表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

582/592

8-12(8章完)「……幸せお兄さんかもしれない……」(7P)





「……ヘンリー。頼みがある。俺に力を貸してほしい」










「正直に話そう。俺は今、手が回らない状況にある」



 ヘンリーとの会話の末。

 エルヴィスは深刻を纏って彼に述べた。



 もはや『頼るのが苦手だ』とか『迷惑をかける』などと言っていられない。アルトヴィンガの件もウエストエッジの件も、最悪を招く可能性があるのなら見過ごせない。




 『気にしすぎ』『飛躍しすぎだ』と言われても、民を護るためだ。些細な異変でも把握し、小さな不穏でも調べ上げ潰す必要がある。


 それにはもう、エルヴィス本人のつまらぬ意地やプライドなどという、糸くず一本の価値もないものは捨て去るのが最良だ。


 自分の声掛けに緊張を滲ませるヘンリーを見据え、盟主エルヴィスは続きを放った。



「先の円卓会議で突かれた死亡事件に加えて、『ミントペール街道沿いに黒衣の悪魔(セタ・ギャガ)が現れてな」


「ミントペールで黒衣の悪魔(セタ・ギャガ)……!?

 冗談でしょう、あいつらの生息地はもっと南のはずで……! いや、そんなことより、大丈夫だったんですか!?」

「ああ。初期対応は行った。

 しかしこのあと、黒衣の悪魔( や つ ら )どう動くのか、何が目的なのかわからないのが現状だ、加えて」

「……なんでまた……! ああすみません、それで、続きを」



 ヘンリーは混乱しながらも食らいついてきてくれている。

 そんな彼に一拍、考える間を置いた後。

 エルヴィスは長めの息を吸い込み話を続けた。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ