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47.賭けの結果は

☆☆☆


「ぐ……!」


体と魔力の巡りの変化に吐き気を覚え、その場に膝をついて口を押さえる。乗り物酔いした時のように、視界がゆがむ。


「はあっ、はあっ、はあっ……!」


ドッドッドッと、心臓の鼓動がうるさく響く。この負荷に耐えられるかどうか、それが俺の運命の分岐点になるだろう。俺は己との戦いに挑むのだった。


☆☆☆


禍々しいオーラをまといながら、苦しみもだえるイグニくん。私はそれを黙ってみてることはできなかった。


「イグニくん!!」


「待て!近づかないほうがいい!」


イグニくんに近づこうとする私を、先生が止める。


「どうして!?先生、イグニくんが心配じゃないの!?」


「もちろん心配さ、けれど今は待つんだ。いいか、イグニくんはおそらく、30%の力を解放したんだ。前に言ってたろう、30%を解放したとたん、暴走しかけたって。」


「あっ……それじゃあ」


「暴走する可能性がある、ということだ。あの言いぶりからして、イグニ君はまだ30%を操れるかどうかわからないんだろう。一か八か使ったみたいだが、暴走したら私たちにも危険が……」


今のところ苦しんだいるだけで、暴走するかわからない。でも万が一暴走したら、見境なく破壊する兵器になってしまうだろう。もしそうなったら、私はどうする?私は拳を体の横でぎゅっと握った。


「……構わないわ」


「え?」


「構わないって言ったの。暴走して、私が狙われたとしても。」


「な、正気か!?」


「ええ。私、ずっと思ってたの。イグニくんに助けられてから、今度は私が助けるんだって。」


「それは私も同じ気持ちだ、だが……」


「ならわかるでしょ?少しでも、彼の助けになりたいのよ。」


私は先生の目をまっすぐ見据えて言った。先生は言葉に詰まっている。


「なるほど、では手遅れにしてあげましょうか。」


そういったのは、先ほどまでイグニくんと対峙していた敵だった。いつの間にか、私の目前へと来ている。


「あ……!?」


次の瞬間、私は首をつかまれ、宙に浮いていた。必死にもがくが、離れそうにない。ダメ元で魔法を放ってみるが、当たっても全くの無傷だった。


「たとえ暴走しなくても、既にお仲間が死んでしまっていると知れば、深く絶望して暴走するでしょうからね。あなた方にはさっさと死んでもいらいますよ。」


「この、離せ!」


そういってセルクさんが切りかかるが、剣が敵に当たった瞬間、刃が砕け散った。


「んなっ……!?」


「おや、まさかそんなナマクラで、魔王様に挑まれるつもりだったんですかぁ?」


先生は悔しそうに敵を睨みつける。


「そんなに急がなくても、次はあなたを殺してあげますよ。私は優しいですからね、すぐお仲間の元へ送ってあげます。」


先生にそういうと、今度はイグニくんが助けたという二人組のほうを向く。


「そしてその次は、そこの二人です。」


「な!?話が違うだろ!!俺たちのことは殺さないって……!」


「ええ、殺さなかったじゃないですか、あの場では。あれはあの場限りの約束ですよ。」


二人組は絶句し、絶望の表情を浮かべていた。この間もずっともがいていたが、一向に首から手が離れなかった。


「さて、お待たせしました。絶望して死になさい。」


そういって、強く首を絞められる。


「っあ……!!」


首が絞めあげられ、息ができなくなる。どんどん苦しくなり、手や足の感覚がなくなっていく。


いやだ、こんなところで死にたくない!助けて……


イグ、ニ、くん……


瞬間、ふっと苦しさがなくなる。落下する感覚がしたけれど、何かにやさしく受け止められた。


「よくも仲間に手ェ出してくれたな」


聞いたことのある、優しさと悲しさが入り混じった声が聞こえた。私はゆっくりと目を開ける。


「……イ、グニ……くん……?」


声の主は確かにイグニくんだった。けれど、その姿は。


「もう、俺の目の前で誰かが死ぬのはごめんだ。」


今までない威圧感と、非人間感を放っていた。


☆☆☆

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