表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/72

二陣参戦と第二回大型アップデート

久しぶりにこのゲームの略称を出した気がする。



よろしくお願いします。





さあ、今日も元気にファジーしていきましょうっと。


今日の予定は装備とダグザの遺産の売却額を受け取って素材集めだね。ちょうどギルドにいる事だし手持ちのアイテムもほとんど預けて空きを作ってしまおう。


そう思ってメニューを開くとメールが1通届いていた。


「運営から?」


内容は一週間後に第二陣の参戦に伴うアップデートメンテナンスを実施する、さらに二陣参戦のさらに一週間後に第二回イベント『生存戦略』の開催か……。

二陣の参戦はどうでもいいけどイベントの詳細が気になるな。

あ、イベントページに飛べる。


えーと?なるほど『生存戦略』はキャンプイベントみたいだね。絶海の孤島に流されたプレイヤー達が持っていたアイテムや装備、島にあるアイテムで7日間生き残れるのか!?しかし島には何か秘密があるようで……?みたいなイベントだ。イベント中は倒したモンスターやプレイヤー、集めた素材ごとにポイントが加算されていくシステムのようだ。イベント中の死亡はステータス減少や装備の耐久値減少は起こらないがポイントの減少が発生する。一度死ぬごとに減少するポイントは大きくなっていく。さらに所得ポイントがマイナスになるとイベントエリアから追い出されてしまうようだ。


それから、これが一番の目玉だと思うけどリアル七日間でイベントを続けるのでは無くイベント中はゲーム内の時間を加速させて現実の7時間ほどを七日間に引き延ばすようだ……。これ大丈夫なのかなぁ。まえにアリスお姉ちゃんがポロっと漏らしてたけど、試作段階で十全に稼働することが難しいって言ってたんだけど。完成したのかなぁ?

まあ、ここで使うってことは完成したんだろう。


……情報をまとめると一週間後に新規プレイヤーが来る。さらにその一週間後にキャンプイベントが来る。つまり僕の素材集めは二週間以内に終わらせなければならない。

うん、何とかなるかな?もともと早めに終わらせる予定だったけど二週間と言う時間制限が付いたことでより身が引き締まるね。


じゃあ早速装備を受け取ってモンスターを根絶やしにしに行こう。














「おお、ユウさんお待ちしておりました!」

「カイネンさんすみません、もしかしてお時間取らせてしまいましたか?」

「いえいえ、私が勝手に待っていただけですから!」


ライトヒールに着くとカイネンさんがカウンターに立っていた。

周りの人が緊張して顔が引きつっているところを見ると彼が自らカウンターに立つことは基本的に無いのだろう。

それも当たり前か、巨大商会の幹部、それもトップに近い幹部が一店員と同じ仕事をするなんてあり得ないし。

そう考えると店員さんには悪いことしちゃったかな?


「さて、ユウさんこちらが修繕の終わった装備で、こちらが昨日の総売却額、そして修繕費を引いた残りの額です」


先ずはカイネンさんから渡された装備を受け取り、身につける。うん、やっぱりこれだね。この感覚が無いと落ち着かないや。

それから総売却額、うん、結構多かったね800万ギルとあと端数。そして修繕費がフェイルノートが30万、防具は1部位10万で全8部位80万で110万ギル、それを引いて残りが690万ギル。


「ありがとうございます。じゃあ早速依頼のことなんですけど」

「ええ、勿論用意してあります」


そう言ってカイネンさんは一枚の紙を取り出した。


「これは依頼契約書と言って、ギルドにあるような契約のアーティファクトが無い場合に使用するもので、今回はユウさんとヒール商会との間に成立する契約となります」


ギルドにある契約のアーティファクトが凄く気になるけど今は反応しちゃダメだ。話が進まなくなる。


「この契約書は魔法が込められていて、もしもこの契約を破ると神の使徒に罰せられるのです」


なるほど、持ち逃げ禁止とかそういうことか。まあ、ちゃんとやれば特に問題はないだろう。


「お互いにサインをすれば契約完了となりますが、その前に契約内容に不備がないか確認してください」




______________


【納品依頼】

・依頼者 : ヒール商会

・代表者 : カイネン・クラバレス


依頼内容 : 『泥巨像の泥』×400 『泥巨像の核』×50『泥鮫の皮』×400『泥鮫の胸ビレ』×200『泥鮫の尾ビレ』×200 『疾風兎の皮』×400 『疾風兎の刃耳』×400 『隠匿蜥蜴の尻尾』×300 『隠匿蜥蜴の皮』×200 『隠匿蜥蜴の頭角』×100 『剣牙猪の鋭牙』×300 『剣牙猪の毛皮』×400 の納品


依頼報酬 : 『複合猛毒矢』×500 『銀の矢』×200 『金の矢』×200 『鋼矢』×500 『分裂矢』×500 『槍矢』×200 『封魔結晶矢(空)』×200 『魔力噴射式加速矢』×200

『魔弾:大和砲』×50


備考 : 依頼期限はないが出来るだけ早い方が望ましい


______________


素晴らしい!けどあそこに出していた矢全部で計算されていたのか……。


「そう、ですね。『銀の矢』『金の矢』『鋼矢』『槍矢』を半分ほどにしてもらってその分を『複合猛毒矢』と『封魔結晶矢』に回してもらうことって出来ますか?」

「ええ、可能です。では『銀の矢』たちを半分にして『複合猛毒矢』と『封魔結晶矢』を倍にしましょう」


カイネンさんが素早く契約書を書き換える。

あとは……。


「あ、そうだ。この封魔結晶矢ってまだ空なんですよね?」

「ええ、現状では鉄矢よりも少し丈夫といったぐらいでしょうか」

「ならヒール商会でこれに魔法を込められませんか?」

「出来ますが……その……魔法を込められる者たちは当商会の主力製品である魔法の品や練金アイテムの制作者たちでして」

「なるほど、つまりこれだけじゃ足りないと」

「ええ、各素材50個づつ追加するなどすれば足りますが……」


……うーん。


「……わかりました、それでいいです。ただ今後も継続的に利用することも考慮して下さい」

「ええ、勿論ですとも。未来の上客様の為に魔法付与部門に一つ生産レーンを増設しておきますので」


これが適正価格なのかぼったくられたのか、主導権を握っているのはあちら側なので僕にはわからないが、現状彼らに頼るしかないね。いざとなればイザベラさんに泣きつくし……。


「では、今回の『封魔結晶矢』に込める魔法は如何なさいますか?」

「とりあえず今回は200本に爆発系の魔法を、100本には貫通系の魔法をお願いします。残りの100本には込める人の好きな魔法を込めてください。まだ使い勝手がわからないので色々試してみたいのです」

「わかりました、では彼らにそう伝えておきます」


とりあえず今後についての交渉は終了?かな?

カイネンさんにお礼を言い店を出ようとする。

このあとは、依頼の素材を……あ……。


くるりと反転して再びカイネンさんに話しかける。


「おや、如何しましたかな?」

「すみません、マッドゴーレム以外の生息域を教えてもらってもいいですか?」


うん、僕まだこの周辺の探索してないんだった。














カイネンさんの情報をもとにモンスターを探す。とりあえず今日は様子見で、それぞれの特徴を把握することに専念する。




『商都』南、ここにはクレセート側よりもレベルが高いマッドゴーレムと泥鮫こと『マッドネスシャーク』が生息している。


だがどうもお互いの縄張りが分かれているようで商都南エリアでもさらに南西方面が泥鮫の縄張り、南東方面がマッドゴーレムの縄張りとなっているようだ。


まずはマッドゴーレム、クレセート側よりもレベルが高くなっているだけありタフだし動きも若干早く、そのリンク機能も健在だけど、やはり魔法が弱点なのは変わらず僕の弾幕に蹂躙されている。

つまり弾幕すれば良い。


泥鮫ことマッドネスシャーク。エリアボスから手足を取っただけの外観と能力。ただその失われた潜行という能力が問題だったのであって、それがなくなってしまえばただの的でしかない。

結論、弾幕すれば問題なく処理できる。




『商都』東、ここは沼と草原が混ざり合った地形をしていて剣牙猪こと『ソードボア』や依頼には関係ないが『ランスディア』と言う角が槍のように発達している鹿が生息している。


ソードボアはなんと言うか、突進しかしない。後ろに下がらなければ左右に避けることもしない。ただひたすらに真っ直ぐに突進するだけ。弾幕を張れば突進して突破しようとする。

自分から弾幕に当たりに来てくれるなんて……もっと弾幕を濃くしなきゃ……!


ランスディアはソードボアとの戦闘中に時々乱入してくるので狩っているが、こちらは左右にステップを踏むのでボアよりも弾幕が当てにくい。

ただ結局は攻撃方法が突進なのでそこを狙い撃てば倒せる。やはり弾幕を張ればいい。



『商都』西、これは森ではないね。むしろジャングルと言うべきかな?森の木ほど幹は太くないが樹高は高いので光量も低く、木も乱雑に生えていてとても見通しが悪い。しかもここには隠匿蜥蜴こと『コバートリザード』が生息している為、常に奇襲に気をつけなければならない。


だけどこのトカゲ君、奇妙なことに対象が自分の攻撃範囲に入らなければ一切動くことは無い。たとえ攻撃を受けたとしても。

つまり密林に入った瞬間に弾幕を張り、称号による吸収が発生しなくなったら、つまり射程内に敵がいない事を確認してから進みまた弾幕を張る。これを繰り返せば比較的安全に狩りができる。

なんてこった、弾幕はついに索敵能力やアメリカンニンジャいや、NINJA!!御用達の『積極的隠密』効果まで手に入れていたのか……。なるほど目撃者を全て消してしまえば結果的に見つかることはないしね。

弾幕万能!



『商都』北、沼地の無い完全な草原。地面は適度に乾き、緩やかな温かい風の吹く素敵なエリア。そして、ここで僕は彼らと対峙する。

素材の名前を見た時からなんとなく予想はしていたんだ。ここでもお世話になることが……。

彼らは『疾風兎』、正式名称『シュタームハーゼ』。今までの敵が英語ベースだったのに特別待遇のドイツ語。無意味に強敵感を出している。

実際に彼らは強い。その身に宿した風の魔力で自身を強化してこれまでの敵をぶっちぎる圧倒的な速度で跳ね回り、鋭利な刃になっているその長い耳で敵を辻斬りにする。

もちろん攻撃方法はそれだけでなく初心者エリアにいた『先生』同様に突進もする。十倍以上速いけど。

さらにその強靭に発達した後ろ足で蹴りを放つ。何故かカポエラキックやブレイクダンスをしてきたけど。


そして何より彼らは二段ジャンプをする。そう、僕と同じ様に空を駆けるのだ。

これには危うく死んでしまったが、復讐者のスキルでなんとか持ちこたえた。

正直今までで一番の難敵だったけど突破口はある。

それは防御力が低く体力が少ないことだ。うん、どこかで見た覚えのある傾向だけど、こう言う奴は範囲攻撃に弱い。


なので先ずは弾幕を張って回避させる、次に避けた先に弾幕を置いておく。すると再び跳躍して避けようとするのでさらに先読みして弾幕を張る。これも避けられた時のために予備の弾幕を張る。そう!つまりは弾幕を張れば対処が可能なのだ!ああ、素晴らしきかな弾幕曼荼羅。如何なる敵にも必ず対応できる究極の選択なのだ……。
















こうして数日が過ぎ。第2回目の大型アップデートメンテナンスが実施された。


これにより兼ねてより期待されていた二陣の参戦、二陣プレイヤーの為の初期エリアでの取得経験値の上昇。

などなど、様々な小イベントともにとあるモノが発表された。

それは『レベルキャップの解放』。今までのレベル上限50からレベル上限80まで引き上げられたのだ。


まあ、だからと言って積極的にレベル上げするつもりはない。どうせ素材集めでたくさん敵を倒すのだし、その過程で自然とレベルは上がる。


ちなみに素材集めは全体の七割ほどが終了している。このペースで行けばあと3日もしないうちに集め終わるだろう。


ニアさんからメールが届いたのはそんな時だった。



ーNIANAー


ユウ、これから時間あるか?あったらこっち来てくれ。

次のイベントでアタシたちと一緒に組むヤツラを紹介したいし、連携の確認もしたい。

2時間後にクレセートに集合予定だからよろしく。


もし来れなかったら時間のある日を教えてくれ。













うーん、まだまだ狩り足りないけどあと1時間ぐらい狩ってからダッシュでクレセートまで行くか……。

たしかに事前の顔合わせは嬉しいし、気分転換にもなると思うからね。




とりあえず今はこのお仕置きモンスター『疾風迅雷の玉兎』を倒してしまおう。本日2体目、累計8体目だから討伐の要領はわかっている。


「曼荼羅展開、『十華』」


だから、さっさと、沈め。








ーーーーーーーーーー


PN:YŪ

LV:59

種族 :混血種(獣人族ビースト・魔狼/森人族エルフ

JOB :魔弓術士

SUB :【復讐者】※転職する事が出来ません


HP :990

MP :1285 +1200



STR :60 +20

VIT :16 -640

AGI :70 +230

TEC :80 +190

INT :70 +305

MND :35 +30

LUC :18


残SP:27


種族固有スキル

・大器晩成

・魔眼・魔力視

・狼王の血脈

・魔狼の誓い

・夜天の魔核

・(隠し特性・神製の筐体)


後天性スキル

・征竜弓術(二枠消費)

・矢弾回収

・臨界観測眼(二枠消費)

・人外観測眼(二枠消費)

・神技・八艘飛び

・弾幕曼荼羅(三枠消費)

・震脚

・魔力増加

・立体機動

・王威lv1

・異端弓術・鏖ノ型(二枠消費)

・MP超速回復

・異質物射出

・大跳躍

・魔血鎖術

・夜天骸(二枠消費)

・奇襲

・隠密

・(空き)



控えスキル

・鼓舞

・一念岩穿ち

・採取

・狂気耐性

・恐怖耐性

・乱射

・落下耐性




装備


・夜天骸弓フェイルノート

・夜天骸のバレッタ

・夜天骸のドレスアーマー

・夜天骸のロンググローブ

(暗器:夜天王の魔荊鎖)

・夜天骸のアーマースカート

・夜天骸のヒールグリーブ

・その他1:夜天王の魔心核

・その他2:七栄教のクロス

・その他3:疾風のリング


称号

・異端なる征竜弓術士

特異とされた弓兵は事象を外れ異端へと身を堕とした、しかしその身に刻まれた技術の数々は本物である。

【弓を介した攻撃の威力上昇《大》、防御貫通《小》を付与(防御貫通効果は重複しない)、弾幕系スキルの威力上昇《大》】


・狂気ニ染マル審判者

無慈悲なる審判者は狂気に取り憑かれ己が信ずるものすら失った。しかしそれでも鉄槌を下す、己が己である為に。

【自身の攻撃にHP・MP吸収効果付与、状態異常効果付与、命中時状態異常重症化、累積ダメージボーナス(上限15倍)、一定時間ごとに自身に『狂化』の判定】


・摂理に反抗する者

人には人の、獣には獣の、武器には武器の摂理がある。

その摂理に反しただ己の道を突き進む者に贈られる称号。

【適正武器以外にかかる制限を解除、特殊武技の解放、非適正武器への補正】


・復讐者

無限弾幕(モード・パラノイア)

もはや何も言うまい、弾幕とは即ち是れ汝であり、汝とは即ち是れ弾幕である。

【弾幕射出口を任意の場所に設置可能、弾幕のデザイン変更、消費MP25%削減】


・虐殺の悪帝

一定時間以内に複数のエリアの敵性モブを全て狩り尽くした者に贈られる。


『鏖殺に悦を見出した暴君はさらなる殺戮を求めた』


【敵を倒すたびに攻撃力上昇(上限15倍)、クリティカル攻撃の度にランダムで変動しないステータスの一つが微増、この称号による強化はセーフティーエリアに入った時解除される】


・一騎討千

単騎で千を超える敵を討ち倒した者に贈られる称号。

【単独行動時相対する敵が多いほど自身のステータス上昇】


・神秘神の寵愛

・夜天を堕とした者

・種族改変者

・ドジっ子おおかみ

・ラビットスレイヤー



ーーーーーーーーーー






実は泥鮫がレアエネミーだった事を忘れてた。

サイレント修正で鮫をノーマルエネミーにした事は内緒。



実はレベルキャップが解放されるまでの一週間分の取得経験値があったらユウくんはキャップ解放と共に最大レベルに到達していた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ