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65.油断は禁物

☆☆☆


「う、ぐっ…このやろう!」


敵は怒りながら、雷撃を飛ばしてくる。だが、その怒りが邪魔をして、コントロールを鈍らせ、避けずともひとつも当たらなかった。


「そら、もう1発!」


そうしている間にまた氷の弾を蹴り、またまた敵にクリーンヒット。敵はブルブルと震え出した。


「ぐぐぐ…があぁぁぁぉっ!!」


敵は怒り狂い、今度は帯電しながら突進してきた。当たったらひとたまりもない…が、当たらなければ無意味だ。実際、攻撃は直線的なので、簡単に避けることが出来ている。


「これなら、龍神化しなくても何とかなりそうだ!シエルさん、引き続き氷の弾を頼む!」


「了解!」


俺とシエルさんは、その後も氷の弾を作り出して蹴り飛ばし、敵にぶち当てていく。敵を徐々に追い詰め、相手の動きが鈍くなってきていた。


…だが。


「っ、調子に…乗るなぁっ!!」


「んなっ…!?」


敵は自分の周りにバリアのようなものを張って、俺たちの攻撃を防ぎ出した。ここからが本領発揮か。もうなりふり構っていられなくなったらしい。


「くそ、さすがにそう上手くは行かないか…」


「そういうことだ。これでお前らのちっぽけな攻撃など、一切効かんぞ!」


「くそ、よわったなこりゃ...」


「どうにかして、あのバリアを無効化しないと...」


そう言って、バリアを注意深く観察する。強く練られた魔力によって作られており、敵を囲むように球体上に拡がっている。やつの言う通り、並大抵の攻撃では相手にダメージを与えることができないだろう。


けれど、こういうものは消して万能ではないはずだ。どこかしらにほころびが...。


「「...ん?」」


バリアを観察した結果、ある違和感に気づく。シエルさんも気づいているようだ。俺とシエルさんはお互い顔を見合わせて、にやりと笑って構えを解いた。


「ほらほらどうした!?アッハハハハ!所詮は人間、怖気付いたか!」


高笑いする敵。どうやらこの敵は、このバリアの弱点に気づいていないらしい。おそらく、こんなに長時間バリアを継続して張り続けたことがないのだろう。敵からおちょくられたが、その手には乗らない。決して動こうとはしなかった。


「…おいおい、まじで今更怖気づいたのかよ?さっきまでみたいに、いい加減攻撃してきたらどうだ?」


不審に思ったのか、敵はそういってこっちを睨んでくる。


「いやいや、そうじゃないさ。ただ、ちょっと準備があってね。」


「準備だと?」


そのお強いバリア相手に、俺の最大攻撃を食らわせてやりたいと思ってさ。ご自慢のバリアと俺の攻撃、どっちが強いか勝負しようぜ?」


さて、敵はどう出る?


「...ふふふ、面白い!やってみろ!俺の勝ちなのは間違いないがな!」


キタコレ!ちょうどいい時間になったし、やったりますか!俺はシエルさんに目配せし、シエルさんは頷いて数歩下がった。


「オーケー...龍神化(ドラグラス)30%(サーズ)


俺は自分の理性が保てる最大火力の龍神化を使い、手に力を込める。


「さあこい!あはははは!」


もう少し、もう少し...3、2、1!


「よっしゃ行くぜおらぁぁぁぁぁぁ!!!」


俺は身嵐を同時使用して、瞬時に突っ込み―


思い切りぶん殴った。つっこむ直前にバリアは解除されたため、俺の攻撃はもろに敵の顔面に直撃した。


☆☆☆

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