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23.魔王軍との会合

☆☆☆


「もうすぐで人間の街だ!行くぞお前ら!」


降下中、そんな声が先頭から聞こえる。先頭に見た目から将軍っぽい奴がいるのが見えた。あれが魔物側の主将だろう。


俺はそいつの目の前に降り立った。ヒーロー着地、決まった!一回やって見たかったんだよね、これ。


「よっと!はいそこストップ!」


「のわっ!?な、何事だ!?敵襲か!?」


「よぉ、あんたが魔王軍側の主将かい?」


「貴様、人間だな。こちらに気づいて先手をうちに来たか、頭のいいヤツらめ。だがこの数を相手に1人で来るとは、拍子抜けだなぁ!」


そういい、魔王軍の主将は笑いながら、剣を鞘から抜く。魔物たちも臨戦態勢をとっていた。戦う気などサラサラないのだが、俺は誤解を与えてしまったようだ。まぁ、あんな登場をしたらそうもなるか。


「いや、俺は戦いに来たわけじゃない。あと人間側の使いでもない。1個聞きたいことがあってな。」


「ふん、信用出来んな。人間は我々の敵、ここで切り伏せるのみよ。」


「いやほんとなんだってば。うーん・・・あ、そうだ。おーいグリフォン!」


俺は近くの木で待機させていたグリフォンを呼び寄せる。グリフォンは俺のそばに着地し、体を擦り寄せてきた。優しく頭を撫でてやる。


「ぐ、グリフォンと意思疎通を!?貴様、テイマーとかいうやつなのか!?いやしかし、テイマーの魔物は暴走させたはず・・・」


「違う違う、こいつは友達。な?」


俺がそう言うと、グリフォンは嬉しそうにひと鳴きした。というかテイマーの魔物暴走は、魔王復活による弊害じゃなくて、あっちが意図的に引き起こしたものなのか。


「・・・わかった、ひとまず信じよう。だが、それならお前は何しにここに来た?あの国の住人なのだろう?」


よかった、とりあえず誤解は解けたようだ。俺はまたグリフォンを近くの木に待機させ、話を進める。


「とりあえず、お前らの目的を聞きたくてな。あの国を襲って、人間を殺すのが目的か?」


「第1の目的はな。ここを滅ぼして我らの拠点にし、侵攻の足がかりにする。そして、他の人間の国にも攻め込むつもりだ。」


「ほう?なるほど。それが魔王様の命令ってわけね。」


俺は頷き、こう続けた。


「わかった、ありがとう教えてくれて。もう行っていいぞ。」


すると、何故か主将は目を丸くしていた。とんでもないものを見たかのような顔だ。


「どうした?あの国を滅ぼすんだろ?」


「ど、どうしたもこうしたも・・・貴様は人間だろう!?同族が滅ぼされるという話を、はいそうですかと了承するか普通!?人間の味方では無いのか!?」


「違うって言ったじゃん。赤の他人なんざ興味はないね。」


「そ、そうか。では、我々の味方ということか?」


「それも違う。俺は人間の味方でも、魔王軍の味方でもない。俺は自分の家族が無事なら、それでいいのさ。」


「・・・?よくわからんやつだな。」


「分からなくて結構。目的はわかったんで、俺は戻るよ。人間を滅ぼしたきゃ勝手にどうぞ。」


「そ、そうか・・・ではそうしよう」


俺の横を通り、魔王軍は行軍を再開した。


「あ、そうだ。1個だけアドバイスやるよ。」


「アドバイス?」


主将は足を止め、俺のほうを振り向いた。俺はあくまで笑顔で、やつに告げた。


「人間の街を滅ぼす過程で、俺の家族に何かあったら・・・お前ら全員殺すから。」


ドスを聞かせて、そう宣言する。その場でグリフォンを呼び、俺は街へと戻るのだった。


☆☆☆

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