悪夢の始まり
新作公開です。
ちょっと恐がりだけど、スパダリな主人公と、血塗れヒロインのお話です。
毎晩21時更新予定ですが、本日は一気に三話。
明日は二話連続更新となります。
闇を切り裂くように雷鳴が轟いている。
この場所はかつて、国内でも有数な資金力を誇って貴族の中で頭角を現していた有名貴族、ヴァナディース公爵邸だ。ただし、この屋敷には既に住む人はおらず、廃墟と化している。豪奢な建物と庭園は見る影もなく荒れ果て、いつしか悪霊の出る幽霊屋敷と呼ばれるようになっていた。
何故そんな事になっているのかと言えば、数十年前、この屋敷に住んでいたヴァナディース公爵一家が皆殺しにされたからである。
それはあまりにも惨たらしい、凄惨極まりない殺人現場だったという。何しろ、屋敷に住んでいたものは誰一人例外なく殺されてしまったからだ。公爵本人とその妻はもちろんのこと、長男ユングヴィに長女フレイヤ、そして住み込みで働いていたメイドや執事…果てには飼育していた馬や家畜に至るまで全てである。
それら全ての遺体が一太刀の下に惨殺されていた。以来、数十年…犯人は未だ捕まっておらず、事件は迷宮入りしたままだ。
どんよりとした雨雲が屋敷の上に漂い、稲光が屋敷を照らす。そして、一際大きな雷が落ちた瞬間、廃墟と化した屋敷の中で産声……ならぬ悲鳴が響き渡った。それは本来、誰にも聞こえるはずの無い死者の嘆きであり、断末魔の叫びである。
「きゃあああああああああっっっ!」
「うぎゃあああああっ!でっ!でっ、出たあああああっ!?」
この場所で、一体何が起こっているのだろうか?
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