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第10話 亡国の王一族
皇帝即位の式典において処刑劇を繰り広げた皇帝ランカシャー。宮殿広場における惨劇は、4人の亡国の王一族ばかりでなく、皇帝の命令を批判して殺された遺族たちの激しい恨みを買うことになった。
皇帝即位から5日後、ランカシャーは死んだ。暗殺されたのだ。
宮殿の庭で愛妃レンと戯れているところを、どこからともなく飛んできた毒矢によって射殺されたのだった。
ランカシャーが矢で射られた直後、すぐに将軍アルケニスが暗殺者を追尾して捕らえた。
暗殺者は、亡国の王一族によって雇われたことが判明した。主を殺され、その首を宮殿にさらされたことに恨みを抱いた亡国の王一族が、暗殺者を皇帝に差し向けたのである。
激怒したアルケニスは、亡き皇帝の仇をとるために亡国の王一族を捕らえ処刑した。
皇帝の死を知った大陸の諸侯たちは、野心の炎を再燃させ、大陸各地で独立。群雄割拠した大陸は、再び戦乱の時代に突入したのだった。




