獣鬼戦線part3
あらすじ
イベント中、ついにユウきゅんがキレて爆撃を始めたゾ!ついでになんかやばそうなのも動き始めたみたい。どうなっちゃうんだろう!?
大学生ナメてた、もっと時間あると思ってた、一応授業が始まったらある程度時間は開くらしいけど最初の一週間がヤバイ。今回はマジでゲームしててできなかったとかじゃ無いです。
それではよろしくお願いします
僕が無差別爆撃を始めてから数分、周りには僕を中心としたそこそこ広い空白地帯が生み出されていた。
うん、ちょっとやり過ぎたかな?途中からゴブリン達が逃げていったけど気にせずに続けたからなぁ。
見事に敵も味方もいない空白地帯が誕生してます。
ああいや、味方、プレイヤーはいるね。主に休憩場所として利用しているけど……
ああ、こらそこ!座り込んで休まない!一応遠距離型の攻撃は届くんだから……って、あーぁ、飛んできた魔法で死んじゃった。まあ、自業自得だよね。誰もここが安全地帯なんて言ってないし、あくまでも敵のいない空白地帯ってだけだし。
「よーう、ユウこんにちは〜」
「ユウさん今朝方ぶりですね」
ニアさんとアポロさんだ。
「よくここがわかりましたね」
「いや、あれだけバカスカ弾幕張ってりゃわかるって」
「……そんなに派手でした?」
「「おう(はい)」」
「そっか、それで何か用ですか?」
「はい、せっかく見つけたのでパーティーを組まないか?と誘いにきました」
うーん、パーティーか、どうしようかな……うーん。
「ごめんなさい、せっかくのお誘いですけど今回はソロでいかせてもらいます。ソロだと全能力値が上昇する種族特性もありますし」
「そっか、うん、わかったじゃあまたの機会にお願い」
「ユウさんありがとうございました、また遊びましょう」
「はい、またの機会に……って、ああ!ちょっと待って!渡したいのがあった!」
話が終わるなり武器を構えて敵に突撃しようとしている二人を慌てて呼び止める。
そうだ、朝会った時に意地悪して渡さなかったお土産があったんだった。
「トレード画面開いてくださいこっちから送るので取引欄は空白で大丈夫です」
先ずはニアさんに戦姫の大剣を渡す。
「これは…?」
「戦姫の大剣、アバター装備です、出たはいいけど私が装備できないのでニアさんにあげようと思いまして」
「……有り難いけどこれ装備しても別に何も変わら無いじゃん」
その言葉にクワッと目を剥く
「何言ってるんですか!装備すればわかりますよ!」
「お、おう」
突然の僕の剣幕に気圧されたニアさんだったが素直にアバターを装備した。
「お、おお〜!」
「ね?ステータスは変わらないですけど壮麗な武器とかカッコいい装備、自分のプレイスタイルにあった装備を着けると気分が上がるでしょ?」
「おう!たしかに気分が上がるな!めちゃくちゃ楽しい!」
「そうです!気分とか感情とか結構バカにできない成果を上げるんです!ただ……」
戦姫の大剣を装備したニアさんはより美しく、カッコよくなっているけど武器に対して盾と装備が見劣りしている。
「ニアさんってもうガチャ回しちゃいました?」
「ああ、ログインしてすぐに回したぞ。欲しいのが出なくて全部オークションに回したけど」
「そうですか……」
うん、このままでも十分だけどやるなら徹底的にやってしまおう。
メニューの課金タブを開いて11連ガチャチケットを購入、支払い口座は僕個人の口座ではなく跳弾用にプールしている資金口座に繋ぐ。
とりあえず10枚、それで出なかったらもう10枚。なに、プールしている額からすれば10万も100万もどちらも総額の千分の一以下の額だ気にすることはない。
手早く済ませるために10枚まとめて破る、ガチャリザルトは金と虹の数と虹の中身を確認して銀は即座にオークションに出す。
一回目、金3個虹0個
二回目、金2個虹0個
三回目、金5個虹0個
四回目、金2個虹1個
虹の中身は『女王の衣』
五回目、金0個虹0個
六回目、金3個虹1個
中身は『戦女神の大盾』
七回目、金1個虹0個
八回目、金4個虹0個
九回目、金3銀虹0個
十回目、金6個虹0個
『女王の衣』と『戦女神の大盾』を渡して装備してもらいその間に金を確認する。
うん、めぼしいものはなかった。あと『女王の衣』は女王は女王でも『夜の』女王だったネタ装備だった。
二週目入ります。今度は虹だけを確認する、金はイベントが終わったらゆっくり確認しよう。
百十連ガチャ二回目、虹玉は3個
『死神一式』
『歌姫一式』
『女王の衣』
三週目入ります。
三回目、虹玉は2個
『戦女神一式』
『覇王の鎧』
よし、戦女神一式が出た。早速送る。
おぉ、凄い似合ってる。
上半身はノースリーブの鎧、だけど鎧だからと言ってガチガチに固めているのではなく革などを使って女性的な柔らかさを出している。
下半身はなんというか、そう、ブルマって言うのかな、魅惑的な太腿を晒している。さらに僕の戦姫シリーズと同じように前が開いてるスカートをつけているけどそのスカートが2対の翼になっていて天使のように見える。
「ニアさんこれでいきましょう!とても素敵です!」
「そ、そうかな、変じゃないといいけど」
は、恥じらうニアさん初めて見た……破壊力が凄い。
「(ほら、アポロさん褒めてあげて)」
ぼー、と見惚れていたアポロさんをせっつく
「あ、ああ、ニア、凄く似合ってる。見惚れてた」
「そ、そうか。そうか!うん、流石わたくしですね。なにを着ても似合うのです!」
おっと、素が出てるみたい。黙っておこう。
「それで、アポロにもあるんです」
例のアレを渡す。
「……ニアにはあんなにいいものを、しかも追加で購入した分も渡したのに俺には銀の余り物ですか……」
「いえ、それアバターじゃないです」
アポロさんにアレを鑑定するように促す。
「……え?え?はぁ!?ちょっ、ユウさんこれどこでみつけたんですか?!って言うかいいんですかこんな大層なもの!」
「いいんです、対応するスキルも無いですし、MP最大値が減ると怖いので使えませんし、あとそれ王都の裏雑貨屋で買えましたよ」
「マジっすか、イベントが終わったら行こう」
「これで私が渡したかったものは全部です」
「ユウ、ありがとうな、また遊ぼう!」
「ユウさんありがとうございました。イベントが終わったら次のエリアに挑戦しましょう!」
そう言って二人は戦場に戻っていった。
さて、僕も移動をしようここに居ても敵はやって来ないし。
しばらく弾幕や物理矢をばら撒きながら移動していると他のモンスター達とは風格の違う大柄なオークが現れた。
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オーク・コマンダーlv49
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うん、ほぼ同格帯の相手だね。しかも取り巻き、いや部下を持っている隊長格だ。気を引き締めていこう。
「『アサルトアロー』」
先手必勝、高威力低コストのアーツで前衛を削る。
正直に言おう、僕の魔法防御はそこそこ高いほうだが物理防御は壊滅的なんだ。それこそ今だとウサギ先生の方が防御力が高い気がする。なにが言いたいかと言うと殴られれば死ぬ。
「『ラピッドショット』『バーストアロー』『アサルトアロー』『蒼嵐一陣』」
とにかくアーツで前衛を削る、削る、削る。おっと、
「『チャフアロー』」
あちらの後衛陣が魔法を使いそうになったので妨害する。
これなら片付けられそうだね。
その後も何度か敵部隊と交戦しながらも確実にオークジェネラルのところまで進んでいる。
そこでふと、森の方が騒がしくなっていることに気がつく。
おかしい、あっちのほうはほとんどゴブリンもオークもいなかったはずだ。伏兵として潜んでいた?
とにかく行ってみよう。
そこで僕は、死してなお僕を求めた仇敵と再会する。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
我は走る、かの禍々しくも神々しい極彩色の光の下に。
我は疾る、かつての仇敵、今世の宿命の元に。
森を出て、戦場を目指す。
我が前を邪魔する有象無象を蹴散らし怨敵の元へ。
我が名は『魔狼ーー』かつての孤狼にして復讐者、故に我が敵を討たん。
ーープレイヤー『YŪ』がユニークモンスター【復讐者】『魔狼ーー』とエンカウントしましたーー
ーーこれより特殊隔離領域を展開しますーー
ーーご武運をーー
実は今話のメインはニアさん、ニアさんを着替えさせるためだけに書いた話です。なので最後の◇以下以外は全部蛇足、あってもなくてもいい話です。
設定
前々々話くらいで登場したバウアーさん見て気づいた人もいると思いますけどユニーク称号について割りたいことができたのでユニークを二つに分類分けすることにします。
一つ目は今まで通り効果のないフレーバー的な称号、こちらをイベント称号として独立させます。
二つ目はハイコストハイリターンな強力な効果を持った称号、こちらをユニーク称号とすることにします。
きっかけはかのS.Fの全一とのバトルで超必使うとキャラが自体が変化するっていうアレに憧れたからです。
もう一つ、感想欄である程度言及していた弓聖の設定、背後設定についてですが感想欄では『七栄教に追いやられた少数宗教の英雄達』としていましたが、ユウくんに取得させるつもりなので、そうすると『七栄教の神の化身が七栄教の敵の英雄』と作者が大混乱な状況になるのでこれを『七栄教に吸収された宗教の英雄達を七栄教の守護者として祭り上げたモノ』とします。所謂荒御霊的対処法ですね。