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3-7「ねえ、付き合って♡」(6P)
「だってわたし、別に面白みとかないじゃん?」
「………………え」
『ね? そうでしょ?』と言わんばかりに右手を開き、左手を腰に当てはっきりと言う。
その様子、威風堂々。
ズドンと構えて、自分の発言に一切の疑いも持っていない。
思わず言葉を失う彼の前、
彼女はそのまま『超! 真面目!』な面持ちで、述べるのだ。
「超~~~~ふっつううううでしょ?
めっちゃノーマルじゃない?
ノーマルと書いてわたしと読むぐらい普通じゃない?」
「…………。」
(──いや、何を言ってるんだ? 君は。)
ツッコミも 追いつかないほど 混乱す
──少なくとも。
彼、エリック・マーティン……いや、
盟主『エルヴィス・ディン・オリオン』のその周りは
一人芝居でモノに話しかけたりし
初めての人間に靴を投げたりしないし
誘いに対して現状報告を繰り出したりもしない
──────のだが。
対応が遅れ黙り込む自分の視線の先で
とてもとても不思議だと言わんばかりに首を傾げるミリアに
エリックの
考えは
口から
突いて出ていた。




