3-4「だんごむし」(5P)
「……………………マエ……」
「はっ?」
「…………の…………ナマエ」
「え?」
「…………だからっ!
あの子の名前っ!
わたしの相棒っ!
スフィー・ドル!」
びっしいいいいいいいいいいっ!
最後はやけくそ。
物分かりの悪いエリックに勢いよく立ち上がり、カウンター隅に置いてある女の子の人形を指差し叫ぶ!
はっきり言って捨て身の告白である。
彼女の中
(ああああもう勘弁して! これで分かってもう死にたい! 察して! 察してお願い! もうヤダああああ! ぶああああん! わたしの馬鹿アアアアアアア!!!)と、嵐が吹き乱れ、今にも叫んで転がりたい気分だった。
────が。
「………………は?」
返ってきたのは、無情な反応。
(────ひッ。
…………こっ、コロシテっ……!)
事態がいまいち飲み込めない、理性の男と
思いっきり一人劇場を楽しんでいた、妄想の女
彼の『なにやってるんだ』こうげきに
ミリアの『いろいろ』が限界に達した時
エリックの
無情な声掛けは
彼女に、とどめを刺した。
「────…………ってことは
君、
今、
一人でしゃべっていたってことか?
あんなに楽しそうに?
大きな声で?」




