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79.全力で挑んだ結果

☆☆☆


「ほう、それがお前の本当の力か。なるほど、先ほどまでとは比べ物にならないな。これではほかの四天王がやられたのも、わからないでもない。」


アブソーがくっくっくと笑い、にやりとする。


「しかし、その程度か。やはり俺の敵ではない。俺にダメージを与えることはおろか、バリアを破ることさえできないだろうな。」


「―!!」


俺は赴くままにアブソーへと突進し、吹き飛ばす勢いでぶん殴る。


...だが俺の攻撃は、敵の宣言通りに、バリアによってはじかれた。俺が出せる最大火力だというのに、これでも足りないというのか...!?


「―ぐああああっっ!!」


まだだ...一発では無理でも、何度も打ち込めば破れるかもしれない!そう思って、何度も何度も、繰り返し繰り返し殴り続けた。


しかし、アブソーのバリアは傷一つとしてつかなかった。何度殴り続けたかわからないほど殴り続けたというのに。


「ふはははは!!やはりだめだな!どれだけ力があろうと所詮は人間!俺のバリアの前では手も足も出まい!はっ!!」


「がはっ...!!」


アブソーは高笑いし、俺を魔法で吹き飛ばす。俺は翼を展開し、空中で勢いを殺して静止した。


「ふーっ、ふーっ......」


呼吸を整え、気持ちを落ち着かせる。冷静になれば、まだある程度体を制御できるようだ。


「くそ...なんで破れない...?同時攻撃でもない、高火力攻撃でも通用しない...あのバリアの性質はいったい...」


「無駄無駄。いくら考えたところで、お前には破れねえよ。潔くここで散れ、化け物め。」


「お前ら魔物に化け物言われちゃおしまいだよ」


強がりながらそう返す。実際のところ、使える手札がもうないのが現状だ。今の俺に出せる力のMAXでも破ることができないのだから。


いっそこのままやられて、またあいつが出てくることにかけるか?いや、あいつでもこれが破れるかどうか...


そんなことを考えていると、こころのなかで声がした。


『言っておくが、俺でもあれは無理だ。俺の考えが正しければ、あれは俺やお前で破れるものじゃない。』


「けっ、そうかよ...だとしても、ここで諦めるわけにもいかねえ。2人がケガしてんだ、ぶっ飛ばさないと気が済まない...!!」


『そうか。』


「ああ...ん?待てよ、俺の考え方が正しければって...お前、あれの正体がわかるのか?」


『おおよそ見当はついてる。そして、あれを破る案も...ないわけでは、ない。』


「なっ...ならそれを最初に!」


『言わなかったのは、そんな簡単な話ではないからだ。うまい話には裏があるように、この作戦には相応の...お前に対するデメリットが存在する。それでもやるというなら、話すが。』


「やる、方法を教えろ」


俺は即答する。


『即答か...本当にいいのか?お前にとっては相当の...』


「もとより、既に潰えた命だ。俺はあっちの世界で死んでるんだからな。この命は、神とやらが償いのために与えたものだろうよ。こいつを倒して、魔王を倒して、そのあとに死ぬなら、本望だ。」


『...お前というやつは。』


俺の中の龍は、深くため息をついた。こいつが言いたいことはわかる。俺が死ねば、悲しむ人は一定数いるだろう。だが、おびえて生きるより、一瞬でも輝いて死んだ方が、ずっと俺らしい。


「トロッコ問題ってあるだろ?俺は常思ってたのさ、もう一つ選択肢があるだろうと。”分岐を切り替えるんじゃなく、自分の命を賭してトロッコを止める”っていう選択肢がさ。きっと、今がその時だ。」


そのデメリットが俺の命にかかわることかどうかわからない。けれど、こいつの反応からして、大きく外れてもないだろう。それで世界が救われる可能性があるなら、十分やる価値はある。


俺はこいつの作戦にかけることに―


「おい!さっきからなに独り言言ってんだ!さっさと...!」


「うっせえ黙れ!取り込み中じゃこら!!」


「アッハイ...」


...こほん。改めて、俺はこいつの作戦に乗ることにしたのだった。


☆☆☆

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