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8-9「出たくないったら出たくない。ああだるい、帰りたい」(5P)




 時すでに遅し。

 ドミニクの『隙あらば娘の話題ねじ込み攻撃』に、胸の内で毒を吐く。


 (…………面倒だ)



 会議では本当に助かったのだが、ここでレアルをねじ込んでくる意図は見えている。縁談だ。



 ぶっちゃけ、何度か食事をした程度の男爵の娘を妻として迎え入れても政治的にも心的にも何の利益もないし、レアルと話をしていても楽しくも無ければ嬉しくもない。 


 

 そもそもあんな趣味の女、願い下げなのだ。

 エルヴィスは生首(剥製)の中で食事を摂りたくないし、人体臓器の収集もない。

 しかし、そんなことをダイレクトに言えるわけがない。



 レアルの影をちらつかせまくるドミニクに、エルヴィスは一瞥(いちべつ)

 辟易を真摯に変え、ドミニクに向き直ると、



「……ドミニク殿。あの場を納めてくださったのは感謝します。しかし、会議の内容については……ご配慮賜りたい」

「はっはっは。他言は致しませんぞお。『オリオン領の婦女子死亡事件の調査が思うように進んでいないことについて』など、漏らしませんぞ!」



 思いっきり口にしている。

 不安である。

 しかしそれを咎められる仲でも、空気でもない。



「──……面目ない。私の失態です」

「そんな! 屑の民草が行ったことなど、閣下の責になるはずがありません!」


(……声が大きい。ああ、やめてくれ……)

「おのれロフマン! あの狸め! 同世代ながら恥ですな! 年齢を盾に取り閣下に言及するなどと!」



「…………………………………………ドミニク殿」

「あ! 居た居た! リー……閣下!!」



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