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22.強襲の知らせ

☆☆☆


校長と副校長に喧嘩を売った俺は、暇になった時間で、授業の見学をしていた。


火の玉を放ったり、風を刃状にして飛ばしたり、光のビームを出したり・・・あぁいう魔法が使えれば、楽しいんだろうなぁと、思いに耽っていた。どうにも、魔法を飛ばすという感覚がいまいち掴めない。


俺がまともに使える魔法は、身嵐だけ。それもまだまだ発展途上の状態だ。もう少しマシにならないとな・・・なとと考えてながら見ていると、1人の生徒の魔法が他より精度が高いことに気がついた。


パッと見はさほど差があるように見えないが、他の人よりも当たりが中心に集中していた。魔法を放っていたのは、先程剣の実技で話しかけてくれた、シエルだった。どうやら彼女は、遠距離タイプの攻撃魔法に優れているようだ。


俺が近距離専用だから、パーティメンバーに遠距離タイプがいるのは心強いが・・・保留だな。知り合ったばかりの人間においそれと心を許すことなど、俺に出来るはずがなかった。


「・・・つまんねぇな、魔法の授業。」


俺はそういって、その場を離れようとして、誰かが近づいてくる足音に気がついた。


そしてその瞬間、誰かが息を切らしながら、実技場へと駆け足で入ってくる。よくみるとそれは、城壁の門番のうちの1人だった。


「せ、セルク様!大変です!!」


「のわっ!?どうした、なにごとだ!?」


「魔物の軍団が、魔物がこの町に向けて進行を!」


「魔物の軍団!?数は!」


「せ、1000はゆうに超えています・・・!!」


「なんだって!?」


とりあえず、やばそうな状況であることはわかった。なにより、こんな場所でそのことを言い出したのは、失策としか言えない。だってここは・・・


「魔物だって!?よし、俺たちで退治しようぜ!」


「おう!今の俺たちなら楽勝だな!」


英雄気取りの勇者かぶれが集う、そんな場所なのだから。こんな話を聞いては、こうなることは必然だろう。


「だ、ダメだ!お前たちではまだ早い!実技と実戦ではまるで違うんだぞ!!」


「実戦形式の実技なんですから、一緒でしょう?なにより、今は数が必要なのでは?」


「だ、だが相手は1000以上だぞ!?魔物だってどんな奴が来るか・・・!!」


「大丈夫ですって、俺たちを信じてくださいよ!」


有象無象が揃ったところでなんになるのだろうか。ひよっこが首を突っ込める案件でないことを、理解していないようだ。


「・・・うむむ、数が足りないのは事実・・・だが・・・」


セルクさんも真剣に考え出てるし、こりゃやばいことになりそうだな。王国が殺戮の場と化すのが目に見えてる。



それはそうと、その魔物とやらに少し興味が出てきた。今まで攻め込もうとしたことなどなかったのに、今になって急にときたもんだ。


おおよそ魔王が復活したことで強気になったのだろうが・・・よし、こうなったら先にどんなやつか見てみよう。


俺はこっそりと実技場から逃げ出し、街へと走りながら呼び笛を鳴らす。これは、グリフォンを呼ぶためのものだ。走っていくより早いし、空高く飛んでしまえば目立たない。


時間を待たずして、上空からグリフォンが飛んできた。俺はそれに飛び乗り、上に飛ぶよう指示する。


空から街を見渡すと、情報通り、正門に向けて魔物の軍団が進んでいるのを捕捉した。


「グリフォン、あの先頭に向けて急降下してくれ!」


グリフォンは軽く返事をし、俺はグリフォンとともに下に向けて急降下した。

☆☆☆

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