かみさまのお部屋
よろしくお願いします。
よし、落ち着け、素数を数えるんだ、1,2,3,5,7,9…あれ?9って素数だったっけ。
まあいいや、とりあえず僕のレベルはいい、あれだけ倒せば一つや二つ上がっていてもおかしくは無い。だけどスキルレベルのほう、お前はどういうことだ、軒並み二十を越えているじゃないか。一つの戦闘で8つも上がるのはおかしくないか?
「『GMコール』」
とりあえず不具合じゃないか確認しよう、他にも言いたいことがあるし。
そして、突然真っ白な世界に拉致られた。
「は?」
「夕くんいらっしゃい」
いや、待ってさっきまで普通に街中にいたよね、なんでいきなり真っ白な世界にいるの?まさかGMコールの度にみんなここに来てるの?
「夕くん?聞いてる?もーしもーし?」
そんなことはないはず、いや、『跳弾頭脳《あの人たち》』ならやりかねないから怖い。
「むぅー……わ!!」
「ぅわ?!アリスさん!?」
「やっと気付いた、うん、アリスお姉ちゃんだよー」
「えっと、ごめんなさい、もしかして最初から呼びかけてました?」
「うん、ずっと何か考えていて気付いてくれなかった」
「ごめんなさい」
「いいよ、それより座ってお話ししよう、何かあったんだよね」
いつのまにか真っ白な世界に洒落たテーブルとイスが置いてあった。
ちなみにアリスさん、初対面の時はクールでカッコいい人だと思っていたんだけど、何回もあっているうちにいつのまにかウチのメイド達と同じような感じになってしまった。つまり自称僕のお姉ちゃんだ。
「さて、アリスさん、いえ、アリシアル様?誰が『名無し』ですか、僕のこと勝手に使ったでしょ」
「あ、いや、その……ね?」
「アリスお姉ちゃんならちゃんと言ってくれるよね?」
「う゛、勝手に使ってごめんなさい夕くん」
「はい、許します、いきなりでびっくりしたけど別に嫌というわけではないですし、ちゃんと言ってくれればよかったのに」
「その、ゲームをしていたらいきなり自分が登場したらびっくりするかなぁーってみんな盛り上がっちゃって」
「もう、次は気をつけてくださいね?」
「はい」
さて、神様化のことはこれでよし、あとはステータスのことかな?あ、GMコールの度にここに連れて来られるのか聞かなくちゃ。
「うん、みんなに伝えたよ、そしたら『ごめん』だって」
「わかりました、それでGMコールの度にここに連れて来られるんですか?」
「いいえ、今回だけだよ?夕くんが望めばまた来ることもできるけど、そういうわけじゃないでしょう?」
良かった、流石に毎回は辛い。
「それで本題なんですけど僕のステータスおかしくないですか?」
「ん?低すぎるってことかな?だとしたら流石に夕くんの頼みでも優遇してあげることはできないよ」
「いえ、スキルレベルが上がりすぎているって事です」
アリスさんに僕のステータスを見せる。
「うん、たしかに夕くん自身のレベルと比べて高くなってるね、少し調べるから待っていて」
そういうなり複数のウィンドウを開くと凄まじい勢いで何かを始めた。
ちょっと暇だしSPでも振り分けておこう
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PN:YŪ
LV:17
種族 :混血種(森人族/獣人族・狼)
JOB :弓術士
SUB :拳闘士
HP :570
MP :630
STR : 40
VIT : 16 +5
AGI : 45 +15
TEC : 50 +5
INT : 60
MND : 23
LUC : 16
残SP:0
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少し迷ったけどINTを伸ばすことに決めた。あと僅かばかりのMNDも、次はTECを上げようと思う。
え?VIT?……あいつなら死んでしまったよ。惜しい奴を亡くしたものだ、まあ冗談なんだけどね?
近接戦闘をするようになって必要になったんだけど、正直言ってそこまで上げようとは思わない。装備で後付けできるし、タンクをしたいわけじゃないからSPがあまって振り分けるのに困ったら上げようぐらいに考えている。
「夕くん、結果出たよ」
お、アリスさんの調べ物も終わったようだ。
「先ず結果からだけど、おかしいところはなかったよ、バグや計算式の不具合も無かったから今のレベルが正しい夕くんのスキルレベルだよ」
「えぇー」
「それで夕くん、ゲームを始めてから今までどんなことをしたのか教えてもらえるかな?」
「いいですけど、全行動を記録しているんじゃないですか」
「そっちはね、よっぽどのことがない限り私たちも閲覧できないようになっているんだ」
「なるほど、で、僕の今までした事ですけど……」
………
……
…
「あぁーなるほどそうきたか」
「何かわかりましたか?」
「うん、と言っても原因は『教会依頼』で間違い無いんだよ。ただね、このクエスト『パーティー推奨クエスト』なんだよね、いや、だからこそと言えるけど」
「えーと、どういうことですか?」
「うん、つまりこのクエストは複数人が協力することが前提で作られたクエストなんだ。だから敵の数が異様に多い、経験値も本来ならパーティーで分配されるから問題は起きなかったはずなんだけど、夕くんの場合はそのパーティーで分配される経験値を一人占めできちゃったから今回の大幅レベルアップに繋がったんだ」
「そうですか……」
「だけど夕くんの所持している称号、称号統合はもっと後になると予想していたんだけどね、今回で少し修正が入るかもしれないから覚えておいて」
「まあ、そうですよね強すぎますし」
「うん、詳しいことはみんなと話し合って決めるけど流石にコンボ数で『無制限に』威力が上がり続けるのは見過ごせないからね」
「ちょっと待ってください、あの称号『無制限』に上がり続けてたんですか?」
「話を聞く限りその可能性が高いかな?詳しく調べてるけど高確率で強化上限が加わると思う」
「そうですか」
「そうなんです、ほかに聞きたいこととかある?」
「いえ、今回はこれくらいです」
「そう、じゃあまたね、こっちもある程度落ち着いたら息抜きに遊びに行くから」
「はい、待ってます」
拉致される時も突然だったけど、戻される時も突然なんだね、いきなり戻されたからびっくりした。他の人とぶつかるかもしれないじゃ無いかとも思ったけれど、どうやら路地裏に戻されたようで人とぶつかる心配はなさそうだった。
「さて、依頼を達成してこようか」
先ずは行き慣れた森から行こう、荒野の方にはひとがたくさんいそうな気がするから。
というわけでやってきました森、今更ながらこの森『新緑の森』というらしい。
「先ずは狼さんを探しましょう」
探すこと数分、発見しました。
「とりあえず先手必勝」
『チャージショット』を打ち込む、怯む狼さんとその背後から現れる三頭の新しい狼さん。
えーと、チェンジお願いしていいですか?あ、ダメですか、そうですか……。
主人公が何をしたのか
一般人「タンクで戦線維持しながらザコを後方火力職でちまちま削り、ボスは前衛火力職で倒そう」
主人公「出入り口に陣取って攻撃方向を一方向に限定して遠距離攻撃で一方的に攻撃し続けよう(なお、僕の攻撃力は攻撃がヒットする度に上昇していく)」
マジ、オニチクデス
※オニチク : 鬼みたいな畜生という意味