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犬を狩ろう 2

よろしくお願いします。

 


 行動を開始するといっても別段特別なことをするわけでは無い。僕の所持しているスキルの中で最もレベルがたかいのは弓術、視力強化、脚力強化のレベル8だが、未だアーツは習得出来ていない。


 つまり、現状では通常攻撃しかできないのだが、ここで手札を増強しよう、弓魔法だ。これは各属性魔法を矢に変える魔法だ。そして僕の所持している属性魔法は火、水、風、土の四つ。まだ使ったことがないからどれだけMPを使うか判らない。一応、MPポーションは持ってるけど多用はできないと考えよう。


 先ほどの戦闘で使用した矢は既に消えてしまったから、使える矢はまだショートカットに残っている40本弱、心許ないどころの話ではないけど……。


 覚悟はできた、これで負けてしまったら、今度はちゃんと矢を買って、レベルを上げて、アーツを覚えてからリベンジに来よう。さあ、戦闘開始だ!


 ……あ、よく考えたらレベル上げのためにここに来てたんだっけ?ま、それはその時に考えよう。














 敵、グラスドッグはまだ僕に気づいてはいない。いや、正確には『いる事は分かっていてもどこにいるのかが掴めていない』んだと思う。事実、彼らはここに来てから仲間の斃れた場所でしきりにあたりを見渡すような、なにかを探しているような仕草をしている。


 ならばこの状況をなるべく生かそう。


 僕は彼らがなるべく一直線上に並ぶ位置に来た。ここまで来る途中で何度かヒヤリとする場面はあったが、幸いにもまだ気づかれてはいない。

 初撃は必ず当てる、その気持ちで矢をつがえ引き絞る。まだ、撃たない、撃つのは彼らが気を緩めたとき、しきりにあたりを見渡す動作が途切れ、視界から完全に僕が消えた瞬間。


 そして、ついにその時が来た。今の今まであたりを警戒していた彼らがいつまで経っても見つからない敵を諦め、帰ろうと背中を向けた、その瞬間、僕は矢を放つ、命中、続けて二射目。


「弓魔法『火』!」

「ギャンッ!?」


 どれだけの威力になるか判らなかったけど、これはいいかもしれない、少なくとも鉄矢を背後から食らった時よりも反応は大きかった。


「弓魔法『火』!」


 再び弓魔法を使う、僅かだった勝機がハッキリと見えた様な気がした。













「勝ったぁ 」


 厳しい戦いだった。僕のMPはもうほとんどない、MPポーションだってあと一つだ。矢も殆ど使い果たしてしまったし、HPも半分を何度も下回ったけど、僕が勝ち残った。後は矢を回収して……。


『矢を回収』して……?


「しまっ…!」


 慌ててその場から逃げようとしたが、少し遅かった様だ。


 いつのまにか近づいて来たのか、背後から攻撃を食らった。


「……きみ、犬じゃないよね 」


 彼は先ほどまで戦っていたグラスドッグの様に薄緑がかった体毛ではなく、真っ黒の体毛だった。

 彼には、犬の様な行儀のいい歯ではなく、敵をかみ殺すための牙が生えていた。

 そして、何よりも彼は大きかった。それこそグラスドッグの倍近く。


「正直、勝てる気しないけど、限界まで足掻くよ 」


 先ずは矢の回収から、矢のない弓術士なんてチーズのないピザみたいなものだからね。


「さあ、第2ラウンドだ!」















「まあ、こうなるよな」


 現在、既にHPポーション、MPポーション共に使い果たし、ギリギリ残っていた矢も尽きた、残存体力も一割を切っている、そして彼は、


 依然としてその体躯に傷一つ負う事なく迫って来ていた。


 いや、言い訳させてほしい、僕もかなり頑張ったんだ。弓魔法と物理矢を組み合わせる事で連射できることに気付いたり、火系統の矢をわざと地面に当てて目くらましにしたりと努力したんだよ。けど一向に当たらないんだ。なんというか『放たれた矢を見てから避けている』様なんだよね。これはあれだ、シンプルにレベルが足りて無いんだと思う、何気に僕まだレベル1のままだし、仕方ないと言えば仕方ないけどなぁ。


「あぁ、悔しいな、絶対リベンジしてやる」


 彼が噛み付こうとしているのがわかった、が、ただでやられはしない、手に握った最後の矢で抵抗する。前に突き出しただけだけどね。


 彼が矢ごと僕の腕を噛み砕き、そして僕のHPが全損した。














「ああ、死に戻りっていうんだっけ?」


 気がつくと僕はギルド会館のホールに立っていた、さて、なんのアイテムがロストしたか確かめないと。

 ストレージから消えているのは……うん、犬の素材がいくつかだね、それともう一つ面白いものを見つけた。


『 鉄の矢×1 』


 うん、どうやら最後に持っていた矢が回収されたようだ。僕は腕ごと噛み砕かれてロストしたものだと思っていたのだけれど、何故残っているのかな。確かめたいけど、その前にやりたいことがある、今回の戦闘で僕に足りないものがわかった。接近された時の対応力だ。彼に接近された時にも何度か反撃できそうな機会はあった、そこを上手く使えなかったのは一重に僕の対応力不足だ。


 これからの予定は、先ずは消耗した物資の補給。

 近接戦闘をウサギを中心に練習。

 それに伴ったレベル上げ。

 そして、彼へのリベンジ。

 やることは決まったけど一旦休憩、おやつを食べてからもう一度戻ってこよう。今日のおやつは何かな?楽しみだな♪







久しぶりに戻ってきたら感想がすっごい書かれててびっくりした、返信は少し待ってください、一応一通り読んでみたけど、参考にするのもあればガン無視決め込むのもあるのでご了承くださいませ、種族の選択とか私の趣味だしやりたい様にやって私が楽しいんだからいいじゃん、もともと私の暇つぶしに書き始めたものなんだし、優先度は私が楽しいかどうか、読者が楽しく感じられるかは二の次なのでそれが嫌なら離れてもらって結構です、それで私が困ることは……裏設定のネタギレが早くなることかな?





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