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67.肉を切らせて骨を断て

☆☆☆


「い、一体なにが...?」


全身の痛みに耐えながら何とか立ち上がった俺は、困惑の表情を浮かべる。奴は確かにバリアを張っていて、俺はそれが割れた直後に攻撃をあてに行った。普通、その状態では攻撃を受け止めることはできない。


それは、つまり。


「くっそ...さっきのはのは全部ブラフか...!!」


俺が敵を睨みつけると、敵は不敵な笑みを浮かべた。


「気づくのが遅かったな。お前は俺を間抜けか何かと思って、考えなしに行動しているように思っていた。そうだろう?」


「っ...」


「自身の弱点を一度で気づけないもほ、俺はバカじゃないさ。そうでなければ、四天王なんて勤まるはずがないだろう?」


「ふっ...そう、だな。四天王も魔王もお間抜け集団だと思ってたから、勘違いしちまったぜ。」


皮肉交じりにそういうと、敵は俺に高速で近づいて、蹴りを入れてきた。何とか防いだものの、勢いまでは殺しきれず、壁にまで飛ばされて打ち付けられる。


「うぐっ...!」


立ち上がろうとするが、その前に敵が首をつかんで持ち上げてきた。


「魔王様にたてつこうとする愚か者が。お前のその力があれば、魔王軍幹部くらいにはなれただろうに。」


「へ...そんなの、興味...ないね!」


身嵐で敵の手を振りほどき、距離をとる。まだ戦うことはできそうだが、不利な状況には変わりはない。


ちらりとシエルさん鬼様子をうかがうと、心配そうな目で俺を見ていた。俺は優しく微笑みながら目配せをして、再度敵に向き直る。


さて、どうしたものか。やつの異常なまでの回復力が厄介だ。いくらダメージを与えたところで、与えたそばから回復されたのでは、意味がない。あのからくりがわからないと、絶対勝てないだろう。


まったく、四天王はどいつもこいつも面倒な奴らばかりだな。だからこそ魔王軍のなかでも突飛なのだろうが...。


「ふん、万策尽きたか?そちらから来ないなら、こちらから行くぞ。」


そういって、敵が突っ込んでくる。とりあえず防御の姿勢をとるが、どの方向からどんな攻撃が飛んでくるのかわからない以上、対処のしようがない。それがわかったうえで、なおかつ防御の姿勢をとっているのは、悪あがきでしかなかった。


敵が目の前から消える...その瞬間、腹部に激痛が走る。敵の拳が、俺の腹にめり込んでいた。意識が飛びかけ、そのまま倒れてしまいそうなほどの攻撃。...だが


「っっっっ!!!」


そのまま敵の腕をつかみ、ある方向へぶん投げる。


「ふん、無駄なあがきを...」


俺が投げた先には、ある人物がいた。その人物に向け、声を振り絞って叫ぶ。


「シエルさんっ!!!」


「そう来ると、思ったよ!」


シエルさんはこれまで以上に大きな氷の弾を生成し、敵めがけて放った。


「んな、まっ...!?」


氷の弾は勢いよく、敵に激突するのだった。


☆☆☆

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