表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
88/93

87.敵と味方

☆☆☆


「この模様、どこかで......?」


そのやけど跡は、なぜか見覚えがあった。それはまるで、龍の紋様のような。知らないはずなのに、見たことないはずなのに。心の中で、何かがざわめいていた。


2人に手を伸ばすと、なぜかそのやけど跡が赤くなった。


「「っ、あああ!」」


「え、あっ」


俺はすぐに手を引っ込める。すると、やけど跡は元のように黒くなった。


「ふん...やはりな」


魔王側近ことブールは、不敵な笑みを浮かべた。


「貴様はあのイグニという男でも、フリートという龍でもないのだったな。だが、その本質は変わらないようだ。」


「いったい、何を...?」


「わからないか?」


ブールはにやりと笑っていった。


「俺とお前は同類、いや同胞なのだよ。」


☆☆☆


「俺とお前が、同胞だと...!?嘘をつけ!俺とお前は違う!お前は魔物を使役し、悪行をなす。俺は...俺のもとになったイグニは、家族のために正義をなした!どこが一緒だと!?」


俺は声を張り上げる。


「一緒だよ、どちらも規格外の化け物だろう?お前は一度も思わなかったのか?なぜお前だけが、我ら魔王軍に真っ向から対峙できたのかと。元勇者でさえ、全く歯が立たなかったのに。」


「それは...」


「簡単な話だ。私もお前も、この世界の住人ではない。別世界から来訪した、魔族なのだ。」


「ま、魔族...?」


唐突な展開に、脳が追いついていかない。


「人間たちが使う魔法と、我々が使う魔術は違う。単純な攻撃ではなく、一種の呪いとしても機能する。そこでくたばってる奴らのように、その魔術を持つものが近づくと、発動するような呪いにもなるのだ。」


「...!」


先ほどの出来事を思い出す。俺が近づくと、あの紋章は光った。それは、俺が...俺の中の龍が、奴の言う魔術をもつことを、いやというほど示していた。


「わかったようだな。しかも、お前はそれだけではない。どうも、さらに別世界から来た魂まで混じっているようだ。」


イグニのことすら見透かされていた。


「いい加減分かっただろ、私とお前は同じものなのだ。...どうだ、手を組まないか?」


「...なんだと?」


「私とお前は同じ、この世界になじむことができない化け物だ。なら、そんな世界は不要だと思わないか?この世界を滅ぼし、我々のようなものが過ごしやすい世界を作るのだ。悪い話ではあるまい?」


笑ながらそういうブール。俺の怒りは頂点に達し、気が付けば奴に突進していた。


「おっと危ない...なぜ拒む?」


「当たり前だ。俺は確かに、もはやイグニでもフリートでもない。お前の言うとおり、お前と同じ化け物なんだろうよ。」


「なら...」


「それでも」


俺は自分に言い聞かせるように、声を大にして言った。


「俺は、イグニの信念を貫き通す。命を懸けて家族を守る。そして、フリートから受け継いだ力は、もう誰かを泣かすために使ったりしない。世界征服なんかのためにつかってたまるか!!」


そういて、俺はブールを睨みつけるのだった。


☆☆☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ