表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/12

公園で

「ここで引いちゃダメだ!」


マイケルは厳しい顔つきで、涙目のマーロンに耳打ちする。


「でも……」


マーロンは再び眼下を確かめる。


春の空はまだ青というより淡い水色だ。

しかし、強まる日差しを浴びた銀色の滑り台の坂は、まるで父親の引き出しに仕舞われたナイフの刃の様に鋭く光っている。


つい二日前、父親の留守にこっそりそのナイフを取り出して眺めていたところを見咎められ、二人ともベルトで尻を引っ叩かれた。


「このチビどもめ!」


常日頃はこの幼い双子が母親とお休みのキスを交わす時でさえ目もくれないのに、

そんな風に殴る時だけは父親は二人を固く捉えて放さない。


「あいつの腹から出てきて二人分食い扶持を増やしたかと思えば、揃って悪さばかりしやがる!」


熱した銅さながら赤黒くなった父親の形相と焼け付く様な痛みを思い出して、

マーロンは尻から背筋に震えが駆け上がるのを感じた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ