表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/74

39.山道を行く

☆☆☆


「ぜぇ、ちょ、ちょっとタンマ・・・」


街を出て、山を登り始めてから数分。シエルさんが、息を切らしながらそういった。


「おい、まだ登り始めてからそんな経ってないぞ。さすがに体力が無さすぎじゃないか?」


「魔法ばかりで、運動をサボったつけが回ってきたな、シエルさん。魔法職とはいえ、走り回ったりはするんだから、ちゃんと体力つけろとあれほど・・・」


岩に座って休むシエルさんに、くどくどとお説教をするセルクさん。


「あーはいはい、分かってますよーだ。」


「はいは1回!絶対わかってないだろう!?」


「わかってますって、そのうちねそのうち。こうして歩いていれば、自ずと体力はつくでしょうし。」


「まぁ、それはそうなんだが・・・なんだかなぁ」


そういって、セルクさんは項垂れる。どうやらセルクさんは、レスバが強くないらしい。これでよくあのクラスを半年保てたな。舐められてたんじゃなかろうか。


「そろそろいくぞ、今日中に山の中腹あたりにはたどり着いておきたい。そこに休める場所があるから、ついてくる気があるなら、そこまでは頑張れ。」


「とのことだ、早くしないと置いていくぞ。」


「あ、ちょっと待ってよ~・・・」


先へ進む俺とセルクさんのあとを、シエルさんはたどたどしく追うのだった。


☆☆☆


「よし、今日はここまでにしよう。夜は夜行性の魔物が徘徊するから、生身では危険だ。」


夕方に差しかかる頃、俺たちはようやく山の中腹にたどり着いた。途中、何度か休憩を挟んだ割には、予定通りに着いた。


「は、はひーっ・・・よ、ようやくかぁ。長かったなぁ・・・。」


岩にもたれ、息を整えながら、シエルさんがそういう。


「ふぅ、久々にいい運動になった。いやはや、勇者たちと冒険していた頃を思い出したよ。やっぱりいいものだな。」


対してセルクさんは、さすがと言うべきか、疲れを見せず、とても爽やかにそういった。


「それはよかった。さて、次は泊まれる場所だな。」


「あ、そうそう。この辺り建物もないし、どうするつもりなの?まさか野宿じゃないでしょうね、この山の中で。」


「違うよ、野宿できる準備もないし。えっと、確かこの辺り・・・」


俺は、後ろにそびえ立つ崖を調べる。そのうち、壁が薄い場所を見つけ、3回ノックした。


「・・・誰だ?」


崖の壁の奥から、くぐもった声が聞こえる。


「お久しぶりです、イグニです。今晩、ココに泊まりたいのですが。」


「・・・入れ。」


岩肌にしか見えなかった場所が開き、中に入れるようになった。


「いい!?イグニくん、これは?」


「詳しいことは中で話すよ、とりあえず入ろう。」


俺は2人を連れて、崖の中へと入っていった。


☆☆☆

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ