も気がつかなかったし、性別なんて誤差、誤差。気にしたら負け、そう考えよう。
で、えっと、今の体を素体に、このウィンドウに表示されているパーツを選択して完成させていくんだね、楽勝、楽勝。
楽勝とか考えていた数十分前の僕を殴ってやりたい。セットパーツ多すぎ、髪型だけで三桁有るじゃん…幸い僕は今の髪型が気に入っているのでそのままにしたけど他のパーツ、もう嫌……みんなが前もって完成させて置けって言った理由が分かったよ…これ、バランスが絶妙なんだ、少しいじった程度(まつ毛の長さを変えた、髪を伸ばした、気持ちほんのり赤みを足したぐらい)なら大丈夫なんだけど、パーツを大きく変えてしまうと一気に嘘っぽい顔になってしまう(例えば目を大きくしよう、顔を小さくしようと言ったことをする)。
もう考えるのイヤ……そうやって、ぐだーっとなっていた時ふと画面の右下に何かがあった、
ーーリアルモジュールーー
・現実での体格を参照し、適度に変化を加えてアバターを制作します。
これだ!と思った、早速実行する。
一度『僕』が消えて再び光の粒が集まり『僕』を形作る。そこには、
・白銀の長髪
・赤と言うよりは赤銅色の瞳
・僕より少しだけ(二、三センチ)高い身長
・ほんの少しだけ膨らんだ胸
・左手にある蔦の絡んだような刺青
うん、『現実での体格を参照』って言ってたけどやっぱり判定は女の子なんだね…少し悲しくなりつつ胸のパラメータを最低まで下げる。何だかんだ言っても僕も男の子だし、最低限の主張として胸は無くしておく、他のパーツはこのままで。左手の刺青みたいなのカッコいいし…幸い僕とも違和感がない、これ最適解はリアルモジュール使用だったんじゃないかな?とりあえずこれで決定。
ボタンを押した瞬間、僕の体(発光する謎の物体)が溶け、たった今作り出した『僕』に吸い込まれて行く。
目を開けると、さっきまで目の前でいじっていた『僕』が居なかった。いや違う僕が『僕』なんだ、その証拠に視線を下げ両腕を見ると、傷一つない腕と蔦の絡んだような刺青の入った腕が見える。
ーー名前を決めてくださいーー
『』
入力する。『僕』は夕だけど夕じゃない、だから『僕』は差別化のためにこう名乗ろう。
『悠』と
ーー漢字は使用できませんーー
……『YŪ』決定。
ーー種族を選んでくださいーー
・人族
・森人族
・獣人族
・魔人族
・混血種
さ、さあ、気を取り直して種族を決めよう、種族デザイン担当の霧島さんから聞いた話だと、
『人族はステータスがほぼ横並びで特徴が無いのが特徴といったところ、またレベルアップが早いわね、森人族はINTとMNDが高く独自の精霊魔法を駆使する特殊な種族ね、攻撃より支援や妨害などが向いているわ。獣人族はSTR、VIT、AGIが高く近接戦闘で真価を発揮するわ、そのかわりINTとMNDが低く魔法は殆ど使えない脳筋種族ね。でも獣人族は更にここから細分化されまた四種に分かれるわ、犬、猫、狼、狐ね、覚えておくといいわ。魔人族は森人族と同じようにINTとMNDが高いけどこちらは支援や妨害が殆ど無い魔法火力種族ね、私が一番気に入っている種族でもあるわ。あ、でも安心してね、私が気に入っている種族だからと特別に優遇したりはしていないわ。この種は魔法が充実した後は楽しいけれど黎明期はとても大変な種族として設定してあるから。以上の四種族が基本種族として設定されているわ。最後の混血種はさっきの四種の中からランダムで二種選ばれる仕組みね、ベースとなる種族が決定され、そこにサブの種族が補正をかける形になるわ。ただ獣人族が選ばれた場合はさらに四種の中からランダムで選ばれるわ、勿論種族がミスマッチな場合もあるから、混血種は特別に選出される種族を三回選び直せるわ。種族はこんなところね、まあ、何だかんだ言っても自分のやりたい事にあった種族を選べば良いわ。私たちは特定の種族だけが優遇されるような調整はして居ないから』
との事だ、僕が選ぶのは最初から決めてある。
ーー種族・混血種が選択されました、選出を開始しますーー
僕は選び直しをしない、最初に出てきた種族からやりたい事を決める。だってゲーム初心者だし、どれがいいのかわかんないし。
ーー種族・混血種(森人族/獣人族・狼)が選出されました、再度選び直しをしますか?ーー
決定
ーー種族が混血種(森人族/獣人族・狼)に決定されましたーー
ーー職業選択に移りますーー
さぁ次は職業を決めよう。
なあ、ここまで大量に文字書いてまだキャラクリの途中とかいう作品があるらしいんだ…どんな作品なんだろうな…
裏設定は本日はお休みです。