8-8「持ち込み制だよねどうする!!?」(5P)
「からかいたくなる顔してる君が悪い。ああ、面白かった」
「こっ────〰〰〰〰!
ほんっと意地悪! いじわるい!
それで旦那さまにお仕えできてるの不思議!
どれだけ猫被ってんだか~~~っ??」
静寂から一転。
ぷんぷんを携えた嫌味で揶揄いかえし、「ふん!」と腕を組むが──逆効果なようで。
彼の悪戯な笑みが踊るのである。
「猫? いくらでも被れるよ? 鳴いて見せようか? 「myao」」
「「みゃお」じゃないよっ! 「みゃお」じゃ! そこで微妙に優等生っぽい発音するのむかつくっ! 古語まぜんなっ! 猫は「にゃー!」、得意げに「みゃお」なんてっ、くう────っ!」
「────へえ、なるほど……? フフッ。」
「んむっ? なに? その優越感に浸った笑み!」
「俺のマネが上手くて悔しい? まあ、そうだよなぁ。自信あるし、自分でも上手いと思った」
「ちょっとまて、どこから出たかなその自信!?」
「……ああ、でもほら、あれだな?
フェアじゃないよな?
これで勝敗を決めるわけにはいかない。
君の鳴きまねを聞いていないんだから。
悔しいよな? ほら、君も鳴いてみればいいんだ。
”myao”って」
「……煽られているッ……!
煽られているッ……!
思いっきり煽られているッ……!
むかつく……! 乗らないんだから……っ!」
「────フ!」
「くううううううううううううう〰〰〰〰〰〰〰〰ッ!」
エリックにからかわれ、拳を握りまくり憤慨するミリアは気付いていない。
その笑いの奥に、少々の陰りがあること。
『冗談だ』と述べる前の緊張した面持ちの意味。
揶揄いで覆った恐れの色と、『質問の裏』。
テーブルの向こう側。
いつもの『面白がって揶揄ってくるムカツクおにーさん』と化したエリックに、ミリアはツンと鼻を鳴らし頬杖を突くと、




