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第5話 群雄割拠
大陸を統一したランカシャーによる皇帝即位の式典は、反逆者を殺戮する、という血塗られたものになった。
皇帝即位の式典に集まった諸侯や貴族、軍人、富裕階級の市民たちは、若き皇帝と帝国の未来に戦々恐々とした気持ちで帰途に着いた。
翌日、皇帝ランカシャーは死んだ。
ランカシャーの側近であり、将軍であるアルケニスによって暗殺されたのだ。ランカシャーは愛妃レンと寝室で愛欲にふけっているところをアルケニス率いる近衛兵たちに襲われ、その愛妃ともども斬り殺され、首を落とされた。そして、皇帝と愛妃の首は宮殿テラスに晒されたのだった。
大陸を統一したランカシャーの皇帝在位期間は、わずか2日にも満たなかった。
アルケニスが皇帝を暗殺した理由は、軍師ミリアスが用済みとばかりにランカシャーに殺されたことで、自身の地位や将来に不安を感じたからだった。その後、アルケニスが皇帝即位をほのめかすと、大陸中の諸侯たちが猛反発。諸侯たちは大陸各地で群雄割拠するに至り、大陸は再び戦乱の時代へと突入したのだった。