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3-3「陶器の仮面」(3P)
「最悪、今年の冬は持ち堪えられたとしても……、
長期的に見て、値が上がりすぎるのは避けたい」
「承知しました。天井を設けておきましょう。
我々も、その方が都合がいいですし」
スネークが2つ返事で頷くのを視界の隅に、エリックは、一つ。
情報の記された羊皮紙をノックして、スネークに目を向けると
「……これ。
各店舗へ、売買記録を出せとは言えないのか?」
ダメ元で言うエリックに
「……売買記録、ですか。
おっしゃりたいことはわかりますが、難しいでしょうね」
困ったように肩をすくめるスネーク。
「……そもそも記録をとっているかどうかも怪しいところです。
我々総合組合に上がってくるのは、組合全体をまとめた情報ですから」
「…………、」
少々困り顔で言われ、唸り考える。
確かに、そうなのだ。
スネークは『総合組合』の取りまとめ役であり、各組合の管理はそのトップに委ねている。毎月、報告義務があるのは組合全体のことで、各店舗の売り上げなどはそれに含まれない。
それに正直。
総合組合としても、そこまで見ていられない。
────加えて




