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8-8「持ち込み制だよねどうする!!?」(7P)



(……おいしーから良し。うん。食べきれないんだもん、ここは、しっかり食べてさしあげなくては)



 自己完結した。

 彼女は『ミリア・リリ・マキシマム』。人に迷惑にならないレベルの問題を自己完結させるのが得意な女だ。



 おかげでエリックの『食べきれないと言いつつ多めに頼み、自分の料理を分け与える形のおもてなし』にも気づかぬわけだが、エリックとしても──



 変に『わたし注文したのこれだけだし。お腹減ってるけど施しは受けないし』と意地を張られたり、『お金出せないから要らない』と言われるよりも、よほど庇護欲が満たされる。



(……やっと満足にご馳走できた)



 もぐもぐ食べるミリアにこっそりと喜びに浸る彼。

 思えば数か月前、ナンパに駆けて行ったミリアの代わりに代金を支払い、釣りを返された時から密かに抱いていた願望が成就された瞬間であった。



 満足げに料理を口に運ぶ彼。

 心の底から美味しそうに頬張る彼女。


 ささやかで穏やかな空間を、徐々に増えてきた客の賑わいが埋めていく。



 ──そんな中、次の話題を振ったのは、思い出したかのように顔を上げたミリアだった。

 


「──あ、ねえ。そーだおにーさん」

「……たまにはエリックって呼んでくれないか? なに?」

「今度の店休日、暇?」

「──今度? 何日? どうした」



 唐突の誘いに目を見開くエリック。

 すると彼女は、少々悩まし気に瞳を惑わせ、ちらりとこちらを見つめて云う。


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