彼女のジェラシー。この興味が後々の私たちの物語につながる。
――一条くんにフラれた。
彼は男の子が好きなんだって。知らなかった。皆は知っていたに違いない。私が大嫌いなあいつも知っていたのだろう。私はあいつが嫌いだ。
でも、この案件のせいで一条くんのことがもう分からないよ。
本当は一条くんのことも嫌いになりたいよ。私のこころに大きな空き地が出来たのは君のせいだ。優しさも全部ウソなら良かったのに。好きなのに、こんなにも、私。一条くんが好きだった。
大好きだって言ってよ。本当は私のことが好きなんでしょ。あんな女のコよりも私が好きだって言ってよ。君になら傷つけられたって構わない。
私は、何物にも代え難い愛がほしい。
やっぱり一条くんが好きだよ。好きだ。大好き、私と付き合ってよ、ねえ。ねえ、今ならまだ間に合うよ。私達、ずっとずっとそばにいたんだもん。心くらい繋がっててほしいよ。
君の好きな人が、私に変わる魔法が欲しい。
私だったらどんなによかったのだろうか。
一条くんが好きになるくらい魅力的な人って、男の子限定なのだろうか。そんなことさえも分からないって。私って何なんだろう。
――――そもそも一条くんが好きな人って、一体誰なんだろう。




