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大失態

よろしくお願いします。

 





 狼さんたちとの戯れ……失礼、戦闘たわむれは一進一退というか、消耗戦に移行していた。

 負ける気は全くしないのだが、かといって一気に倒せるようなこともない、まさしくじわじわと言う言葉が相応しい地味な戦いだった。


「『パワーショット』」


 四頭の狼さん、仮に狼A〜Dとするが彼らは決して強いわけではない。かつて僕が下した『彼』と比べて、攻撃も防御も速度もなにもかもが劣っている。だけど彼にはなかった巧さがあった。

 今も僕の『パワーショット』を受けた A のカバーに B が入り、追撃の阻止のために C が飛びかかり、後詰めのために D が待機している。

 この巧みさが僕が攻めきれず消耗戦になっている理由だった。だが、それももう終わる。


「『鎧通し』」


 今、 A が沈んだ、ギリギリの均衡を保っていたのが崩れた瞬間でもある。







「終わったぁー」


 長かった、本当に長かった、彼よりも弱いとはいえ人数が、連携があそこまで厄介だとは思わなかった。


「……僕もパーティー組むべきなのかなぁ?」


 僕がパーティーを組んだところを想像してみる。

 あ、ダメだ前衛の人の頭に矢を突き刺す光景が容易に想像できる。それに……。


「そういえば僕、ソロの時にステータスが上がる固有スキル持ってたっけ」


 なら、ソロのままでいいか、そう結論に至った時。



 ーー『fantasista online』運営局よりお知らせしますーー

 ーーただいまを持ちまして第一エリア、エリアボスが討伐されたことをお知らせいたしますーー

 ーーこれにより第二の街が解放されましたーー

 ーー今後エリアボスは弱体化しますーー

 ーー同時に第二陣受け入れ日時を公開し、その前日をメンテナンス日としますーー

 ーーそれでは皆様のさらなる闘争を願っておりますーー


 ………


 ……


 …



 すごいね、もうエリアを解放したんだ。


「まあ、僕は僕のペースで進むんだけどさ」


 とりあえず今は魔力草を見つけよう、狼さん?疲れたから二体以下の時だけね。




 その後順調に魔力草を見つけられた。まあ、見つけたというか片っ端から採取して鑑定を掛けまくっただけとも言う。とにかく魔力草は集まったし、採取している間に狼さんも二頭一組を1つ、三頭一組を1つ、そして彼のように一頭で行動していたのを1つ狩り、依頼の数を達成することができた。


 ちなみに一匹オオカミだった個体は彼のように強くはなく、むしろ四頭で襲い掛かってきた彼等よりも弱かったことを記しておく。







「依頼達成お疲れ様でした」


 完了報告を終えて一息入れる。ギルド会館のホールは死に戻りする人を納めるためにとても広く作ってあり、端っこの方には休憩用の椅子やテーブルがあるのだ。


「色々したし、もういい時間になっていると思うんだけどなぁ」


 メニューを開き時間を確認する。


 ーーPM 1 : 30 ーー


 オヒルヲスギテイル……。

 ちなみに我が家の昼食は基本十二時から十二時半の間に食べる、つまり完全なる遅刻であるのだ……。


「『ログアウト』ォーー!!」


 葛西さん怒ってるだろうなぁ。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 急いで機械を外し部屋を見渡す、葛西さんはいない。

 ああ、みんな食堂で待ってるんだろうな。

 服装を整え出来る限り急いで食堂に向かう。




 食堂にはやはりみんな揃っていた。


「遅れてごめんなさい」


 こうゆう時は素直に謝るのが一番です。


「夕様、たしかにゲームが楽しいのはわかりますが、分別をつけませんと」

「おっしゃる通りです」

「夕様は朝七時からゲームを始めました、連続で五時間もしていたことになります、お若いとはいえお体に気を付けてください」

「はい」

「それで、午後からはどうなさいますか?」

「ゲームの続きを……ひぃ!いえ!気分転換に何か別のことをしたいです!」


 ゲームをしたいと言った時のみんなの目がとても怖かったです。




 今日の午後はみんなの着せ替え人形になってご機嫌とりをしました、最近男性服が落ち着かないようになってきたと言う事実が判明したりしてショックだったり男装服なら大丈夫だったりと大変な一日でした、明日こそは時間を確認してゲームをするんだ。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 どうやら僕の“Princess Cradle”にはタイマー機能が付いているようで、指定した時間に近づくと教えてくれるらしいです。流石『跳弾頭脳』痒いところに手が届く気配り設計です。


 それでは三日目、ログインです。








 今日はマッドゴーレムの討伐とエリアの解放をしましょう。

 どうやらマッドゴーレムの生息地とエリアボスの場所は同じ方向にあると言うことで、ついでに倒せないか試してみたいと思います。


「すみません『マッドゴーレム討伐依頼』を受けます」

「はい、受領いたしました、ご武運を」

「あ、エリアボスってわかりますか?」

「エリアボス?……ああ、街道を塞いでいたモンスターのことですね、それでしたら先ほどのマッドゴーレムの生息地の向こう側にいたと思いますよ」

「ありがとうございます、ちなみにそのモンスターの討伐依頼ってありますか?」

「はい、ございますよ。お受けになりますか?」

「あ、受けられるんですか?だったら受けたいです」

「はい、先日の依頼達成でランクが上がっておりますので受注は可能です」


 へえ、上がってたんだ全く気付かなかった。


「じゃあ受けます」

「はい、では『グラスドッグリーダー討伐依頼』も追加受注ですね。依頼達成報告は次の街でもできますので、この街に戻らなくても大丈夫です」

「ありがとうございました」



 さて、最終調整や補給を済ませたら出発しよう。





 ーーーーーーーーーー


 PN:YŪ

 LV:18

 種族 :混血種(森人族エルフ/獣人族ビースト・狼)

 JOB :弓術士

 SUB :拳闘士


 HP :580

 MP :645


 STR :40

 VIT :16 +5

 AGI :45 +15

 TEC :50 +5

 INT :60

 MND :23

 LUC :16


 残SP:3


 種族固有スキル

 ・大器晩成

 ・魔眼・魔力視

 ・孤狼の誇り

 ・(隠し特性・神製の筐体)


 後天性スキル

 ・弓術lv25

 ・矢弾回収

 ・視力強化lv25

 ・脚力強化lv25

 ・風魔法lv21

 ・火魔法lv21

 ・水魔法lv21

 ・土魔法lv21

 ・弓魔法lv21

 ・蹴撃

 ・魔力増加

 ・鑑定

 ・恐怖耐性


 控えスキル

 ・狂気耐性

 ・勇猛果敢

 ・鼓舞

 ・一念岩穿ち

 ・採取

 ・隠密

 ・奇襲



 装備

 ・武器:初心者の魔導弓

 ・頭:狐のお面

 ・胴:弓兵の軽鎧

 ・腕:弓兵の弓かけ

 ・脚:弓兵の袴

 ・靴:弓兵の臑当

 ・その他1:隠密のタリスマン

 ・その他2:七栄教のクロス

 ・その他3:なし




 称号

 ・一流の弓兵

 ・非情なる審判者

 ・職業に反抗する者

 ・復讐者






 ーーーーーーーーーー






今回探す時間がかからなかった理由

単発呼符でシトナイが出たから。正直、単発呼符星5ピックアップキャラとか都市伝説だと思ってました。


エリア解放したトッププレイヤーはすでにレベルが最初のキャップに到達しています。(レベル50)





設定

・パーティー内FF無効という設定がありますが夕は知りません。


・エリア移動について

プレイヤーはエリアを移動する際にエリアボスを倒さなくてはいけません。

エリアボスは一度倒せばその後はプレイヤーの任意でスルーすることができます。

エリアボスは初討伐されると弱体化します。

エリアボスは挑戦するパーティーの人数によってHPやステータスが変動します。

エリアボスと戦う際には特別なエリアが生成され、他パーティーとは隔離されます。




裏設定

ボス初討伐報酬

・ボスを初討伐したパーティーには特別な報酬が用意されている。レア武器だったり強力な使い捨てアイテムだったりするがハズレはない。


なお、初討伐とは別に『ソロ討伐報酬』なるものもあるとかないとか。


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