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8-11「ボア・ドミニオンは知っているか?」

「ヘンリー。お前、ボア・ドミニオンの存在は知っているか?」

「ボア・ドミニオンですか?」






「……いや~……ちょっとジブンはわかんないっすね……」




 問いかけの後。

 返ってきたのは、ヘンリーの悩まし気な声と戸惑いの表情だった。



 自分にツテがない分、ランベルトの知識を借りようとしたが、当てが外れたようである。




 「……そうか」と小さく答え俯き考えるエルヴィスの前、それでも何とかひねり出そうとしている様子のヘンリーは、難しそうに後ろ頭をごりごりと掻くと、





「ウチ、ほら、兵装具は詳しいんすけど……」

「ああそうか。御父上のランベルトは鎧の収集家だったな」

「そーなんすよ~。おかげさまで廊下も部屋もいかついのなんの。母上も文句言わないもんですから、増えていくばっかりですよ」




 身振り手振り、大げさに手を広げ肩をすくめるヘンリー。


 確かにそうだ。

 彼の実家は物々しい。

 数回訪ねたことがあるが、下手な拠点城よりよほど装備が揃っている印象である。


 そこからイモずる式に、ランベルトの奥方の趣味まで思い出し(では、毛皮関係は望み薄……か)と内部整理及び次なる手を思案するエルヴィスに、ヘンリーの問いが飛んだ。




「けれども閣下、なんでそんなことを?」

「別件で少し」

「ああ、この前のミリアさんでしたっけ? あの子関係ですか?」

「──なぜ(・・)?」

「あれ? 違うんですか? ミリアさん「仕事仲間だ」って言ってたから、ピンと来たんですけど」

「…………」


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