リザルト
受験生の皆さんお疲れ様でした。センターの結果が悪くても気にして引きずったらダメですよ?国公立の二次や私立の前期などが直ぐにあります、気持ちを切り替えて万全の体制で臨みましょう!
それでは宜しくお願いします。
いやいや、なんとか完封勝利出来て良かったよ。
じゃあ、お楽しみの略奪の時間だ。
決闘前に僕の掛けた物は一億と一千万ギル、要求はそれに準ずるもの。
さて、ここで先程ヘルプで確認した事を発表したいと思う。
先ずは決闘での結果は絶対遵守である。これは決闘用の専門AIが付きそのAIが対価などが確実に支払われたかを確認する。だから、アポロさんやニアさん達のようにひどく曖昧なものでも掛け金とすることができる。だって支払われた、つまりギルドが設立されそのギルドに彼等が所属した事を確認するまで監視は続くのだから。
次に賭け金などの支払いは強制である、出し渋ったり反故したりする事は出来ない。
ここでさらに面白い注意書きがあったんだ、それは『対価が足りない場合その者の装備、資産などを対価とし譲渡する』と。基本的に奪われる事なく、耐久値が尽きる以外で失うことのない装備やこの先手に入れることが出来るようになるだろうマイホームなどの所有権すら差し出される。それでも足りなければ……。
さて、彼等は総額一億一千万ギル以上のお金やアイテム、装備を持っているのかな?
では、見てみましょう。
決闘終了と同時に目の前に表示された賞品の受け取りボタンを押す。
ふむ、お金自体は三人合わせて四百万ギルか……アイテムはそこそこ、泥祭りの時みたいにストレージがいっぱいになる事はなかったけどある程度は多いって言うぐらい。そして、
「はぁ!?何がどうなってるんだよ!」
「装備が!俺の装備が!やっと鋼まで行ったのに!」
「なんなんだよ一体!クソ!戻せよ!」
阿鼻叫喚とはこの事を言うのかな?どうやら全ての装備を失ったようだ。
「ねぇアポロさん、彼等の装備って総額でいくらぐらいなのかな?」
「あ、ああ、鋼って言ってたんで今の相場だと……多分一人頭ぎりぎり一千万いってないぐらいだと思う」
うん、全く足りないね!
と言うわけで『借金システム』発動です!
『借金システム』とは、所持金もアイテムも装備すら差し出してなお足りない対価を払う為のシステムです。実際にはお金を借りてはいないので借金では無いのですが…。
正確には今は払えない分を持ち越して、今後手に入れる報酬やアイテム、一定額以上の装備などを強制徴収、借金の返済に充てるシステムになります。一応利息などがない事は温情と言えるかもしれませんが自称攻略組、トッププレイヤーとしては致命傷でしょう、頑張ってくださいねー。
「なんなんだよ!ありえねぇだろ!なんで向け弓使いごときが俺らに勝てるんだよ!チートだ!……そうだ、チートだ!てめぇいい気になってられるのも今のうちだ!通報してやるからな!banされちまえ!『GMコール』!」
ん?GMコール?あー、そういえば運営側での僕の扱いってどうなってるんだろう?
って、うわ!?地面から何かが出てきた?
『コール確認しました、要件は?』
「こいつがチートをしている!早くBANしろ!」
『……貴女ですね?少し失礼します』
どうやらこの土でできた人がGMらしい、あと、多分だけどこの人AIだと思う。なんとなくだけど。
その人が僕の頭に自分の頭(らしきもの?)を寄せて、『ーーーーーー』え?
『確認できました、このお方は一切の不正行為をしていません』
「うそだ!そんなはずはない、ちゃんと調べろよ無能運営!」
『……どうやらこれ以上要件はないようですね、失礼します』
そう言って彼女は帰って行った、んだけどどういう意味だろう『もう少しお待ちください、直ぐに呼んできますので…』って。
「クソ!なんなんだよ不正行為がない?そんなわけないだろ!弓使いが俺に勝てる事自体がチートの証明だろ!『GMコール』!」
『コール確認したよー?なにぃ?』
今度はつむじ風が集まってきて、気がつくとフワフワ浮いている何かが居た、これも別のGMなんだろう。
「こいつがチートをしている!」
『はーい、調べたよー?別に不正行為、禁止事項を破ってる形跡はないね?じゃあバイバーイ』
なんか、軽い人だったなぁ、対応にちょっと問題がありそうだったけど。
「っ!『GMコール』!」
三度『GMコール』をする、無駄だってわかんないかなぁ?まあ、いろんなGMさんを見れるのは楽しいけど。
『俺を呼んだのはお前か?』
今度は体が火で出来た男の人のような者が来た。
『要件は分かっている、この者がチートをしているか否かだろう?ならば答えは出ている、否だ。我らは不正行為を確認していない、外部からの不正な機器の接続を確認出来ていない、また、この者のIDから割り出した使用している筐体は外部の機器と接続できるようには作られていない事を確認した』
まだ、何かあるか?と彼は聞く、もちろんアレは何かを言おうとしているが言葉になっていない。
彼は現れた時と同じように突然消えて行った。
「クソ、『GM『もう、それ以上は要らない』!?」
彼が四度目の『GMコール』をしようとした時に、それを遮って浅井さんがやってきた、なるほど、すぐに呼んでくるって浅井さんをだったのか。
『連続したGMコールと他の管理AI達の報告により来た、運営代表、浅井だ。今回の件については既に把握している。結果はプレイヤーユウに不正はなかった、ただ、プレイヤーアレストロ、君の筐体から接続警告が出ている。身に覚えは?』
「はぁ?わけわかんねぇことぬかしてんじゃねえよ、俺はそいつがチートしてるってわざわざ報告してやってるんだよ!」
『そうか、残念だアレストロ君、初犯のため垢BANこそはしないが一ヶ月のアカウント凍結とさせてもらう』
そういうと、アレを指差してウィンドウをスワイプするような仕草をして…唐突にアレが消えた。
『アカウントの凍結を確認、要件は終了したね』
そういって浅井さんは帰って行った、後でお礼のメールをしておこう。
「さて、アポロさん、ちょっとゴタゴタした問題があったけどこの後は予定通り?」
「そう、ですね、このままだと徹夜コースですけど大丈夫ですか?」
「あ、あーまあいいか、大丈夫デス!」
「全然大丈夫じゃなさそうですね」
「いいじゃないかアポロ、お前もこのぐらいの時なんか…」
「ニア、それ以上言ったらお前のもバラすからな、覚悟しろよ」
「おお、怖い怖い、じゃあユウ行くぞ!」
「おー!」
そして、現在山の中腹に居ます。足場悪すぎじゃないですかね?
「あのーニアさん?ここら辺って大体こんな感じの足場なんですか?」
「いや、場所によりけりだな。もっと下の方に行けば足場も良かっただろ?ただ、人が結構いたしモブの湧きが遅いから競争率が高いし、弱いから楽しくないんだ。逆に上に行くと大きな岩とか砂利が多くて滑りやすいし、凹凸が多くて足場が悪い。さらに敵も強くて湧きが早い……っと早速きたぞ、ここで出る敵はアポロが教えたよな?」
「はい、確かコボルト系とロックゴーレム系、それからバルチャー系の鳥型モンスターですね、遭遇率は上からコボルト、バルチャー、ゴーレム、強さはゴーレム、コボルト、バルチャー、鬱陶しさはバルチャー、コボルト、ゴーレムです」
「よし、よく出来たな」
そう会話していると背後からコボルトが奇襲してきた、もっともバレバレだったから奇襲とは呼ばないんだけど。
「私が足を止めるから撃て『バッシュ』!」
そう言い盾でコボルトを殴るニアさん、いや、もうコボルト瀕死ですよ。まあトドメを刺せってことなんでしょうけど。
「『スルーアロー』」
対象をひとつだけすり抜けて攻撃を当てるアーツ、正直悪用方法しか見当たらないアーツだけどとても便利です。
瀕死のコボルトはあっけなく消滅した。
「それにしてもアポロさんどこに行ったんですかね」
「呼びました?」
「おう、お帰り」
噂をすれば影!突然現れたアポロさんに少しビックリした。
「この先にコボルトの洞窟があります、行きますか?」
「行きます!」
楽しい時間はあっという間に終わってしまう。
「じゃあ、今日はここまでということで」
「「「お疲れ様でしたー」」」
「あ、そのアポロさん!あの、明日も遊べますか?」
「はい、良いですよ、そうですね朝から遊べますか?」
「はい!大丈夫です!」
「では十時ぐらいにギルドホールの二階で集まりましょう」
「はい、あ、ニアさんも大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だぞ、明日は山のもっと奥まで行こうか」
「はい!」
ーログアウトー
借金システムとか悪どいこと考えますね、思いついたやつは人じゃねぇ。
ユウくん絡みでGMコールがされると7割の確率で運営、肉入りのGMが出動します。
運営陣でのユウくんの扱い方
・AI達だと喪われた7柱目の神、その分け身であり主神(浅井さん)からは必要以上に敬ったり干渉することはダメだが遠巻きに観察するぐらいなら良し、とされている。
ユニーククラスに目覚めてしまったサポートAIがいるが彼女はサポートAIから格上げされてイベントキャラとして出番を待っている。
・七栄神以外の運営だとパトロン、今日も飯を食えるのは彼(彼女?)のお陰だとある程度感謝されている。だからと言って贔屓をする訳にはいかないのであくまでも一プレイヤーとして接することを心掛けている。最近とある人が提出した企画が上に通って彼女(彼?)に話を通さなくては行けないので誰が話すのか熾烈な争いが起きている。
・神様達は完全に身内を見守る姿勢、今はイベント前で忙しいので遊びに行けないがイベントが終わったら真っ先に遊びに行こうと決心している。最近お姉ちゃんがユウくんに会う時間が取れない!と発狂寸前になった事件があった。