表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

580/592

8-12(8章完)「……幸せお兄さんかもしれない……」(5P)




 小型竜(ワイバーン)竜舎の中、ヘンリーと二人。

 咽鳴りが響く中、エルヴィスは──闇の中を探るように、しかし確実に(・・・)見据えながら(・・・・・・)続きを紡ぐ。



「……アルトヴィンガでは現在、ネミリア教を離れるものが増えていると言っていたな?」


「はい、あの地区のネミリア教会が泣きを見ているとか」

「『もともと薄気味悪い街が、さらに悪くなった』と」


「ええ。

 …………閣下、もしかしてその『アルトヴィンガの連中』と、『チェシャ―通りの奴ら』を同じだとお考えですか?」

「……ああ」



 その顔から軽さを消して、真顔で述べるヘンリーに頷く。

エルヴィスは続けた。

 


「──仮に(・・)、ウエストエッジに現れる「幸せお兄さん」がアルトヴィンガでも活動していたとして……『道行く人々に「幸せですか」と問いかけ行う集団がいる』のは、薄気味悪いと思わないか?」


「……気味悪いですね、たしかに……」

「だろう? 人によってはのどかに映るかもしれないが、十分に異常だ。オースティンの愚痴も理解できる」

「……でも、それとネミリア教を離れる人が増えたってぇのは、どう────って、あ……!」

「──そうだ。あそこは元々貧民街だ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ