表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

80/592

3-7「ねえ、付き合って♡」(5P)





(……まあ、一人芝居に関しては?

 面白かったかもしんないけど?

 …………今、笑うところあった……??)

 


 と、内心、疑問符を飛ばすミリアの隣で、エリックはおもむろに口を開くと

 


「けれど、こういうものって……

 普通は問屋の方から卸しに来ないか?」

「──あ。うん、来てくれるよ~」

「じゃあ、なんでわざわざ?」

「──ふっふー♪

 『雨の日特別デー、10%オッフー』♪」



 問われ、陽気な鼻歌交じりに答える彼女。

 そしてそのままご機嫌に、指で『10』を作り、テンション高めに話し出す。



「10%だよ?

 じゅっぱー!

 同じものが10%も安かったら行くでしょ!

 問屋さんって普通こういうことしないんだけど、そこは別でね?

 雨の日大特価なの!

 わたし、ほら、バイヤーもやってるし?

 大雪とか嵐とかじゃない限り、10%は大きい!

 行くっ。行くしかない!」

「…………へえ。

 流石に、そういう時は出ないんだな?」



「……………………人をなんだと。」

「──……自覚ないのか?

 君、かなりの『向こう見ず』だろ?」

「………………」



 言われ、黙るミリア。

 しかしエリックはさらさらと言い募るのだ。




「ナンパに駆けていくし、ナンパに嚙みつくし、靴は投げるし」


「────まあ。

 否定できない」

「…………」

 


 二・三拍ほどの間を置いて

 認めた彼女に今度は彼が沈黙する番だった。



 内心

 (……そこは認めるんだな?)

 とツッコミを入れるエリックの隣



 彼女は 

 『ううぅぅん』と悩ましげに眉を寄せ、せかせか踏みあるくスピードはそのまま腕を組み、力いっぱい首をひねる。



「どーも。

 どおおおおも、見過ごせないっていうか。

 なんか、体が動くんだよねぇ?

 なんでだろうねぇ?」

「…………俺に聞くのか?

 自分のことは、自分が一番よくわかるだろ?」

「うん、だからあのね、漫才とか無理な感じです」



「…………え。そこ(・・)に戻る?」

「掘り返してみました」



(『みました』って……、

 …………いや、えーと)




 エリックが一瞬

 ミリアのキラキラお澄ましスマイルにツッコミを躊躇ったその時。



 ミリアは、手のひらを返したようにその表情を真顔に戻すと──『さも当然』と言わんばかりに堂々と、




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ