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獣鬼戦線part1

前話までの流れ

イベントのためのメンテを終えログインしたユウくん、予想通りメンテで審判者、そして暴君のナーフをくらい火力を心配するトリガーハッピーちゃん。それでもめげずに健気にイベント開催地まで戻ろうとするが行く手を阻む魔の森、を速度ゴリ押しで強引に突破。そんな事態になった元凶を発見し、ちょっとした意地悪を仕掛ける。その一方で神乃瞳で例の砦を確認すると不気味な『何か』が動いていた。


よろしくお願いします。



うーん、集まってきている半透明な輝く『何か』。

気になるけど現場に到着してからでいいか。神乃瞳を解除して視界を戻す。索敵能力や遠見の性能は格段に上がっているけど、あまり遠くを見ていると自分の周りが見えなくなるのが欠点だな。





はい、現場に到着。今いるのはバリアに囲まれた砦の前に広がる広大な平野、の一歩手前にある平野を一望できる高台。集まってきている『何か』は先ほど見た時よりもより多く、より濃くなっている気がするのでそれがなんなのかわかるまで後方の安全地帯で見守る構えです。チキンや腰抜けということなかれ、開始早々に脱落して楽しむ時間が減るのを防ぐ戦略です。


「それにしてもみんなには見えてないのかな?」

「…ん、何か言ったかい?」


おっと、近くで平野を見ながら作戦を立てていたプレイヤーさんに聞かれていました。まあ、隠すことではないですがね。


「いえ、砦の内部に向かって半透明な何かが集まっていて明らかに不自然なのにみんなは何も言っていないので見えてないのかなーっと」

「……ふむ、ありがとう。この事をみんなに教えてもいいかい?これでもβテスターだから顔は効くんだ」

「いいですよー、むしろ貴方に教えた時点でどうやって他の人に拡散しようか悩んでましたから、黙ってて後からバレると怖いので。あ、フレンド申請してもいいですか?」

「そうだね、一応しておこうか」


よし、フレンド申請を送るっと。


ーーBauerさんが申請を許諾しましたーー


Bauer……この見た目で一般兵を名乗りますか、どう見てもポーンじゃないでしょ、しかも独語、強キャラ感が凄いです。


「じゃあ、また縁があったら」


そう言ってバウアーさんは仲間の元に戻っていった。


うん、上手くいった。アポロさんから習った突発的にプレイヤーと会話になった時の対処法其の三『相手の興味を引いた事を的確に教えて切り抜ける、ついでにできればフレ登録して人脈を広げる。βテスターだとなお良し』








◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



【狩り尽くせ!】獣鬼戦線攻略part18【イベントモンスター!】





572.『一つの太刀』

新情報、なんか砦に向かって半透明な何かが集まってきてるらしい

開幕ブッパがあるかもしれない注意推奨


573.攻略中のプレイヤー

ガセ乙、そんなのどこにも見えねぇだろうがよ


574. 攻略中のプレイヤー

≫573黙れ新参、二つ名持ちが名前晒して出した情報だ、一考の余地どころか重要情報だバカ


575.『一つの太刀』

俺が確認したわけじゃないが確認したプレイヤーは嘘を言っている様子では無かった



843.『教授』

新情報、と思ったが既出の情報だな

572と同様の現象を当方の魔眼持ちが確認している


844.攻略中のプレイヤー

お疲れ様です教授

さて、これで少なくとも何かがある事が確定したな


テメェら死ぬんじゃねえぞ?


845.攻略中のプレイヤー

死亡フラグー!


846.攻略中のプレイヤー

全滅フラグー!!


847.攻略中のプレイヤー

負けフラグー!!!


848.攻略中のプレイヤー

フ・ラ・グー!!!!


849.攻略中のプレイヤー

ブラックー!!!!!


850.攻略中のプレイヤー

なんか混じってるな




◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇






イベント開始まであと3分。砦に張られていたバリアにヒビが入っているように見える。


さて、こちらも準備を始めよう。

『MPポット』を使用してMPを継続的に回復させる。泥の津波の時超えは出来るかな?各属性ディカプルで発動し即座にチャージ、背後に控えさせる。



イベント開始まであと2分。バリアに入っていたヒビが大きくなりプレイヤーの前線付近が慌ただしくなってきた。


待機させつつチャージしている弾幕たちはまだ育ちきっていない、それにもっと数を増やせる。MPはまだまだ十分にあるのだから。



イベント開始まであと1分。ついにヒビがバリア全体に広がり所々バリアが剥離している。崩壊は近い。


弾幕の数はすでに泥の津波の時を超えた、しかしまだチャージが甘い。あと一段階、欲張るならさらに一段階上を目指したい。

僕の待機弾幕を見た人たちが大騒ぎしているけど無視、聴覚ミュートはデフォルトで発動しているのです。だからと言ってそこの人、目の前に立たれると邪魔なんですけど。





イベント開始まで10秒。ヒビは刻一刻と大きくなり剥離するバリアのかけらも大きくなってゆく、あれだけ巨大だったバリアは穴だらけで見る影もない。


残りゼロ秒。そして、遂にバリアが砕け散った。

同時に砦に集まっていた『何か』が平原に移動する。





何かが急に形を変え、色づき、存在感を増して行く。


「たしか、魔法陣?だっけ?多分」


現れたのは巨大でドス黒く禍々しい、けれども緻密で美しさもある魔法陣。

それも一瞬だけで、次の瞬間には魔法陣は砕け散った。

魔法陣が消えた場所にはどこからともなく現れた軍隊が、いや、モンスターたちが集結している。


「なるほど召喚魔法とか言うのかな?だとすると……」


さっきまで見えていたのが魔法を使う予兆だとするのなら……。予定変更、当初は現れるであろう軍勢に満遍なくばら撒くつもりだったけど、この弾幕は軍勢の後方、また半透明なモノをかき集めている集団に打ち込もう。


余ったら砦本体を攻撃してしまおうか、何せクリア条件は砦の攻略、ないしは破壊・・なんだから。


モンスターたちはこれからの戦いに向けて戦意を高めるためかしきりに吠え上げている。


「雄叫びか鬨の声かわからないけどさ、もう戦闘は始まってるよね!」


背後の弾幕の射角を調整して後方を狙い撃ちにできるようにする。


「征け!」


三分間に及ぶ弾幕の増殖、チャージにより5000を優に超える光の津波が敵後方を強襲した。















第一回大型イベント『獣鬼戦線』スタート






手続きしたり、向こうの部屋を探したり、卒業したり、DAXしたりFGOしたりPUBGしたりGE3したりMHWしてたりしたらこんなに遅れました許してつかーさい。


今回出てきた新キャラ『一つの太刀』ことバウアーさん、二つ名の由来はベータ当時初期装備の初心者装備しか使わなかったのにもかかわらずPvP大会にて上位入賞を果たしたから。もっとも、初期装備しか使わなかったのは始めた当初、メチャ下手でしょっ中死に戻って装備の修理代がヤバかったので耐久無限の初心者装備を使っていた。というのが真相。その後3桁単位の死に戻りをする中でこのゲームに適応、PSのやばい剣士にまで成長していきました。が、そこまで成長するまでに使い続けていた初心者装備に愛着が湧きβ終了まで使い続けとあるユニークを発現、そのユニークは正式版にも持ち越し可能だったと言うなんとも主人公な来歴のプレイヤー。実はユウと話していた時も初心者装備だった、見た目はアバターガチャで出た虹玉『蒼剣士一式』ロト装備の頭なしを想像すれば大体そんな感じ。


ちなみに無手無敗の魔拳士と戦ったらお互いに最前線級の装備なら魔拳士、初期装備なら一つの太刀、一つの太刀だけ初心者装備だと互角と言う訳のわからない結果になる。これも全て一つの太刀のユニークが原因。

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