第零章、始まりは夢と共に
みなさん、こんにちは!星屑で~す。初めて挑戦する一次創作。大分不安ですが、頑張って面白くしていこうと思います。
それでは、現実と異世界が入り混じる天才青年の戦いを、どうぞ楽しんでください!
「オオオオオオッ!!」
刃が閃き、命が散る。血飛沫を上げながら、今の今まで生きていたやつが、死んでいく。
だが、俺はそれを悲しんだりはしない。なぜなら、ソイツらを殺したのは、俺なのだから。
「ハアッ!」
また、死んでいく。俺の持つ濃紺の金属を振るう度に、人がまた一人また一人と、死んでいく。
だが、俺はそれに興味を示さない。なぜなら、ソイツらも、俺の仲間を同じような目に合わせたからだ。慈悲?そんな感情は、俺は持ち合わせていない。ただ、ヤツらを殺す。一人残さず、地の果てまで追い詰めて、全滅するまで俺は人を殺し続ける。
罪?犯罪者?違う。これは正義だ。この世界では、ヤツらを殺せば殺すほど、俺は正義になれる。なぜなら、これは復讐だからだ。俺の仲間を殺した、コイツらへの。
「オオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!」
必ず、貴様らは、俺の手で殺す。誰一人逃がさない。女子供も全て、ヤツらと同じ人種ならば、全てだ。
「はっ!?」
息苦しさを感じ、俺は飛び起きた。体が重い。いや、俺がいることによってこの部屋の重力でさえも重くなっている気がした。
「夢…夢、だよな?」
二回も己に問うたのは、その夢が、あまりにもリアルすぎたからだ。その夢の中での自分の行動、感情。その全てが、今の自分のもののようで、恐ろしい。身の毛がよだつとは、正にこのことだろう。
「5時……」
起きるにしては、まだ少し早い時間だ。
だが、どうしても今の俺は寝ようという気が起きなかった。
「……あれが、未来の俺なのか?」
汗だくになっていることも忘れ、俺は呟いた。
「あの感情が、俺のものなのか?」
そう考えると、全てが恐ろしい。
なにが切っ掛けで、俺がああなってしまうのか分からないのだ。
「俺は一体……何者なんだ…!?」
夢の中で、俺が立っていた世界は地球ではない。よく分かっている。そして、俺が身につけていた服も、そして、俺が握っていた剣も正体は分かっている。
「だが、あれは全て、ゲーム内のはずだ。なんで、ゲームで、俺はあんな感情になるのか?しかも、仲間が殺されたと、俺は心の中で叫んでいた。ゲームで、人が死ぬはずがない……」
このことを考えるたびに、俺は頭がおかしくなっていく。
これは、あの事件が起こる、少し前の朝だった。
――to be continued――