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48.ピンチは1度では終わらず

☆☆☆


「イグニくん、なんだよね?」


不安そうな表情で、シエルさんがそう聞いてくる。


「あぁ、正真正銘、イグニだよ。30%、なんとか理性を保てたみたいだ。」


俺は手をグッパーして、感覚を確かめる。今までより遥かに力が増している感覚がある。すると、一瞬で敵が俺のもとへ移動し、蹴りを入れてきた。


「多少姿が変わった程度で、何とかなるとでも思ったんですか?」


ニヤニヤ笑いながらそういう。だがその笑顔は一瞬にして消え去った。敵の蹴りは、すんでの所で俺の手に掴まれ、止められていたからだ。


「これでわかったか?変わったのは姿だけじゃねぇってことがよ!!」


そのまま、敵の足を握りつぶす勢いで、強く握った。敵は悲鳴をあげてその場から離れようとするが、俺の手から逃れることは出来なかった。


「こ、こんなことがあってたまるか!!」


敵はなりふり構わず殴りかかってくるが、敵の速さは最早見えないものではなくなっていた。全て避け、地面に叩きつける。敵は悶え、その場にうずくまる。


「やった、これなら.....!」


そんな声を発したやつの元に、俺は瞬時に動いて近づく。例の男女2人組だった。


「え、あの.....」


「お前らも同罪だ、消えろ。」


そういって、俺は容赦なく2人の頭を吹き飛ばす。当たり前だ、こいつらは最早人間じゃないのだから。保身のためなら他人を容易く犠牲にできる、魔物以下の存在だ。生かしておく必要なんてない。


『また人を殺したのか』


そんな俺の声が、俺の中から聞こえた気がした。俺はそれを無視して、敵の元へと近づく。


「さぁ、そろそろ終わり.....?」


手にかけようとしたとき、敵が震えているのがわかった。それは恐怖によるものではなく、笑いによるものだと気づくのに、そう時間は要さなかった。


「何がおかしい、お前の負けなんだぞ。」


「ふふふ、いやぁ失敬。あなたがここまで強くなるとは予想外でした。私もなりふり構っていられないようです。」


そういって、懐から何かを取り出す。何やら飴玉のようなものが入った小瓶だった。飴玉にしては、色が赤黒い。というか風貌からして、食べ物のそれではなかった。


やつは小瓶を開け、中身を全て取り出し、口へ放り込んでそのまま飲み込む。一瞬苦しんだかと思うとりすると突如、敵の魔力がいっきに大きくなる。姿もより一層バケモノのようになった。


「な、一体何を.....!!」


「グッフフフ.....これは魔王様の血液を固めたもの。取り込めば、強大な力を得られるのですよ.....」


そう言った瞬間、俺は顔を掴まれ、壁にたたきつけられた。


「がっ.....!」


手を振りほどこうとしても、ビクともしない。30%の力でも通用しないとか、マジかよ!?


「見てくださいよ、この力!もう誰も私を止められませんよォ!!」


俺は顔を掴まれたまま、今度は地面にたたきつけられる。無理してるせいも相まって、体が悲鳴をあげている。


一難去ってまた一難、俺はまたもピンチを迎えていた。


☆☆☆

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